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2011年6月29日 (水)
民主両院議員総会で指摘された五つの重大な問題
6月28日午後5時から民主党の両院議員総会が開催された。
6月2日に、菅直人氏が事実上の退陣表明をして以来、初めて民主党国会議員全員の前で菅直人氏が説明責任を果たす重要な会議であった。
ところが、菅直人氏は会合の途中で退席した。
極めて無責任な態度である。公務でやむなく退席するのであれば、質問に対する答弁を、別の期日を定めて行うことを確約することが不可欠である。首相の出処進退は、菅氏個人の問題でも民主党内だけの問題でない。国政を民主党に委ねている主権者国民の問題であるから、いい加減な対応は許されないのだ。
途中退席する前に、途中退席することについて謝罪し、答弁できない質問に対しては、期日を定めて責任をもって対応することを確約するのが、最低限のマナーであろう。
当然のことながら、菅氏に対して厳しい意見が噴出したが、菅直人氏はこれらの意見、質問に対して回答することなく途中退席した。
議員から両院議員総会の再度の開催を求める意見が提示されたから、執行部は責任をもって対応する必要がある。
菅直人氏が解党しなかった問題のうち、とりわけ重要な五点を適示する。
第一は、原口一博元総務相の指摘だが、菅直人氏が辞任する理由を明確にせよというものだ。原口氏は、震災および原発事故発生直後の対応の誤り、原発事故への対応の誤り、復興対策の遅れを踏まえて菅直人氏が引責辞任するとの理解を示した。この判断でよいのかどうか、菅氏は回答を示す必要がある。
第二は、川上義博参院議員の指摘だが、自民党の浜田和幸氏の一本釣りに際して、官房機密費が使われなかったどうかとの質問が投げかけられた。党執行部は責任ある答弁を示す必要がある。
第三は、小林興起衆議院議員の質問だが、福島原発事故について、その原因が津波だけによるものであるのか、地震の影響もあったのかについて、すでに事実関係が明らかになっているのかどうか。また、脱原発について、菅直人氏が明確な方針を携えているのかどうか。この点を明らかにするよう求めた。
海江田経産相は全国の原発再稼働にゴーサインを出したが、福島原発事故の事実関係究明が完了していないのに、再稼働にゴーサインを出したというなら、これは許されざる暴走である。
また、菅直人氏は再生エネルギー特措法案を退陣条件に掲げたが、これと脱原発論議が関係してくるのかどうか、ここが最重要のポイントだ。
第四は、元宮古市長で衆議院議員の菊池長右衛門氏の指摘だが、政府の震災復興対策が著しく遅れていること。被災地では最小不幸社会ならぬ最大不幸社会が出現していることが語られた。
国難に直面するいま、何よりも優先されなければならないことは、被災者の支援、被災地の復旧、復興である。口では震災復興が大事だと言いながら、菅政権は被災地の最大不幸を放置したままである。
第五は、群馬選出衆議院議員の宮崎岳志氏の指摘だが、菅内閣が推進している、「社会保障と税の一体改革」が提示している2015年度消費税率10%、震災復興構想会議が提示している復興税としての基幹税増税について、与党である民主党の同意が得られぬ以上、政府決定を見送るべきだとの主張だ。
震災復興対策を立案せず、増税案だけ具体化するなど、狂気の行動と言わざるを得ない。
これらの、極めて筋の通った、質問、意見、主張の提示に対して、菅直人氏は回答を示す責任がある。いずれの指摘も正論であり、菅政権がもはや国民の信任はおろか、民主党議員の信任すら失っていることは明らかである。
国民生活にとって、何よりも重要な問題は税の問題である。震災のどさくさに紛れて増税が強行されて良いわけがない。主権者国民は、この際、体を張って、財務省のよこしまな行動を阻止しなければならない。
あの独裁者小泉純一郎氏でさえ、郵政民営化法案の国会提出に際しては、党内の決定を経て政府決定につなぎ、国会提出を行った。その過程で、部会、総務会では大混乱があった。
2015年消費税率10%、復興財源を増税で賄うなどという案は、財務省と財務省の手先になっている悪党議員が勝手に提示しているだけのものだ。
経済財政政策担当相にいたっては、つい最近まで「民主党が日本経済を破壊する」と公言し、自民党への主権者国民の投票で、辛うじて国会議員の地位を確保した変節老害議員代表が務めている。
増税の前に官僚利権を根絶すること。これが、民主党が主権者国民と交わした約束である。与謝野馨氏は、官僚利権を切らずに増税に突き進めと公言して憚らないが、このような悪徳議員を殲滅することが優先されるべきである。
民主党内でも、上記の二つの増税案に賛成する議員は過半数に満たないはずである。そうである以上、菅内閣は絶対に、これを閣議決定することが許されない。これが、議院内閣制の下での政策運営である。
両院議員総会で、川内博史議員は、速やかに次期代表選出の準備に入るべきことを訴えた。これも正論そのものである。
「脱原発」論議は絶対に避けて通れぬ課題である。今後、この「脱原発」を軸に、政界再編が生じてもおかしくないし、日本政治構造刷新のテーマに鑑みれば、「脱原発」を軸に政界再編が進むことは、むしろ望ましいことだとも言える。
なぜなら、
「脱原発」は、
@脱・対米隷属、A脱・官僚支配、B脱・政治と大資本癒着
に通じるからである。
「原発推進」は
@対米隷属維持、A官僚支配維持、B政治と大資本癒着維持
に通じる。
「脱原発」を軸に政界再編が進むことは、「悪徳ペンタゴン」対「主権者国民」の図式で、二大政党制=二大勢力敵対の構図が作り出されることを意味する。「主権者国民勢力」による日本政治支配を実現するためには、このプロセスを経ることが一番の近道であると思われる。
菅直人氏はこうもりのように一貫性がなく、もはや誰からも信用されない存在に成り下がった。一刻も早い退場が求められるが、最後にひとつだけ、存在の証しを残そうというのなら、「脱原発」による日本政界再編の引き金を引くことにトライするべきだ。
「脱原発」をキーワードに、主権者国民の主権者国民による主権者国民のための新しい日本政治体制構築に向けて、再出発することが可能になるかも知れないからだ。
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