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【政論】仙谷さんも一緒に退場したら
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110613/plc11061321500009-n1.htm
2011.6.13 21:50 産経新聞
前任者に「ペテン師」と呼ばれた男と、自衛隊を暴力装置と言い放った「暴言常習者」との内ゲバを見せられるのは、いやはやたまったものではない。
菅直人首相の退陣時期をめぐる首相と仙谷由人官房副長官の暗闘のことである。政治の惨状に悄然(しょうぜん)とうなだれる国民を尻目に、2人はひたすら元気に角突き合いを続けている。
「首相を支えるべき官房副長官が早期の退陣を迫り、新しい政治の枠組みに向けて奔走するなんて不思議な光景だ…」
首相経験者の一人はこうあきれて苦笑する。
確かに、退陣を口にしながら、延命を模索する菅首相はみっともない。だが、首相に引導を渡した返す刀で鳩山由紀夫前首相、民主党の小沢一郎元代表も含めた「トロイカ」3人に一線を退くよう求めた仙谷氏も「共同正犯」(西岡武夫参院議長)であるのは間違いない。
「決然と生きる」
首相は11日に岩手県釜石市のボランティアセンターを視察した際、被災者に向けた寄せ書きにこう記した。被災者やボランティアをねぎらい励ますべき場面で、つい自分の心境を書いてしまう。仙谷氏らによる「菅降ろし」に、いかに対決するかしか頭にないのだ。
一方の仙谷氏の言動もあざとい。官房副長官として官邸内部にいるにもかかわらず、このところ盛んにメディアを利用して首相退陣論を発信している。
11日のBS番組では「無理に頑張り抜くと本人のためにも良くない」と述べたが、もはや完璧な「上から目線」だ。直接首相に諫言(かんげん)するのをあきらめ、からめ手から真綿で首を絞めるようにじわじわと包囲網を狭めている。
官房長官として身近で首相に仕えてきただけに、首相の無能さや資質のなさを誰よりも実感しているのかもしれない。
だが、それならばもっと早い段階で退陣に向けて動くべきだった。昨年9月の中国漁船衝突事件で首相が中国の圧力に簡単に屈し、超法規的に中国人船長の釈放を決めた時点で、宰相失格であることは隠しようがなかったではないか。
仙谷氏の支えもあって、首相はその後も居座り続けて現在に至るが、その間、「大風呂敷」を広げるばかりで何一つ実績らしい実績はない。だらだらと国民に迷惑をかけるだけの無為徒食の日々を送ってきた。
「次の民主党代表は民主党が決めることだが、仙谷首相だけは絶対にだめだ。官房副長官になったことさえ許されない」
自民党の山本一太参院政審会長は13日の記者会見でこう強調した。仙谷氏の脳裏に、菅降ろしで「あわよくば自分が…」という思いがよぎるとしたら、参院で問責を受けた身であることをかみしめるべきだ。
「(首相には)潔さ、勝負勘は足元にも及ばない」
仙谷氏は昨年6月9日、菅内閣発足翌日の記者会見で首相をこう称賛した。見込み違いもいいところであり、自身の不明を深く恥じ、トロイカと一緒に政界の一線から退場したらどうか。(阿比留瑠比)
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