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参議院議員の浜田和幸は、自民党に離党届を出したが受理されず、除名されるようだ。
たしかに、自民党からしたら怒り心頭であろう。
コメント欄で以下のような意見をいただいた
菅が一本釣りした浜田和幸の経歴が凄い。
なんとあのCSIS出身者で米連邦議会勤務経験もあります。
あぶなすぎる!
ほほう CSISか。ジャパンハンドラーズの本家。
となると、一連の菅直人の妄動はやはりジャパンハンドラースのパペットと言うことか。
などと思いながら、浜田和幸という人について調べてみた。
ところが、意に反して浜田の評判はあまり悪くない。
もちろん自民党だし、保守というか相当に右翼的な思考回路ではあるが、著書などを見るとハゲタカファンドのことを扱ったものなどが多い。
私が今まで読み聞きしたなかでは、「拒否できない日本」の関岡英之氏に傾向はやや近いようにも思える。
何よりも、浜田はTPPに明確に反対している。 その理由も、農産物ばかりを心配する表面的なものではなく、アメリカによる日本収奪システムとしての本質を突いている。
これは、ちょっと頭をひねってしまう。
アメリカ(日本利権派)のジャパンハンドラーズが、現在の菅直人の後ろ盾であり、原発処理もすべてアメリカが糸を引いているという仮定と矛盾する。
浜田が実は口先男で本当はアメリカの言うなりなのか、菅直人の妄動が実はJHの影響を排除しようとするあがきなのか、あるいは菅が目先の延命のために亀井静香の作戦に乗ったのか。
どうも、直球では答えが見つからないようだから、周辺状況から見ていきたい。
■■仙谷・石原ラインの大連合の芽をつぶした
菅直人以外の民主党の現執行部。仙谷、安住、玄葉らは口を極めて、浜田和幸の引き抜きを非難している。
野田も、もごもご言いながら腹を立てているようだ。
枝野は直接の交渉役をしていたのだから寝耳に水ではない。
岡田も、まあしかたないか という無気力状態。
少なくとも分かることは、浜田の引き抜きが、仙谷らが画策していた「菅をおろして自民と大連立」というコースを潰すことになった、ということ。仙谷らは、目の前にそれがぶら下がっていただけに、頭から湯気が出ているのである。
自民党の石原や大島も、たかが一人の寝返りに天地がひっくり返ったような大騒ぎをすることもなかろうに、感情的に対立を強めている。
国民目線からしたら、なんてケツの穴の小さいヤツ としか見えないことに、気がつく余裕もないほどに
どうやら引き抜きの実行犯らしい亀井静香が、じつは12人引き抜いてねじれ参議院をひっくり返すつもりだったなどという報道も見られるが、これはリアリティがない。泥舟の指定席にわざわざ乗ってくる物好きが、一人いただけでも驚きだ。
まして、12人もひっくり返せるわけがない。
おそらくは、仙谷−石原ラインの大連立を潰すために、わざと自民を怒らせことが亀井の目的ではなかったのか。
菅には、「12人連れてこられれば、ねじれ解消でまだまだ首相の座にいられるよ」 とでも言ってあったのだろう。
■■震災復興利権に激しく触手を伸ばすアメリカ
郵政法案を至上命題とする国民新党の亀井にとっては、浜田の主張は納得できる者であり、逆に、仙谷ー石原ラインの大連合になってしまえば、郵政法案は永遠に葬られることになるのだから、自民を怒らせて浜田を政権に引き抜いたのは、亀井的には理に適っている。
また、震災や原発災害の復興にたいして、激しく利権の職種を伸ばしてくるアメリカの利権集団に対して、ものを言える人材と評価したのかもしれない。
浜田の書いている文章を、そのまま額面通りに受け取るならば、そう思える。
CSIS出身ということはジャパンハンドラーズの連中と人脈があり、かつ、TPPに明確に反対している人間は、多くないはずだからだ。
アーミテージやマイケルグリーンの子分である長島昭久は 「TPP参画が遅れれば我が国経済の「ガラパゴス化」は挽回不可能なまでに進行してしまう」などと、自分のブログに書いて、TPP推進の旗を振りまくっている。
これが、まあ「普通」のジャパンハンドラーズとその子分たちの態度である。
ちなみに、マイケルグリーンなどの、日本利権をあさるジャパンハンドラーズは、いわゆる復興利権に血眼だ。
CSISが副知事らと意見交換 宮城 2011.6.27 産経
内なる力、結集を 2011/6/22 日経
その中心となっているのが、日経の記事にも出ている、東日本大震災の復興支援プロジェクト「復興と未来のための日米パートナーシップ」である。
米戦略国際問題研究所(CSIS)と経団連の共同組織で、委員長はめでたく米ボーイング社のジム・マクナーニーCEOだそうだ。
こうした、浜田の出身母体であるCSISを切り込みたいとした、アメリカの復興利権あさりに対して、浜田がどういう対応を見せるのか、ここに真価が問われる。
じっさい、浜田の担当は、「対外調整」だという。
これは、すなわち「日米パートナーシップ」との調整に他ならないだろう。
もし、浜田がこれまで著書などで書いてきたとおりの主張を、この場でも貫くのであれば、亀井の引き抜きはアッパレと言うことになる。
菅の真意は分からないままだけれども、結果的には、復興をめぐる一つの最前線となる。
逆に、張りぼての寅のように、ホンモノの前では頭を垂れるのであれば、この一連の騒動は、やはりジャパンハンドラーズの指令であったということになる。
ここの違いは、東北の人びとのこれからと、ひいては日本中の人びとの将来に大きくかかわる。
当面は、定点観測を怠らないようにしたい。
1日の終わりは、ネットニュースで「浜田和幸」と検索だ。
■■増税論者でもある浜田和幸
TPPにはしっかり反対の浜田であるが、日本海新聞の昨年の参院選の資料を見ると、消費税は10%と言っている。
【質問9】 消費税の引き上げに賛成ですか反対ですか。
賛成。(中略) 当面10%とする。
(引用以上)
復興税については、発言が見当たらない。
復興構想会議が火事場泥棒で取り立てようとする、復興税に、浜田がどのような態度をとるのか、も判断のバロメーターになろう。
ちなみに、浜田和幸と検索すると、勝手に幸福の科学という文字が選択肢の中に入ってくる。
ホントかウソか知らないが、奥さんが信者だとかどうだとか。
まあ、そんなこともふくめて、この浜田和幸政務官は、しばらく観察する必要がある。
それによって、菅直人がゾンビのように生き延びている菅政権に対する見方が、微妙に変わるからだ。
先の長島昭久や前原誠司がどういう態度をとるか、も注目。
浜田が本気でTPP反対で、JHに抵抗する気ならば、彼らは目の色を変えて攻撃するはずだからだ
もし、そうであれば、超右翼的なのは気に入らないけれども、とにもかくにも、仙谷、前原、安住、玄葉などに乗っ取られたままであるよりは、少しは災害対策は進むかもしれない。
「民主党も自民党も公明党も嫌いだ」という就任会見をやらかした復興担当相も、この会見のように捨て身でやってくれれば今までよりはマシかもしれない。
楽観的に過ぎると言われるかもしれないけれども、そんな僅かな期待も込めながら、これからの毎日を見守りたい。
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