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http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110624/plc11062422570022-n1.htm
夏本番を前にはや酷暑の様相ですが、菅直人首相におかれては深刻な電力不足の懸念もどこ吹く風と、涼しい顔で首相の椅子に座っていることと思います。
電力事情はあなたが5月に、国内の他の原発と異なる根拠を明確に説明しないまま、唐突に中部電力浜岡原発の停止を要請したため急激に悪化しました。これが国民の不安をあおり、一時停止していた全国の他の原発も再稼働が困難化しました。
にもかかわらず、あなたは直面する危機には知らん顔で、将来の課題である再生エネルギーの普及ばかり熱心に語っていますね。
あなたの無責任ぶりは今に始まったことではありませんが、来春には全国の54基の原発すべてが停止します。電力不足は企業も各家庭も、何より被災地の復旧・復興も直撃します。
再生エネルギー特別措置法案を自分の手で成立させたいと執念を燃やすのは勝手ですが、この法律がうまく奏功しても、成果が出るのはまだまだ先の話です。
もう少し、物事の軽重と優先順位について考えてみたらいかがでしょうか。
「自分も燃え尽きるまで全力でやりたい」
あなたは24日の閣僚懇談会でこう述べました。ですが、あなたが首相でなければ法案が成立しないわけでも、復旧・復興ができないわけでもありません。むしろあなたが居座っているからすべてが滞っているのが実態ではありませんか。
そもそも、昨年6月の最初の所信表明演説を読み返しても、あなたが「30年来取り組んできた」という「再生エネルギー」の文字は出てきません。エネルギーに関しては「原子力産業を含むエネルギー部門」という言及があるだけです。
今年1月の施政方針演説には確かに「再生エネルギーの全量買い取り制度の導入」とあります。ですが、むしろ「私自らベトナムの首相に働きかけた結果、原発施設の海外進出が初めて実現します」と原発ビジネス推進を強調していましたね。
この点は重要です。このままではあなたは、下手をすると国際的ペテンを働くことになりかねないからです。
菅首相、あなたと長年にわたり政治行動をともにしてきた民主党重鎮も現閣僚も、「菅さんの口から再生エネルギーだなんて聞いたことがない」と首をひねっています。
やはり、今回も「今の時代は再生エネルギーがウケる」との「ひらめき」「思いつき」を、年来の信念であるかのようにすり替えているだけなのでしょう。
それだけならともかく、永田町では現在、あなたが「脱原発」を旗印に8月に衆院解散に打って出るのではとささやかれています。
国民の信を問うこと自体には異論はありません。とはいえ、あなたは「ベトナムに2基の原発を売りつけた」と自慢したばかりです。それなのに舌の根も乾かないうちに「脱原発」を大義に掲げるとしたら、国民だけではなく諸外国に対してもペテンを働くことになってしまいます。
枝野幸男官房長官は24日の記者会見で、ベトナムが福島第1原発の事故後も日本から原発を購入する考えを変えていないことについて「ありがたいことだ」と歓迎しました。
そんなところに、あなたが「脱原発」を選挙の争点とすれば、日本の国際的な信用も地に落ちます。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件、ロシア大統領の北方領土訪問、韓国閣僚の竹島訪問…と、国民はあなたのために、これまでも何度も恥ずかしい思いをしてきました。これ以上、国際社会に顔向けできないようなことはしないでください。
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=ブログは「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/)
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