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推薦図書=『日本中枢の崩壊』 (uedam.com掲示板) ――日本の政治は、官僚党と政治家党の対決という図式が基本――
http://www.asyura2.com/11/senkyo115/msg/530.html
投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 6 月 22 日 23:05:08: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://8706.teacup.com/uedam/bbs/10393

「uedam.com」の掲示板2011年 6月22日(水)「推薦図書=『日本中枢の崩壊』」から下記を転載投稿します。

=転載開始=

投稿者:ウエダ 投稿日:2011年 6月22日(水)19時19分11秒

 こんばんは、皆さん、植田です。

 といっても、きょうはまだこの時間でも明るいです。
 19時12分前。

 本年度の当ホームページの推薦図書を『日本中枢の崩壊』にすることにしました。
 その理由をちょっと書いてみます。

 私は、日本の政治は、官僚党と政治家党の対決という図式が基本にある、と考えています。これまでにも、選挙があるたびにこのように書いてきました。
 自民党 VS 民主党 という対立図式は見せかけであり、この国の本当の政治対立は官僚と政治家の対立である、と。

 で、古賀茂明氏が、まったく同じ見方をしています。

 「官僚のトップである事務次官と政治家から選ばれた政務三役の2本立てになっているいまの制度は、双頭の蛇のようなもので、効率も悪いし、政治主導も円滑に進まない。民間企業にたとえれば、方針の異なる社長が2人いるようなものだ。」p.164

 その通り。
 たから、政治家による「脱官僚」というスローガンになるわけです。
 その実践が、公務員改革です。
 古賀氏によると、これは阿倍内閣からスタートしました。

 「公務員制度改革の流れは、実は阿倍晋三内閣から始まっている。」p.46

 これまた、当然です。
 日本の政治の基本が 官僚党vs政治家党 であるならば、民主党政権であろうと、自民党政権であろうと、同じことです。
 自民党議員の中で、本当に戦後の日本国憲法の精神・理念を体得している人であれば、当然、公務員改革に立ちあがるでしょう。
 民主党は、いうまでもなく、党そのもののスローガンが「脱官僚」でした。

 ところが、自民党の場合は、党の内部で分裂していました。官僚出身者と、官僚体験のない議員の分裂です。
 民主党はどうか。といえば、オーナーは鳩山由紀夫氏であるとしても、組織票は労働組合に依存することから、公務員に嫌われる政策は推進できないと。だから、結果的に、自民党よりもはるかに深く霞が関依存になってしまった、と。

 古賀氏の説明では、菅政権は、マニフェストを実現するためには財務官僚の助力が必要となり、その結果、財務官僚に頭が上がらなくなってしまった、ということです。仙石氏を見よ、と。

 古賀氏の『日本中枢の崩壊』は、ご自分の官僚体験から、日本の政治がいかに「双頭の蛇体制」にむしばまれているかを告白しています。
 ここをなんとかしないと、日本は、間違いなく崩壊する、と。

 「私を駆り立てているもの、それを一言で表現すれば≪危機感≫である。私には、現在、日本は沈没するか否かの瀬戸際にあるという強い危機感がある。それは、東日本大震災があったからではない。・・」p.2

 「現在の国家公務員制度の本質的問題は、官僚が国民のために働くシステムになっていないという点に尽きる。大半の官僚が内向きの論理とにとらわれ、外からは目をそむけ、省益誘導に血道をあげているというどうなるか。昨今の日本の凋落ぶりが、その答えだ。」p.4

 で、私は、日本中枢の崩壊は、必ず起こる、と予想します。
 避けられません。
 なぜなら、日本国には、官僚の優秀さを上回るエリートが存在しないからです。
 だから、必ず、崩壊します。

 すると、どうなるか?
 今、アルルのひろしさんが原稿を書いている最中のようですが、「アメリカによる再占領」です。
 私は、むしろ、歓迎します。
 同じ国籍であろうと、律令理性人に統治されるよりも、外国人であっても、自然理性人による統治のほうがずっといい、というのが私の立場です。
 それだけ、理性の質/種類の問題は大きい、と。血よりも、意識である、と。「アマテラスの子孫であるか」、よりも、「我思う、ゆえに我あり」、です。

