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2011年(平成23年)6月15日(14日発行)
福島の酪農家 首吊り自殺
「原発さえなければ」
原発事故で、牛を処分して酪農を廃業した福島県相馬市の50代の男性が「原発さえなければ」と書き残して首吊り自殺していたことが分かった。
男性は親の代から酪農を続け、40頭ほどの牛を飼育していた。ところが原発事故で、妻子が妻の母国フィリピンに避難した。また地域で、加工前牛乳が出荷停止となり、乳を搾っては捨てる状況が続き、今月初旬までに約30頭を処分。今月11日ごろ堆肥小屋で首を吊った状態で見つかった。
壁に白チョークで「仕事する気力をなくしました」「原発で手足ちぎられ酪農家」「残った酪農家は原発にまけないで」などの書き置きがあった。
自殺する前に「避難区域ではないため、補償はなかんべぇ」とこぼしていたという。
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