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Electronic Journal
2011年06月17日
●「米英で出版された小沢一郎伝記本」(EJ第3079号)
日系米人ジャーナリスト、岡孝氏による初めての英語での小沢
一郎民主党元代表の伝記が米英両国でこのほど出版されたという
記事が6月14日の産経新聞(ワシントン/古森義久記者)が伝
えています。
すべての新聞をチェックしていないので、正しくは
わかりませんが、おそら産経新聞だけだったと思います。少なく
とも小沢一郎氏の問題点だけを針小棒大に書く朝日新聞には載っ
ておりません。
最近アイフォーンで産経新聞を読むようになって、この新聞に
ついて少し私自身の評価が変わりました。現在では、アイフォー
ンで記事を読んで、残しておきたい記事があるときは会社に行く
途中のコンビニで産経新聞を買うようにしていますが、このとこ
ろ、毎日のように買うようになりました。
産経新聞は小沢一郎氏をコテンパンに書く新聞社として有名で
すが、小沢氏をプラス評価する記事もちゃんと掲載するのです。
当然のことですが、新聞社としてフェアです。
さて、米英で発刊された小沢一郎氏の伝記本の正式書名は次の
通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
岡孝著者/ラウトレッジ社
『日本の政策企業家と選挙=小沢一郎政治伝記』
―――――――――――――――――――――――――――――
著者はクリスチャン・サイエンスモニターなど米大手紙の記者
として長年、活躍した日系米人の岡孝氏で、英オックスフォード
大学に出した博士論文を基礎としています。岡氏は1990年代
から小沢一郎氏の国際問題顧問をも務めており、直接の交流も深
いといいます。
同書は小沢氏が検察審査会の議決で強制起訴されて、刑事被告
人となった経緯を説明しながらも、なお同氏が今後の裁判で無罪
を獲得し、今度こそは首相になるという可能性にも言及している
といわれます。
「来栖宥子★午後のアダージョ」というブログの来栖宥子氏は
この本の出版について、次のように論評しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
賛否を超えて、小沢一郎氏という人物は長年にわたって、日本
国内は無論のこと、世界に余程気になる存在であることに間違
いない。首相であるのに顔すらも記憶されない菅氏とはえらい
違いだ。今後の裁判で無罪を獲得し、今度こそは首相になると
いう可能性も記している。胸が熱くなった。首相というポスト
の成否はどうでもよい。小沢氏は政策の人であり、総理という
椅子を望んでいないから(これも菅氏とは大違い)。無罪を獲
得して戴きたいのだ。裁判所が正義の砦であってほしいのだ。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/5ed3d376144bfdb679646c1cff7eb90e
―――――――――――――――――――――――――――――
このように世界でも注目されている小沢一郎という政治家に対
して、日本社会は、なぜ、異常なほど激しい人物破壊を続けなけ
れば、ならないのでしょうか。
とくに理解できないのは、現在の民主党執行部の「脱小沢」い
や「殺小沢」の方針──醜いの一言に尽きます。とうてい理解で
きるものではありません。政権交代できたのは誰のおかげなの
でしょうか。そのことに少しは恩を感じないのでしょうか。政治
家というよりも人の道に反しています。
さて、カレル・ウォルフレン氏は、このような小沢氏への人物
破壊がなぜ起きるかについて、日本の歴史──とくに近代史から
解こうとしています。彼は、明治維新後の日本という国家を非常
に的確にとらえており、そこから割り出して、小沢氏のような本
格的な改革派の政治家には、現在彼に対して行われているような
人物破壊が起きることを以前から予測していたのです。
江戸時代──徳川幕府統治下の日本は、かたちのうえでは統一
国家ではあったのですが、その実態は徳川家を中心とする軍事独
裁体制であったといえます。全国の藩を強権をもって政治的にま
とめ、軍事的な脅しや人質をとることによって、国全体の秩序を
維持しようとしていたのです。
しかし、幕府の権力が弱くなると、そういう体制の維持ができ
なくなるのは当然のことです。明治維新によって新しい時代を迎
えたとき、国を統一するには何が必要かを考えたのです。そして
何らかのイデオロギーが必要であることに気がつくのです。警察
権力をいかに強化しても無理であると考えたからです。
そのイデオロギーについて、ウォルフレン氏は次のように述べ
ています。
―――――――――――――――――――――――――――――
明治政府がみずからの権力保持のために行なったことは、彼ら
にとって大いに役立ったばかりでなく、日本の生活と政治の大
部分を今日にいたるまで決定づけている。彼らは完壁な体制と
いう観念を以前にもまして明確に打ちだした。信じられないほ
ど巧妙なイデオロギーをつくったのだ。このイデオロギーは、
「調和」と「独自性」という概念にもとづいている。徳川幕府
の権力構造を正当化するための理論からヒントを得ているもの
の、その大部分は明治時代の政治家の頭脳の産物だ。これが、
「国体」として知られるようになったイデオロギーである。
──カレル・ヴァン・ウォルフレン著/鈴木主税訳
『人間を幸福にしない日本というシステム』/OH!文庫
―――――――――――――――――――――――――――――
日本という国は調和がとれている──明治の支配者はイデオロ
ギーとして国民にそれを信じ込ませようとし、日本人の多くはそ
う信じているとウォルフレン氏はいいます。それは、聖徳太子の
十七条憲法における「和」の精神から来ているのです。しかし、
ウォルフレン氏はそれによって日本人は聖徳太子の時代から明治
時代まで政治的に抑圧されてきており、人々は調和を装うしかな
かったというのです。 ─── [日本の政治の現況/05]
≪画像および関連情報≫
●「古村治彦の酔生夢死日記」より
―――――――――――――――――――――――――――
小沢一郎代議士の英語で書かれた伝記が出版されたというこ
とが産経新聞に記事として掲載されました。これは、小沢氏
の国際問題顧問をしている岡孝(おか・たかし)氏(日系ア
メリカ人)がオックスフォード大学に提出した博士論文を基
にしているそうです。調べてみると、岡氏は2008年に博
士号を取得しているそうです。小沢氏の伝記を書いただけで
博士号が授与されるようなことはないでしょう。ここからは
予測ですが、理論的な部分を除いて、実証の部分で書いた小
沢氏の個人的な歴史と政治の歴史の部分を本にしたのではな
いかと思います。政治学では、個人の分析をする研究をファ
ースト・イメージと言います。今回の小沢氏についての岡氏
の研究はこれに分類されます。そして中身は、典型的な日本
の政治家である小沢氏が、どうして「改革者」としてこれま
での日本政治では提起されなかった政策を提案してきたのか
という問題提起をし、それを心理学や社会学、国際関係論的
な手法を使って分析した内容ではないかと推察します。
http://suinikki.exblog.jp/tags/%E5%B2%A1%E5%AD%9D/
posted by 平野 浩 at 04:11|
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