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(回答先: ISEP飯田哲也「いま私は菅直人を支持する」 投稿者 虎丸花蜂 日時 2011 年 6 月 15 日 23:22:06)
『AERA』2011年6月13日号
「菅降ろし」を潰した男
菅首相の大失態とされた首相命令の海水注入中断は「幻」だった。
総理の失策をてこに政権転覆を狙う目論見を砕いたのは、意外にも現場の「英雄」だった。
菅直人首相による福島第一原発1号機の海水注入停止命令は、その情報の出方に、はなから政争の臭いがした。この問題が明るみに出たのは5月20日、民放のニュースと安倍晋三元首相のメールマガジンでだった。「2週間前から情報を得ていた」と夕刊フジで語る安倍氏は、「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題したメルマガで、「複数の関係者の証言によると、事実は次の通りです」と前置きしてこう記している。
「(3月)12日19時04分に海水注入を開始。同時に官邸に報告したところ、菅総理が『俺は聞いていない!』と激怒。官邸から東電への電話で、19時25分海水注入を中断。実務者、識者の説得で20時20分注入再開(原文ママ)」
安倍元首相は、菅首相の唯一の英断と言われてきた海水注入の指示を「でっち上げ」と指弾し、「菅総理は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべきです」と攻撃した。
読売新聞がそれに飛びつき、5月21日付朝刊の1面トップで「首相意向で海水注入中断」と報じた。以来、各紙が追随し、「イラ菅」というあだ名を持つ菅首相の奇矯な短気ぶりが、原発事故をさらに悪化させたという印象が、メディアを通じて植え付けられた。自民党の谷垣禎一総裁は5月23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、「海水注入中断の経緯を国会の中で徹底的に検証しなければならない」と追求し、政局は一気に緊迫化する。やがて不信任案提出へとなだれ込んでいった。
政権転覆が尻すぼみ
東京電力は、安倍氏のメルマガや読売報道をほぼ追認した。当時官邸にいた東電元副社長の武黒一郎フェローが、菅氏の勘気の「空気」を感じ取って3月12日、東電本店の対策本部に対して「首相の了解が得られていない」と連絡し、同本部にいた清水正孝社長が19時25分ごろ、すでに始まって20分余経過していた海水注入の中断を現地に命じた、と裏付けたのだ。
だが、中断はなかったのである。
東電は5月26日、海水注入は所長判断で継続していた、と発表した。社長の命令をまったく無視して注入継続の判断をしたのは、福島第一原発の吉田昌郎所長(56)だった。
「菅降ろし」の必殺兵器となるはずの首相命令の海水注入停止は「幻」となった。倒閣を狙った野党の自民党はもとより、菅氏に罵倒され続けてきた東電経営陣にとっても大いに落胆する真相だったろう。東電の実力者である勝俣恒久会長は「いままで言わないのは、とんでもない」と、命令を無視し、しかも、無視したことを報告さえしなかった吉田氏に「お怒り」である。
そんな真相を知って、吉田氏と肝胆相照らす仲の東電元幹部は、痛快そうに笑って言った。「吉田らしいよ。官邸の空気とか、そんなことで中止するのを一番嫌う男ですよ、彼は」
波風を立てない「大人の対応」を尊ぶ社風――それは事なかれ主義の小役人体質でもある――の東電にあって、吉田氏はそうした振る舞いを最も忌み嫌う男だった、そう元幹部は言う。上司の命令、それも総理大臣の意を受けた命令を黙殺するというのは、日本のサラリーマン社会にあって、かなりの勇気がいることである。〔以下略〕
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首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間(2011年5月21日06時00分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110520-OYT1T01217.htm
菅首相が指示 福島第1原発1号機への海水注入55分中断(2011年5月21日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110521-OHT1T00036.htm
安倍晋三が配信したメールマガジンの内容(2011年5月20日/22日/24日)
http://www.asyura2.com/11/senkyo113/msg/887.html
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