 律令理性で統治されると、どうなるか?
 目下、日本人は福島原発事故で体験中です。
 放射能列島になった今でも、事故はなかったものとして生活を続けよ、と。

 気がついた時は、1億総突然死です。
 放射能汚染が牙をムキ、財政赤字で日本国が倒産する。
 それでも自分の保身だけを最優先する霞が関官僚村。

 日本社会の選抜エリートたち(公務員試験合格組)は、いつ、どこで、それほどの自分中心主義者に変貌してしまったのか?
 私の考えでは、昭和天皇の「人間宣言」からであり、官僚の保身は、急性アノミーの症状です。
 古賀氏がこのことの1990年代以降の具体的形態を暴いています。

 というわけで、古賀氏の『日本中枢の崩壊』を今年の推薦図書にします。
 よろしくお願いします。

 ポイントは、日本の政治は双頭の蛇体制である、という点です。
 ここをなんとかしない限り、誰が首相になっても、何も変わらない、と。
 菅首相は、官僚にとっては実にやりやすい人でした。
 だから、日本中枢の崩壊は確実に加速度がついています。

 しかしここで疑問です、
 日本の学校教育の勝ち抜き組であるのに、そこが見えない日本国の選抜エリートたちとは、いったい何者なのか?

 ここを解読できるのが律令理性論です。

=転載終了=

(参考)「律令とは何か (今も日本の政治が官僚主導になる歴史的背景)」
     http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/429.html  

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コメント
 
01. 2011年6月22日 23:14:03: yxstEvnWG6
当然ながら、原文をそのまま転載しましたが

阿倍晋三内閣 → 安倍晋三内閣

仙石氏 → 仙谷氏


02. 2011年6月22日 23:46:59: yxstEvnWG6
希望は失望からは生まれず、絶望から生まれるといいますが、落ちるところまで落ちないと、なのでしょうか。

03. 2011年6月23日 00:22:08: 4GxHq9ub7o
戦前の官僚システムには、
富国強兵・殖産興業の国家主義がプログラミングされていたが、
戦後はそのプログラムが消えた。
だから、
官僚システムが暴走している。

04. 2011年6月23日 01:05:53: yxstEvnWG6
>>3
その「国」、つまり国家ですが、戦前から今も変わらず官僚は自らを国家と考えていると思います。

05. おっさんZ 2011年6月23日 06:00:33: vf1pLsPn/FgHY : G5q49oTzcE
>「公務員制度改革の流れは、実は阿倍晋三内閣から始まっている。」

大間違いだね。
官僚と財界の手先「安倍晋三」に出来る事は、せいぜいが周辺諸国に喧嘩を売って米国に叱られ、腹痛起こして国会開催日に辞任する事だけだ。
大体、右派や保守派は既得権益にしがみ付く派だ、ガリガリの右派の安倍晋三に改革など出来るはずも無い。

>私の考えでは、昭和天皇の「人間宣言」からであり、官僚の保身は、急性アノミーの症状です。

大間違いだね。
官僚の暴走は、明治維新から始まっている。
中国を侵略し、米国に喧嘩を売り、核兵器を落とされても尚戦争をやめなかった軍官僚の暴走が『私の考えでは、昭和天皇の「人間宣言」からであり、官僚の保身は、急性アノミーの症状です』だと?、バカバカしい。

こんなタワゴトなど全く無意味だね。


06. 2011年6月23日 10:25:05: 4WntjJEKtM

別の投稿で、この古賀氏の『日本中枢の崩壊』について書いたけど、

官僚の問題について、あくまでも、彼の経験したところについては、
それなりに書かれていると思う。
しかし、全般的な政治的構造の問題は、1990年にカレルヴァンウォルフレンに
書かれた「日本・権力構造の謎」のほうが、はるかに緻密に展開されているし、
最近の「誰が小沢一郎を殺すのか」のほうが、
日本の権力構造について、よく書かれている。

30年も通産官僚をしてて、小沢氏に一言も触れていないのは、
やっぱ、このひと政治についてあまり解っていない気がする。

小泉を持ち上げ、規制緩和が足らない、TPP.FTAを進めるべきと
する新自由主義者である。

政治、経済についての分析はほとんど書かれておらず、
持論を展開しているだけ。

それより、昨日の朝にTVにインタビューが流されたり、、
この時期に、、なぜ???

