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「古村治彦の酔生夢死日記」から掲題を下記に転載投稿します。
関連写真は上記URLで。
=転載開始=
本日、沖縄の仲井真知事と北澤防衛相が沖縄県庁で会談しました。北澤防衛相は、普天間基地移設問題で、現行案に固執し、時期をずらしても辺野古に移設するということを改めて表明しました。2014年に移転完了しなければ、そのまま普天間基地が継続使用されてしまうので、時期については日米両政府で調整しているということです。これは、現行案を了承しないと、普天間基地の移転は成功せず、今のままの危険な状態がずっと続くことになる、というアメリカ政府の脅しを北澤防衛相がわざわざ伝えに行ったのと同じことです。
普天間基地移設をめぐる、6月以降の日米両政府の動きを見ていると、様々な手を繰り出し、対応をしていることが良く分かります。アメリカ政府は、現行案を進めることは決めています。ただ、アメリカ国内には「現実的ではない」「嘉手納基地に統合したら良いじゃないか」という意見があることを明らかにしています。しかし、だからと言って、嘉手納統合案に傾くことは考えにくい状況です。嘉手納統合案には地元も反対していますし、空軍が海兵隊と基地を共用することには絶対反対です。ですから、アメリカにも沖縄に理解を示す有力者がいるということで、沖縄の人々の気持ちを少しでも和らげようという意図が感じられます。しかし、これもまた裏切られてしまうでしょう。
アメリカ側は、「未亡人製造機(ウィドゥ―・メイカ―)」というあだ名をつけられている、オスプレイを普天間基地に配備しようとしています。オスプレイは、開発段階から墜落事故が頻発し、安全性に疑問が持たれています。このような輸送機を周辺に住宅や公共施設が密集している基地(危険を除去するために移転しようとしている)に、配備をするなどその意図が疑われます。これは、アメリカ政府による脅しです。「このような危険な飛行機があなた方の頭の上を飛び回りますよ。人がほとんどいない辺野古に移設させた方が良いでしょう」と言っているようなものです。
そしてオスプレイ配備の次の日、出てきたのが、米空軍の訓練施設の場所として、鹿児島県の種子島に近い馬毛島に移転させるという話です。米空軍の岩国基地の訓練施設についてもまた日米間の懸案になっています。沖縄とは関係ないかもしれませんが、空軍施設となると、現在普天間基地に配備されているヘリコプターなどはこちらに移設できます。馬毛島は無人島なので、どのような設備も作ることができます。空軍と海兵隊の共用基地となる可能性は高いでしょう。また、東シナ海からこの種子島・屋久島地方の海域は、中国の潜水艦が通っています。これらに対するけん制にもなります。朝鮮半島有事、台湾海峡有事にも即応できる場所です。馬毛島に空軍と海兵隊を置いておくことは、辺野古に置いておくことよりも重要であると考えられます。
馬毛島のあたり、種子島のあたりは鹿児島の大隅半島と、鹿児島第五区という選挙区を形成しています。ここは、元々中選挙区時代には、二階堂進、山中貞則という自民党の大物政治家の地盤でした。小選挙区制度になる頃、二階堂氏は引退、その後、山中貞則氏が死去するまで地盤を守り、その地盤は森山裕氏が引き継ぎました。周囲が是非森山氏に地盤を引き継いでもらいたいと熱心に頼み、森山氏が議員となっています。森山氏は鶴丸高校定時制を卒業し、その後、鹿児島市議会議員として活躍、市議会議長となっています。出身は大隅半島の鹿屋市ですが、政治的地盤は鹿児島市でした。しかし、地縁血縁、支持基盤の強さで、鹿児島第五区で当選3回を数えています。2009年の総選挙でも、森山氏が圧勝しましたが、比例で民主党の網谷信介氏が当選しました。網谷氏は森山氏とは
逆で、地元の名門鹿屋高校から一橋大学を卒業し、山一証券をスタートに外資系の金融機関に勤務しました。メリルリンチ証券の副会長を歴任し、資産公開でも、第14位に入るなどエリート街道を歩んできた人です。この二人がどのような動きをするかは注目しておく必要があるでしょう。
普天間基地移設問題については、最低でも県外移設という鳩山首相の決意の下、色々な動きがなされました。牧野聖修代議士発で徳之島移設案も出て、鳩山首相が病床の徳田虎雄元代議士・元自由連合代表を訪問したこともありました。馬毛島移設案も話題に上りました。しかし、ウィキリークスから朝日新聞に提供された公電情報の一部からは、民主党の議員たちは誰も県外移設に本気で取り組まず、鳩山首相もやがて現行案に落ち着くという態度に終始していました。また、官僚たちは、鳩山首相を小馬鹿にし、精神鑑定が必要でしょうなどとアメリカ側に話していたことが明らかになっています。
こうした状況では、アメリカ側が本気で辺野古移設案の見直しをすることはあり得ませんでしたし、これからもないでしょう。「こちらから譲歩しなければ、向こうが勝手に振り上げた拳をシュンとして下げる」と分かっている外交交渉ほど楽なものはありません。普天間基地移設は、日米関係の問題ではなく、日本国内の政治の問題です。より具体的に言えば、日本国内の「買弁」たちが蠢いて、可能であったグアム移転すら検討せずにいたということです。そして、辺野古に移転させなければ、普天間基地は固定化するという脅しを日本国民を守る立場の防衛相が発言しています。この問題を日本国民の利益に沿って解決出来なければ、21世紀の前半も日本はアメリカの属国であり、数世代もアメリカの属国であることを許容するという前代未聞の状態となると私は考えます。
