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(河上みつえブログより 2011-06-06)
松木けんこう議員のメッセージ
私心を捨て、初志信念を情熱とともに貫徹するのが政治家の大儀。一切の妥協を許さず大儀を貫く松木けんこう議員の勇気ある決断に心より敬服致します。
(以下、本日松木事務所からお送り頂きましたメッセージを転載致します。)
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既にテレビ、新聞などでご存知のように、私はこのたびの菅内閣不信任決議案をめぐる一連の行動において、自らの政治家としての信念に基づき、菅総理の一日も早い退陣こそが天下万民のためであるとの固い決意から賛成票を投じました。その結果、民主党から除籍という処分を受けることになりました。
多くのご叱咤と激励を賜りましたが、これまで、「民主党の松木けんこう」を育てて下さった皆様にご心配をおかけし誠に申し訳ありません。心からお詫び申し上げます。
マスコミでは、小沢さんの私怨で政局になったとか、私が小沢さんに言われてやったとかと決め付ける人もいますが、政治家はそれぞれの局面での政治的選択は自分で決めるべきという当然のことを無視して、政治家を矮小化するような論調は残念です。
鳩山前総理や小沢元代表、原口前総務相が、前日の発言を翻して、否決や欠席に回ったことについては、多くのご批判もあるかも知れません。しかし、お三方それぞれを慕う中堅・若手の同志も多数にのぼりますから、同志を守るための政治判断をされた上での行動だったと私は見ています。お三方の行動のもつ意味も、いずれ明らかになってくると信じていますから、私はお三方の行動も支持しています。
私は藤波孝生元官房長官の学生秘書として政治の世界に19歳から足を踏み入れてもう30年以上になり、そして皆さんのご支援の下に初当選から8年間、国民の生活が第一との理念に基づく国づくりを目標に議員活動に邁進してまいりました。
その間、沢山の大政治家が自らの責任をとり、国政の停滞を回避する姿を見てきました。たとえば、古い話になりますが自民党の竹下総理は、野党の抵抗で国会審議が行き詰まった際、自らの退陣を野党に約束することで国民生活に欠かせない予算の成立を実現しました。そして、その目標が達成されると約束通り退陣をしました。
政策遂行のために、時には身を捨てることは、政治家、特に国のトップリーダーの使命であり、私は「菅さんが嫌い」などという理由で、退陣を求めているわけではありません。
私は民主党のトップが、総理の地位にしがみつくのに精一杯で、行政の改革も震災後の対応も先送りするうちに、経済も国民の暮らしもどんどん疲弊していく、「政治空白」に等しい状況をもたらしていることに、本当に情けなく悲しい思いをしてきました。
6月2日、内閣不信任決議案を採決する本会議直前の代議士会において、菅総理は、「震災の復興や原発事故の収束に一定のめどがついたなら」との条件付きながら、退陣する意向を示しました。
東日本大震災の復旧復興は進まず、福島原発の対応でも意思決定の遅さや情報公開の不備が問題になっていますが、あらゆる重要案件を先送りする菅総理が、それでも代議士会において退陣表明をされたことには一定の評価はいたしました。
しかし、それでも他の仲間の議員と違って、あくまで不信任決議案に賛成票を投じたのは、2009年の参議院議員選挙で大敗して以来、私は一貫として菅総理はお辞めになった方がいいと言い続けてきたからです。
自ら、「国民に信を問う選挙だ」と言いながら、負けてなお居座りを決め込まれ、統一地方選挙でも誰も責任をとることのない党の姿に率直におかしいと思い続けて来ました。
加えて、政権交代に国民にお約束した2009年の民主党マニフェストを、党内の熟議が全くないまま次々と反故にする変更について、説明責任を果たすこともありませんでした。
さらに、昨年9月の代表選挙で再選され「一致団結」と言った翌日から、小沢さんに近いとされる議員を党の役職、大臣ポスト、国会の要の役職、重要委員会の予算委員会などから外すという、党を分断するような排除の論理での党運営を続けてこられました。
そして、なによりも日本の農林水産業をどうするかという配慮も無しに、唐突に言い出したTPPへの参加の表明にはほんとうに愕然とし、それにこだわる総理のもとでは、私は農林水産大臣政務官としてこの内閣を支えることはできないと、政務官の職を辞せざるを得なくなったことはご案内のとおりでした。
