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今こそ「首相機関説」を 田中康夫
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2011/6/29 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「天皇は国家人民の為に統治するのであって、天皇自身の為にするのではない」。「天皇機関説」を説いたのは美濃部達吉氏です。「天皇主権説」からのコペルニクス的転回でした。
星(せい)霜(そう)を経て、今こそ「首相機関説」を共通認識とすべきです。首相は首相自身の為に統治するのではないのですから。
実は今までも、「首相機関説」「大臣機関説」は共に機能していました。が、それは国家国民の希望の為ではなく、役所役人の都合の為だったのです。霞ヶ関が作成した予算・法案を国会に提出する為の機関、それが首相や大臣だったのです。
自分の選挙区にダム建設を誘致、ライバルの選挙区で特養設置を排除。日本の「政治主導」は精々が、このレヴェルだったのです。大本の部分は官僚が遠隔操縦する「首相機関説」でした。
忖(そん)度(たく)するに畏兄・亀井静香氏が昨秋から提唱の「救国内閣」、発生直後の3月13日に進言した「震災復興実施本部」の深意は、「首相機関説」の真っ当なる機能です。
辞任する心算が更々無い人物に鈴を付けねば、と未だ民主党の面々は画策しています。
が、役職辞任も辞さず、と我ら“口先番長”が6者密談を開けば、マスメディアが“針小棒大”に報じ、本人も震え上がるに違いない、なあんて“他力本願”な、凡(およ)そ差し違える覚悟も無き“胎動”など、一匹狼から頂上に駆け上った彼にとっては屁でもないでしょう。真っ当に働き暮らす国民にとって、こんな悲喜劇ならぬ「喜悲劇」は有りません。
ならば、“セカンドベスト”を選択すべきです。国家国民の為の「首相機関説」です。震災以降の無為無策な100日を些かでも挽回すべく。
「男の美学」で副総理就任を固辞した畏兄・亀ちゃんは、「これからも全力を挙げて、総理特別補佐官として菅政権を徹底的に支えていきたい」と申し出ました。
内閣総理大臣補佐官は総勢5名。他の4名は、国会対策、災害ボランティア、省庁間調整、食品安全と所掌分野は限定。唯一、亀ちゃんだけは「内閣の重要政策全般担当」と官報掲載されています。謂(い)わば首相特別補佐官改め首相特別指揮官、と僕は捉えています。
「大統領は自分と妻の為に統治する」と最期の瞬間まで信じて疑わなかったニコラエ&エレナ・チャウシェスク夫妻の再来を防ぐべく、真っ当な「首相機関説」で日本再興を願うや切です。
◇
浜田氏引き抜きは究極の1票のため…亀井氏解説
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110629-OYT1T00932.htm?from=top
2011年6月29日20時40分 読売新聞
国民新党の亀井代表は29日の記者会見で、自民党参院議員の総務政務官を起用した人事の狙いについて、菅首相が退陣の条件に掲げた再生可能エネルギー特別措置法案の成立をにらんだものだったと説明した。
亀井氏は、再生エネルギー特措法案に対し、野党内では共産、社民両党の賛成が見込めると指摘。この場合、参院では計算上、民主、国民新の与党(109人)、共産(6人)、社民(4人)、与党系無所属1人を合わせ120人と、過半数(121)にあと1票不足するが、亀井氏はこの1票差を埋めるために必要だったのが浜田氏の一本釣りだったとした。
亀井氏は「浜田氏が(与党に)来たことで、公明党と自民党が反対しても、参院で成立するようになる」と語った。
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