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皇帝ネロはローマが燃える間、バイオリンを弾いていたとされる。日本の政治家たちは美しい旋律を奏でる代わりに、言い争いや策略を企てる。
■団結の好機潰す
政治ドラマが見せ場を迎え、党派を巡る茶番が繰り広げられた2日、菅直人首相は就任1年足らずで退陣に追い込まれかねなかった不信任決議案を乗り切った。だが今回の勝利が世界第3位の経済大国に、より協調的で生産的な政治をもたらすことは望み薄だ。
大きく分裂した与党・民主党の議員らは、時期は明示しないが退陣するという菅首相の曖昧な約束をそれぞれがゆがめて伝えたとして、即座に非難し合った。一方、参議院を支配しているために事実上法案を否決できる野党各党は、できるだけ早い機会に倒閣を目指す努力を強める意向を明確にした。
多くの日本人にとって、これはひどい失望だ。3月11日の地震と津波の後、多くの人は長らく酷評されてきた政界のエリートたちが意見の相違を脇に置き、救援と復興に専念する機会を感じ取った。なかには膨れ上がる国家債務と人口減少というゆっくり進行する危機について進展を期待する人さえいた。
このムードをうまく捉えた政治学者がいる。御厨貴氏は、今回の災害は第2次世界大戦後の数年間に見られたような統一目標を日本に与える「新たな共通体験」だとして、3月11日は「『戦後』の終わりと『震災後』と呼ぶべき時代の始まり」を告げると述べた。
■「すべての被災者が腹立ち」
協調は喫緊の課題だ。東北沿岸部では2万4000人の死者・不明者を出した津波によって数十万人の生活がめちゃくちゃになった。彼らの苦しみに対処するには、新しい法案制定と明白なリーダーシップが絶対不可欠だ。
また福島第1原子力発電所では危機が今も続き、避難と経済混乱の輪が広がっている。こうした状況は最も盤石な政権をも試すだろう政策課題を突きつけている。いまだに10万人近くが避難所で暮らしており、8月までに全員に仮設住宅を与える計画は行き詰まりつつあるように見える。
しかし東北地方のストイックな住民たちは、統一目標を目にするどころか、選ばれた代表者たち(過去4年間で既に4人の首相を世に出し、引きずりおろした国会議員たち)が5人目の首相の「血」を求めてほえ立てる許しがたい光景を見させられた。
町の一部が壊滅的な打撃を受けた(宮城県)南三陸町の佐藤仁町長が、なぜ政治家はもっと支援に専念しないか分からないと語ったとき、その発言は多くの人の声を代弁していた。佐藤氏は公共放送のNHKで「私だけでなく、すべての被災者がこのような政治活動を腹立たしく思っている」と述べた。
■袋小路の日本政治
野党の指導者たちは、菅首相の乏しいリーダーシップこそが危機を乗り切る最大の障害だと主張する。首相は実際、国民の信頼を維持するのに腐心しているし、沿岸部の地域社会の復興に向けた明白なビジョンをなかなか示せずにいる。
だが仮に菅首相が近く退陣しても、後任はやはり「ねじれ国会」に直面する。また首相を批判する向きは、彼らの方がうまくやれると信じるだけの理由を示していない。依然として参議院で過半数を占める連立をまとめることが難しい状況を考えると、総選挙で強固な政権が誕生する可能性も低いだろう。
JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は、不信任決議案を巡る菅首相の勝利は政治空白を回避したが、明白に異なる政策スタンスを持った複数の新党ができる「政界再編」への前進を遅らせかねないと言う。それまでは「何も変わらない」と、同氏は調査メモで書いている。
■社会や企業には力あるが
2009年の総選挙における民主党の歴史的勝利がしっかりした二大政党制を築き、左寄りの民主党と保守的な自民党が交互に政権を取るようになるという期待は薄れている。今や民主党は、繁栄するのと同じくらいに自滅する可能性があるように見える。
もちろん3月11日の災害への対応が示したように、日本はまだ社会、企業、官僚が持つ大きな強さの源泉を利用できる。
しかし2日に見られたような騒々しい権力闘争は何の役にも立たない。日本の政治家は回復への道のりを先導できなかったとしても、もっと良いムード音楽を奏でようとするくらいはできるはずだ。
By Mure Dickie
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小沢が政治的死に体の状態にあることだけが一つの救いだ。
小沢の政治的復権はあり得ない。 万が一、小沢が政治的復権を果たしたとしたら日本の破滅はもうすぐだ。
しかし、安心していい。 国民がそれを決して許さない。
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