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もともと人の温情が分かる男ではない。
自分のことしか考えない人間に、花道などを用意しても何のことか分からないだろう。
これ幸いに居すわり続けるだけだ。
この菅という男に、花道などを用意すれば、逆に利用されるだけだ。
ここまで自己感情の肥大化した人間に温情は仇となる。
しかも首相という権力を手にしているのだから、彼が妥協しないかぎり日本の政治は滞ってしまう。
正常な首相なら政治の停滞こそ首相の責任だという自覚があるのだが、
この菅という男にはそれを自分の責任だとする自覚がない。
異常な感覚の持ち主である。
そういう男が首相の座を手に入れれば、日本の首相は絶大なる権力を手に入れることができる。
大統領には議会を解散させる権限はない。
しかし日本の首相は議会を解散させることができる。
この権限は絶大である。
今の日本のこの状況のなかで、衆議院の解散など正気の沙汰ではない。
しかし首相が異常人格であれば、どんなことでもするだろう。
日本の首相はそれを悪用すれば大統領よりも大きな権限を振るうことができる。
日本の首相権限は大統領制に比べて弱いと思われているが、それは今までの首相が最低限の良識の持ち主だったからである。
しかしこの菅という男にはその最低限の良識がない。
権力の行使には良識が必要である。
しかしこの男には、首相という国内最高の権力を手に入れた以上、それを良識を持って使おうなどと気はまったくない。
自分のためにその権力をどう使うか、それしか頭にない。
そのために政治停滞をまねこうが、日本の政治が瓦解しようが、そんなことは自分が権力の座から去ることに比べれば小さなことである。
こんな男に花道を用意しようとしたことが間違いの始まりだった。
菅は今、今まで良識的に運用されてきた日本の首相権力を、その良識を取り外すことによって、誰も止めることができない異常な権力に変質させようとしている。
それは議院内閣制の崩壊につながる。
大震災後の今の日本で解散権を振り回すことは、キチガイに刃物である。
菅は今、大震災後の状況と首相の解散権を組み合わせれば、何でもできるというキチガイじみた行動を取っている。
彼は政治を停滞させ、国民が不幸のどん底に陥っても、それを利用して、自分の権力維持のために利用することだけを考えている。
能力のない政治家は権力を悪用する、その典型である。
今の日本の政治は非常に危ない状況にある。
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