あとは、>>05さんのいうとおりで、この原文をかいた人、
ぜんぜん勉強が足りない。
官僚党と政治家党の対立だなんて、珍奇だね。
権力構造がわかっていないみたいだ。


07. 2011年6月23日 11:20:35: yxstEvnWG6
>>5
投稿者です。
言われるところ、おおかた肯首します。
しかし、おっさんZさんが、そう言えるのは、そうした意識を今持てるように至ったからで、むかしの日本人や、今でも多数の日本人は、そうした意識を持てません。
投稿記事の根底にある問題意識の一つは、そうした意識をなぜ持てないのか、です。

08. 2011年6月23日 15:05:24: 4WntjJEKtM

投稿者さん、なぜ日本の民度は低いのかは、いろんな要因があると思いますが、
ウォルフレンもあちこちで書いているように、「仕方ない」ってのが
大きいと思います。

じゃな、なぜそうなのかというと、
ひとつは、封建的地域の繋がり、人間関係が大きいと思われます。
それは選挙の投票行動に現れています。
いじめ、村八分という「刑罰」が大きな役割を果たしています。

つぎに、学校教育が大きいですね。自分で考え、自分で主張する、
欧米では当たり前のことが、日本では、事実上「禁止」されています。
大学、大企業も、詰め込み教育の優等生を期待しています。
進学競争の下で、親たちも、それを希望しています。

そして、生涯教育としての、マスコミの報道(思想教育)

それに、にわとりと玉子じゃないけど、
その結果でもあり、その原因でもある政治の貧困、政治家の貧困。

明治以降120年、戦後でも60年、そういう環境におかれて、
「仕方ない」そうすると、考えても、どうにもならない、
好きなことやってるほうがいい、だんだん考えなくなる。。悪循環。

それと、気候など恵まれており、国全体として生きるか死ぬかが
あまりない。戦争くらいだ。
今回の震災、原発事故だって、直接被害がないところでは、
仕方ないけど、すこしずつ意識から忘れ始めている。


09. 2011年6月23日 15:15:42: yxstEvnWG6
>>6
投稿者です。
内部者と外部者が書くものは、それぞれ一長一短あるんじゃないんでしょうか。

>権力構造がわかっていない

6さんがわかっていらっしゃる権力構造とはどんなものか書かれてないので、それが、どんなものか判らないですが、官僚出身政治家と党人政治家の対立は戦後の政治での権力抗争の基調と思います。


10. 2011年6月23日 15:55:30: yxstEvnWG6
>>8
投稿者です。
ウォルフレン氏の著作で邦題が「日本人だけが知らない アメリカ「世界支配」の終わり」という2007年刊行の本があります。

個人的な見解ですが、実は日本人も知っている、そう思います。しかし日本の政治システムはアメリカの変化に対し身動きが取れないし、それに関わる言説が憚られる雰囲気が確かに日本には存在するので、能力が低いわけでもないのに、知らないのと同じ状態になるのではないかと思ったりします。

ご指摘のように

>ひとつは、封建的地域の繋がり、人間関係が大きいと思われます。

私の実感でもあります。
こうしたものは下記引用の末端のサブ・システムだと思います。
日本のもろもろは、当然に日本独特の構造を持っていて、政治もこの構造から離れては立論できない、日本的な地域の繋がり、人間関係を離れて立論できないと同感いたします。

=引用開始=
律令体制では、制度上は、天皇に権力があることになっている。しかし、歴史を振り返れば、すぐにわかるとおり、日本においては、サブ・システムの部族の圧力が、絶えず上方にかかって、制度上の権力の所在と、実際の、つまり現実の権力の所在が、分裂した。簡単に言うと、実権をサブ・システムの部族がもつのである。サブ・システムもさらに下部にサブ・システムをもっている。
=引用終了=
引用元:斎川眞著「天皇がわかれば日本がわかる」(ちくま新書)1999年10月20日発行のP219〜P222「拡大部族制から混合政体へ」キャプション部分
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/713.html


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