http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/624.html
Tweet |
6月2日の民主党代議士会は、直前に菅首相と鳩山前首相が辞任を軸に協議し、その「確認事項」に基づく鳩山発言で流れが変わり、議員の多くが野党不信任案を否決した。
その後、鳩山は、同覚書が辞任に触れていないと言う岡田を嘘つき、一定のめどを年明けの冷温安定達成と語る菅をペテン師と呼び、現首相と前首相が前代未聞の醜態を繰り広げた。
マスコミも、不信任案の否決を受け、国民に菅首相の辞任を報道した。この辞任劇は、政治的な詐欺と言うしかない。そして、だました方は、「確認事項」を拠り所に、だまされた方に責任を転嫁している。
こうした事態は、鳩山を始め与野党やマスコミを含め、内外から批判を招いた。4日、枝野官房長官は、辞任時期が早まるだろうと釈明し、菅政権は政治詐欺で、自壊を早めたのである。
だが多くの国民は、未曾有の国難に直面しているのに、政権争奪が続く政治の不毛を怒り嘆いている。それは、原発収束と被災者救援を始め、日本が抱える課題に政治が機能していないからだ。
事故初動の誤り、絵に描いた餅の工程表、ホットスポットなど放射能汚染の拡大と放置、パニック防止優先の情報隠蔽。中でも、事故の加害責任を負う東電と政府が、これに対処する仕組みは、不問のまま是正されていない。
失われた20年、リーマンショック、閉塞した日本、原発震災。今、そこで「出来ることは何か」を考え、被災地支援に立ち上がった多くの日本人がいる。人々は、家族や地域社会を見直し、維新や敗戦に並ぶ歴史の転機を感じ始めているのだ。
だがフクシマの事故で、ドイツのエネルギー政策転換は速かった。メルケル首相の舵取りに加え、脱原発に賛否両方の専門家が「倫理委員会」に呼ばれ、10時間の論議が行われて、国民の視聴者は150万人に及んだという。そこには、国民的な論議、国民参加の民主主義がある。
前述した確認事項の「民主党を壊さない、自民党政権に逆戻りさせない」は、政権交代後の政治の内実を問うものだ。また「大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つ、復興基本法案の成立、第2次補正予算の早期編成のめどをつける」は、国が主導する従来型の復旧体制である。
菅辞任を踏まえ、与野党の一部に大連立が再浮上した。そこには、TPPが、構造改革と第三の開国、消費増税が、社会保障と税の一体改革と結ばれている。だが、大連立の新自由主義・官僚集権の対抗軸は、住民の生活第一、自立と共生の地域主権である。
輸出依存から補完互恵、トップダウンからボトムアップのへの変革だ。この選択こそが、国の舵取り、政治の役割ではないだろうか。政治主導は、国民主導と地域主権で、維新以来の集権体制の変革なしには実現できない。
菅首相辞任後、大連立ではなく、原発震災の収束と被災者支援に限定し、時期を区切った超党派挙国内閣の樹立を提起する。その上で、脱原発を始め日本が抱える内外の課題に、国民的な論議を行い、総選挙で選択を問うべきだ。
日本が歩む道筋の見えないことが、政治と国民を分断し、政治不信を生み出しているのである。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK114掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。