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◎小沢、求心力回復に懸命のグループ慰撫
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17
2011-06-17 07:39 永田町幹竹割り
「鳩が出た」結果大失敗に終わった2日の「内閣不信任の変」以来、小沢一郎の沈黙が続いている。永田町には挫折感が大きすぎてさすがの小沢も打ちのめされたとの見方が濃厚だが、筆者はそれもあるが、実態は「死んだふり」と見る。その証拠には自宅や料理屋に中堅・若手議員らを招いて連夜「慰撫工作」を展開、捲土重来の準備を整えつつあるのだ。小沢は首相・菅直人を「死に体」と見ており、ポスト菅の代表選に向けて牙を研いでいるのだろう。
「一日も早く代わった方がいい」と野党も巻き込んだ「菅降ろし」を推進していた小沢は、2日の不信任本会議直前、「菅を退陣で説得した」という鳩山に「署名させたか」と顔色を変えた。ベテランなら「だまされた」と一瞬にして分かる対応だったからだ。案の定、菅は、多くの議員が辞めると信じて否決に急転換したにもかかわらず、卑怯にもその否決を金科玉条として居座りを続けている。小沢が、前日の夜には70人を集めて気勢を上げ 、造反が80人に達して不信任可決で党分裂か大連立かという事態寸前での大逆転である。一致結束して行動できず小沢の求心力は急落した。小沢グループはの若手の中には「もう会合に出ない」と反発が生じ、小沢の増税反対・マニフェスト固執路線を「古い」と批判する声も高まり始めた。
対応を迫られた小沢は外向けには死んだふり作戦、内向けには求心力再構築に専念せざるを得なくなった。外相・岡田克也の不信任案欠席の事情聴取にもおとなしく応じて、「韓信の股くぐり」をした。グループの若手・中堅には得意の飲み会での懐柔に出た。16日までの4日間で70人以上と飲んでいる。もっともその発言はオオカミ少年化を恐れてか、極めて当たり障りのない範囲にとどまっている。「みんなでいい代表を選ぼう」と述べるだけでは、まるで小学校の生徒会長選びだ。しかし側近らには「菅は最後の粘り腰で粘っているが早晩退陣だ」と漏らしている。
依然として120人のグループを率いる小沢の動向が無視できないのは確かだ。菅と抱き合い心中するごとく悪あがきをしている国民新党代表・亀井静香は、非常識にも菅に内閣改造を勧めた後、「小沢一郎も納得する内閣を作らねばいかん」と述べて、小沢の気を引こうとしている。しかし、亀井もぼけた。小沢が「死に体」の菅に改造をやらせることなどまずあり得ない。せいぜい新設の「復興相」任命が精一杯だ。次期代表選候補の財務相・野田佳彦も小沢を無視できない。「誰かから脱する、誰かを除くというのは不毛だ。一番超えなければいけないのは怨念の政治だ」と述べ「脱小沢」見直しを表明している。小沢に秋波を送っているのだ。
小沢は野田については「増税でいくなら支持は広がらないだろう」とけん制ともアドバイスともとれる発言をするにとどまっている。グループ内に擁立論のある鹿野道彦には「昔、僕の下で何年間もやっていたなあ」などと言うだけで、支持には踏み込んでいない。こうして、ルーピー鳩山の愚行で崩れかけたグループの体制立て直しはかなり進んで、「再起動」へと動き出そうとしているのだろう。しかし自ら自民党などに大連立をほのめかして不信任案を提出させ、可決に導くことができなかった「信用失墜」は大きく、総じて小沢の地盤沈下は覆うべくもない。朝日のかたえくぼ欄の「20年必要 脱原発―ドイツ、脱小沢―日本」は傑作だが、実際には影響力は数年維持できればいいところだろう。
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