基地問題について動きがあったので、備忘録も兼ねて書いてみました。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
●「「普天間固定化へ直結も」防衛相、沖縄知事に先送り表明」
2011年6月13日付 朝日新聞
北沢俊美防衛相は13日午前、沖縄県の仲井真弘多知事と県庁で会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設完了期限について「2014年は現実的に困難。普天間の固定化に直結する危険性もあるので、できるだけ早い実現を図ることで日米で調整中だ」と先送りを正式に伝えた。
北沢氏は、普天間の移設先として日米両政府が合意した同県名護市辺野古の代替施設滑走路については「(2本の)V字形で調整したい」と、滑走路1本の「I字形」との両論併記から「V字形」に絞り込む方針も伝えた。09年の政権交代以降見直しが行われた移設案は、自公政権時代の案に完全に戻った。
北沢氏は、21日に米ワシントンで開催予定の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の際、期限の先送りについて「日米の合意を得て文書化したい」と語った。日米両政府は2プラス2で発表する共同文書に「可能な限り早期に移設」との表現を盛り込む予定。
●「馬毛島移転案を鹿児島知事に伝達 米軍機訓練巡り防衛省」
2011年6月8日付 朝日新聞
防衛省の小川勝也副大臣は8日、鹿児島県庁で伊藤祐一郎知事と会い、米軍岩国基地(山口県)に移る米空母艦載機部隊の発着訓練(FCLP)の移転先として、鹿児島県西之表市の馬毛島(まげしま)を有力候補地としていることを伝えた。伊藤知事は「地域の方々の意向が最も重要だ。県としてはまずその意向に沿って対応していきたい」と、地元の反発を理由に慎重な姿勢を示した。
防衛省は、民間の開発会社がほぼ全域を所有する島の土地を買い上げて自衛隊施設を建設、米軍と共同使用する形でFCLPを移転する案を検討している。小川氏は知事に対し、防衛省の計画では、屋久島や種子島の上空を艦載機が飛行しないことになっていると説明した。
●「オスプレイ、普天間配備を正式発表…米国防総省」
2011年6月7日付 読売新聞
【ワシントン=中島健太郎】米国防総省は6日、海兵隊の新型垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」を2012年後半に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備すると正式に発表した。
老朽化したCH46中型輸送ヘリの後継機となる。同省はオスプレイについて、「CH46と比べ、より安全で騒音が小さく、能力も高い」としている。
●「辺野古への移設「最も実現可能」…日米が一致」
2011年6月3日付 読売新聞
【シンガポール=古川肇】北沢防衛相は3日午後(日本時間同)、シンガポール市内のホテルでゲーツ米国防長官と約45分間会談し、沖縄の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設するとした現行移設計画を「最も運用上実現可能で、政治的に持続可能な方途だ」として、従来通り推進することで一致した。
ゲーツ氏は、レビン米上院軍事委員長らが提言した同飛行場と米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)との統合案について、「米政府の考え方を代表したものではない。米政府としてはこれまでの立場に何ら変更はない」と表明した。
北沢氏は、「普天間の固定化を避けるため、可能な限り早期に移設することが不可欠だ」と指摘した。
日米両政府が断念した「2014年の移設完了」に代わる新たな期限については、「代替施設が完全に運用上の能力を備えた時」と確認するにとどめた。
●「イノウエ上院議員、普天間移設の早期推進求める」
2011年6月2日付 読売新聞
米民主党のダニエル・イノウエ上院歳出委員長(86)は2日、都内で記者会見し、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題について、「(米国の)忍耐が永遠に続くわけではない」と述べ、同県名護市辺野古への移設計画の早期推進を求めた。
普天間基地移設の見通しが立たない中、カール・レビン米上院軍事委員長らは同県内の米軍嘉手納基地への統合を提案している。イノウエ氏は、辺野古への移設を盛り込んだ現行計画について「日米両政府の指導者らが、かなりの議論を行った後で結論を導いた」と指摘し、統合案に否定的な見解を改めて示した。
(新聞記事転載貼り付け終わり)
=転載終了=
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