http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/574.html
Tweet |
数日前、私は以下の記事を投稿した。
社説 小沢主導の政界再編への期待 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/373.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 6 月 03 日 19:54:46: mY9T/8MdR98ug
私は、この社説を小沢信者へのアイロニーとして投稿したのだが、驚いたことに非常に多くの小沢支持者が、拍手を送った。現時点でアクセス数は、16,170、拍手は555に達している。アクセス数が多いのは、この記事のタイトルが「小沢主導の政界再編への期待」という、それだけ読めば小沢政治を支持するかのようなものであったため、多くの小沢支持者が引きつけられたと見なすことができる。驚いたのは、この記事を読んで、この記事を好意的に受け止めた小沢支持者が極めて多かったことだ。
この記事には好意的なコメントが多く寄せられた。コメントの一つにはこうあった。
「さすが世界の一流紙 評価すべきところは、きちっと評価している。」
冗談もほどほどにしてもらいたい。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「世界の一流紙」だというのは、日々莫大な不労所得を得ている米国の資本家にとってだろう。この新聞社は、資本家の利益に反する記事は書かない。まして社説なら米国の資本家の利益になることしか書けないのだ。資本家というのは、株式の莫大な配当で暮らしている資産家のことをいう。その米国資本のウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「小沢支持」のタイトルの社説を公開したのだ。ここには米国資本家の意志が働いている。その意味で、社説の内容を十分吟味する必要がある。単純な「小沢待望記事」などではないことは、常識である。
この記事の核心となる主張をまとめると以下の5点があげられる。
1.様々な社会保障政策を見直さなければ、この膨大な政府債務はいずれ制御不能になる。
2.停滞を打破するのに日本がより強力な指導者を見付けることは喫緊の課題だ。
3.小沢氏の、利益供与型政治の改革へのたゆまぬ努力、官僚支配の打破を考えると、その力は重要だ。
4.小沢氏が民主、自民両党の改革支持勢力を束ねることができれば、小さな政府と経済成長の促進政策への国民的合意をできるかもしれない。
5.この国の債務問題がいよいよ危機に近づいている現在、国民の前でしっかり政策論議を進めることのできるリーダーの出現が待たれる。
この5つの主張を、そのまましっかり読めば論旨は誰の目にも明らかだろう。分かりやすくかみ砕いて言えば、米国資本のウォール・ストリート・ジャーナル紙が社説で主張したことは次の点に集約することができる。
「日本という国は、膨大な政府債務を抱えており、このままであれば早晩、債務が急膨張し、制御不能に陥る。こうした事態を回避するには、強力なリーダーシップが必要だ。その候補の一人は小沢氏かもしれない。小沢氏の政治信条である、旧来のバラマキ政治に対する改革への努力と、官僚政治からの脱却を考えると、その力は重要だ。小沢氏が、民主と自民の改革派を糾合すれば、小さな政府の実現と、経済成長への促進政策(いうまでもなく、もろもろの規制の大幅緩和、TPPへの参加などを意味している)へ、国民的合意を取付ける可能性がある。別の政治家が首相になると、経済の停滞が続く。日本の債務問題が危機的状況となっている現在、国民の前でしっかり政策論議を進めることのできる小沢氏のようなリーダーの出現が待たれる。」
この主張にはおかしい点がたくさんある。まず第一に、「このままであれば早晩、債務が急膨張し、制御不能に陥る。」としているが、小沢氏は、日本が近いうちに経済的破局に陥るといった見方はまったくしていない。第二に、「小沢氏の政治信条である、旧来のバラマキ政治に対する改革への努力」とあるが、事実は逆である。小沢氏こそは大型のバラマキ政治を行なう典型的な政治家である。第三に、「小さな政府の実現と、経済成長への促進政策」について国民の支持を得る可能性があるとしているが、小沢氏は「小さな政府」論者とはまったく相いれない政治思想の持ち主である。バラマキ政治で国民の歓心を得ようとする「大きな政府」の考えの持ち主だ。「経済成長への促進政策」とあるが、小沢氏が自由経済の促進を重視していることは事実ではあるが、「国民の生活が第一」というスローガンにあるように、経済的弱者を生むことになる大幅な規制緩和には反対の立場である。第四に、「危機的状況となっている日本の債務問題の解決」に小沢氏のリーダーシップが必要との趣旨であるが、これは最初に指摘した通り、小沢氏自身は、一度も「日本国の債務問題が危機的状況にある」と言ったことはない。小沢氏は、日本の債務問題は大きな問題ではないと考えているらしい。したがって、このウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説が、期待するような役割を、小沢氏に期待しても、とんだお門違いということだ。
このように、このウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説は、小沢氏の政治信条とは相いれない、まったくトンチンカンな内容なのである。さすがは米国資本のウォール・ストリート・ジャーナル紙ではある。
こんなひどい内容の社説ではあるが、多くの小沢支持者が、このお門違いの「小沢支持」を期待したトンチンカンな社説を支持したのである。ちょっとでも内容を理解しようとさえすれば、この社説のおかしいことはすぐに分かるはずなのにだ。ここが小沢支持者ではなく、「小沢信者」と呼ばれるゆえんだろう。小沢氏の政策を完全に否定し、まったく異なる役割を期待しているこのウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説を、多くの小沢支持者が支持したのだから。
こうなった理由には、小沢氏はいつもマスメディアから批判され続けてきており、今回、米国資本の新聞社とはいうものの、「小沢氏への期待」をタイトルに掲げたマスメディアはこれが初めてだったからだろう。これに「小沢信者」が内容を吟味することもなく、上っ面だけ見て飛びついたのである。
なお、コメントの中には、賢明にもこのウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説の欺瞞性を指摘したものが、少なからずあったことは付言しておかなければならないだろう。この人たちは、小沢支持者ではあるが、「小沢信者」ではない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK114掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。