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ドクターZは知っている 混乱期に暗躍する官僚たちhttp://gendai.ismedia.jp/articles/-/8767
2011年06月26日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
菅直人政権への内閣不信任案は、きわどいところで否決され、政権は形式的に信任されたが、求心力は完全に失われた。政治家の関心はレイムダック(死に体)内閣から次の首相選びへと、100%移っている。
そんなとき、ウラで元気に動き回るのが霞が関の官僚たちだ。政権交代の時に民主党が掲げた「脱官僚」はとっくに雲散霧消しているから、政治の混乱に乗じて実に生き生きと活動している。菅首相の「手柄は俺のもの。失敗は部下の責任」という自己中心主義の性格も、官僚たちは逆手にとって利用する。つまり、「自分たちはエキセントリックな上司から、いわれなき批判を押しつけられて怒鳴られている被害者だ」という情報をメディアを通じて流し、世間の同情を引くとともに、政権をよりいっそう弱体化させるのである。
もちろん菅首相の政権運営は誉められたものではない。例えば、浜岡原発の停止は政治決断と評価されているが、政策論から言えば、他の原発をどうするかについての重要な部分がすっぽりと抜け落ちている。停止中の原発を再稼働させるのか、建設中のプラントは継続なのか中止なのか。菅首相は国民受けのする「果実」だけを食い散らかし、都合の悪いこと、面倒なことは海江田万里大臣や官僚に丸投げしている。
だが、そんなことでめげないのが、官僚なのだ。一例を挙げよう。原発事故でやり玉に挙げられている経産省だが、政権末期の混乱を横目に、自らの省益確保にやりたい放題だ。その"証拠"が、6月5日付朝刊で各紙が一斉に報じた「革新的エネルギー・環境戦略」である。
政権をウラから操る官僚の三大手法は、リーク、悪口、サボタージュ。このうちリークは、マスコミとの共同作業だ。あらかじめ設定されている会議の前に地ならしをして世論を誘導するため、昵懇のマスコミに会議資料や報告書原案を渡して記事を書かせるのである。マスコミは紙の資料にからっきし弱い。「ブツ」があると聞けばしっぽを振ってすり寄ってくる。「お宅だけ」とでも言って渡そうものなら、靴を舐めかねないほど感謝される。「○日、××の素案が明らかになった」という書き出しの記事が紙面に載るときは、まずリークと見て良い。
さて、民主党内が政争で混乱している最中の5日、〈 「革新的エネルギー・環境戦略」の素案が4日、明らかになった 〉という記事が各紙を飾った。原発事故を受けてまとめたもので、重要戦略の一つとして原子力を挙げ、「世界最高水準の原子力安全を目指す」と強調し、原発推進路線を堅持する姿勢を鮮明にしている。国家戦略相のもとで来年中の決定を目指すという。
素案を書いたのは国家戦略室に出向している経産官僚。役人が原子力政策の見直し方向など打ち出せるはずはないが、それにしてもこの時期に原発推進とは厚顔無恥だ。
4日は土曜日。ネタが乏しく、記者が苦労する日だ。各紙とも、大喜びで「ブツ」に飛びついたことだろう。これで世論の流れを作ることができれば、次の総理もおいそれとは変更できなくなる。議論のスタート段階で方向性を固め、自分たちに有利な展開に持っていこうという官僚の思惑が透けて見える。
それにしても、国家戦略室は政治主導実現のための目玉組織だったはず。しかも責任者の玄葉光一郎担当相は福島選出。原子力にもっと注意深くなるべきなのに、官僚に手玉に取られている。総理候補失格である。
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