党代表としての責任も取らない人、党内の約束も、国民への約束も平気で反故にする人に、日本国1億2000万人の命を預かる首相の重責を託すことができるでしょうか。
ただただ総理の座に居続けたいために、その場しのぎの言い訳を繰り返し恥じることのない、そんな信念なき総理を支持することに、私はこれ以上耐えられませんでした。
国民が期待した改革は一向に進まず、全てのツケを国民に押し付けようとしていることに、政権交代によって目指してきた政治の理想と乖離する現実に、この間私は耐え難い憂いの思いを募らせるばかりでした。
その証左として、不信任案の否決後すぐに菅政権は復興に名を借りた消費税の10%増税を2015年までに実現するとの調整に入りました。これは、統一地方選挙のさなかに、菅総理肝いりで作った復興会議の座長が、復興を口実にした消費税の大幅増税の方針を打ち出し、民主党はまたしても敗北を喫しましたが、この流れの延長上にあります。
これは明らかに、大震災で大きなダメージを受けた日本経済を殺してしまいかねない大愚策と断じざるを得ません。
大震災のダメージから何とか再起しようと懸命に歯を食いしばって復旧活動を続ける被災地の皆さんにさらなる負担を背負わせ、被災地を支援する全国の経済活動をも収縮させることが明らかな増税策など、到底認めることはできません。
財務省主導の「財政再建」という錦の御旗を掲げるばかりの菅首相には即刻退陣していただき、あくまで国の仕組みを根本的に変えることをベースにして、埋蔵金や国債発行で財源を確保する「増税なき復興」を実現させなければ、国の進路を誤るという危惧は深まるばかりです。
菅総理はご自分が総理でいるためなら党を壊すことなど何とも思わないし、国を壊しても、国民を犠牲にしても平気な方なのだという思いは揺るぎないものになりました。
私が国政を目指したのは、国民の皆様が安心して暮らせる社会をつくり、次代を担う子どもたちのために明るい未来を築きたいと思ったからです。
政治家は、国民の暮らしを支える土台となる社会や経済の仕組みを作っていくのが最大の仕事です。社会や経済の仕組みが公正、公平で、強固なものであればこそ、その土台の上に、国民一人ひとりが思い思いの幸せを築くことができるようになると思っています。
民主党はそのことを目指して歩んできた政党であり、だからこそ政権交代によって政治主導の国づくりを前進させようとしてきたはずなのに、菅内閣で進められていることは本来の民主党の理念と理想から遠ざかっていくばかりで、いったいこんなことのために私たちは戦ってきたのかとの忸怩たる思いと、国民の皆さんの期待をつなぎとめることができない悔しさを噛み締める今日であり、国民生活の土台づくりをおろそかにして、それを蝕んででも己の保身を図ろうとするような人をやはり総理に戴くわけには参りません。
日本は今、最大の危機の下にあります。一刻も早く、与野党一致のもとに復興のための諸政策を実行していかなくてはなりません。私はその思いもとに、ここで一人くらい与党議員としてしっかりと菅総理にNO!を突きつけなくては、政務官を辞したことや、マスコミの前で不信任に賛成することを公言してきたこと、そして多くの同志の皆さんにその意とするところをお願いしてきた立場として筋が通らなくなると思いました。
テレビでも報じられていましたが、私を心配してくださる仲間が何度も慰留をしてくださるのを振り切って、政治家としての信念に愚直であろうと今回の行動となりました。
結局は民主党からの除籍となり、今後の政治活動において茨の道が予想されますが、私は今明鏡止水の心境でいます。
今あえて民主党に何か望むとすれば、私の除籍処分に際して見せてくれた迅速な意思決定と実行、これを被災者の救援や震災復興、原発事故の対応に発揮して欲しいと思います。
誠に勝手なことばかりを申し上げますが、私の意とすることをご理解賜わればこんなありがたいことはございません。「自ら顧みてなおくんば千万人とも雖も我行かん」の気持ちです。これからも国民のみなさんのお役に立てるように、私は私のできることをやってまいりたいと思っております。
どうか皆様方のご支援、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
衆議院議員 松木けんこう
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2011-06-06(20:22)
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