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党を覆う虚脱感 一人はしゃぐ首相、軽口叩きピザをパクリ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110622/stt11062223510014-n1.htm
2011.6.22 23:50 産経新聞
「みなさんのおかげでここまできた。やるべきことをやろう!」
22日夜、都内のホテルで開かれた菅グループ「国のかたち研究会」の懇親会。1時間遅れで現れた菅直人首相は満面の笑みを浮かべ勝利宣言した。
「『私の顔を見たくなければ法案を通してほしい』と言って怒られたので今日は失言は慎みます」
こんな軽口を叩きながら、ピザを次々に頬張った。さらに会合を中座して日本料理店で「はしご酒」に繰り出した。
20日間の延命を勝ち取ったことがそれほどうれしいのか。首相官邸を出る際、記者団に「一番やりたいことは?」と声をかけられると珍しく笑顔で応じた。
「やっぱり復旧・復興と自然エネルギー!」
× × ×
「この1週間、俺は何のために走り回ってきたのか…」
22日午前、民主党の岡田克也幹事長は国会内の自室で虚脱感に包まれていた。国会を50日間延長し、特例公債法案と平成23年度第2次補正予算案を早期に成立させる。東日本大震災からの復興に向け、与野党協調体制を確立することは首相の何よりの「花道」になるはずだった。
ところが、岡田氏の努力を水泡に帰したのは他でもなく首相だった。21日に岡田氏が確認書の草案を示すと首相は激高した。
「特例公債法案成立は『速やかに』ではなく『可及的速やかに』じゃないとダメだ!」「参院自民党は大丈夫なのか!」
文面に細かい注文を付けた挙げ句、延長幅にも難癖を付けた。
「会期を短く区切っても自民党が特例公債法案を成立させる担保なんてないじゃないか!」
岡田氏は「これでは白紙になりますよ。全部ダメになっていいんですか」と食い下がったが、首相は譲らず「新首相のもとで第3次補正予算案編成を本格化させる」との表現も「新体制」と書き換えるよう命じた。結局、この部分が一番気に入らなかったわけだ。
22日朝、岡田氏は首相に言われるまま修正した確認書を自公幹事長に示したが、鼻であしらわれた。岡田氏はやるせなさを周囲にこう漏らした。
「これで国会は揉める。上積みした20日間なんてすぐ過ぎちゃうんじゃないか…」
× × ×
会期延長をめぐる攻防で首相と民主党執行部の間には修復不能な溝ができた。疑心暗鬼となった首相に「俺を追い落とそうとしているのか」と面罵された仙谷由人官房副長官は22日の政府の会合で首相と同席したが、首相と目を合わせようともしなかった。
これ以上首相の言いなりになるわけにはいかない。これだけが執行部の共通認識となりつつある。
輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長は参院議員総会で皮肉混じりにこう語った。
「今日は1年で一番昼間が長い日。明日からどんどん日が短くなる。民主党政権もどんどん短くなり、それは国民を不幸にする…」
× × ×
虚脱感はやがて鬱屈したエネルギーに変わる。それを見越したのか。小沢一郎元代表は衆院本会議で延長議決に素直に賛意を示すと若手議員ら6人を連れて東京・赤坂のウナギ屋に繰り出した。
「70日間延長で永田町も霞ケ関も動きが止まる。国会は空転だ。被災地のためにもならない…」
かば焼きをつまみに日本酒をあおり、こう漏らした。
「菅さんはどうするのかな。国民は解散を望んでいないんだが」(阿比留瑠比、坂井広志)
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