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大連立は“野合”に過ぎない [田中康夫 にっぽん改国]
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2011/6/8 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
内閣不信任案可決必至と目され始めた6月1日から2日に掛けて、畏兄・亀井静香氏に与えられたのは「続投を防ぐ・解散を防ぐ・分裂を防ぐ・排除を防ぐ」4項目を同時に達成する多元連立方程式を解く使命だったと僕は考えます。
自発的辞任を誰もが望んでいました。が、その気が当の本人には更々無い。怪(け)しからんと痺れを切らし、活発化したお灸(きゆう)を据える動きに対し、解散も辞さずと宰相周辺は逆に煽ります。
如何なる政策も、どころか政局さえ、“国民益”不在では人々の理解と支持を得られません。
開(かい)闢(びゃく)以来の事態の中で総選挙となれば、2カ月近くも国政は空転。その間、霞が関官僚が跳(ちょう)梁(りょう)跋(ばっ)扈(こ)する最悪の展開です。連立政権を組む国民新党代表の亀井氏は「断腸の思いで訪れ、進言した」と首相官邸で記者団に語り、会談の中身を示唆しました。元宰相の鳩山由紀夫氏が入室するのは、その後です。
日本の混乱を回避すべく続投と解散を防ぐと同時に、民主党の分裂と小沢氏の排除を防ぐのも重要な使命でした。即時除名処分で「造反者」を民主党から放逐し、“菅抜き・小沢抜き”「民自連立」政権樹立を、と画策していた夜郎自大な動きを封じ込める為にも。
目下、次なる多元連立方程式として解法が求められているのは「連立を防ぐ・若者を防ぐ・増税を防ぐ」3項目です。
理念の摺り合わせすら無き大連立という“野合”は、震災直後に亀井氏が提唱した即断即決型の与野党「復興実施本部」構想とは凡(およ)そ異なり、「民主党にはガッカリ・自民党にはウンザリ」な国民に、更なる政治からの離反を齎(もたら)すだけです。
国民は今、マスメディアが喧伝する「世代交代」でなく、洞察力と構築力、決断力と行動力を併せ持つ“覚悟と成熟の政治家”を希求しています。小泉純一郎政権以降の混迷は、智力と胆力が希薄な“お子ちゃま学級会”の登場人物に起因すると看破しているからです。「増税で景気浮揚した国家は古今東西、何処にも存在せず」。その公理すら弁(わきま)えぬ“連立・若者・増税の三題噺”は、国民不在な専門馬鹿が集った原子力村の悲喜劇と同じです。「税金」と「放射能」こそは、多元連立方程式を解いた後の、次期総選挙に向けての実体有る政界再編のキーワードと考えます。
◇
「見通しなくできるわけない」 亀井氏が民自の連立模索を牽制
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110608/stt11060818570006-n1.htm
2011.6.8 18:56 産経新聞
国民新党の亀井静香代表は8日の党議員総会であいさつし、民主、自民両党に大連立を目指す動きがあることについて「協調できる政策の見通しがなくて、できる訳がない」と牽制(けんせい)。そのうえで、「連立ならあらゆる法案に閣議決定が必要。内閣がガタガタすれば、あっという間に瓦解(がかい)してしまう」と述べた。
また、22日までの今国会の会期については「震災対策は進んでおらず、民主党内の事情で決めてはならない」として、会期を延長すべきだとの認識を示した。菅直人首相が平成23年度第2次補正予算案の編成に意欲を示していることについては、「ここで投げ出せば無責任の批判を受ける」と支持する考えを強調した。
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