http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/427.html
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※ 誤解される可能性もあるので、予めお断りさせていただくが、菅政権はただちに引きずりおろされ、少しは国民多数派のためになる政権が樹立されて欲しいと願っている。念のため、それは自民党中心の政権ではありません。
昨日の参議院予算員会の質疑を録画で見ているが、自民党など反菅野党の無様さに暗澹たる気持ちになる。
もちろん、それ以外にあまり攻めどころがなく、TV中継もある質疑で旬のネタを活かそうという気持ちはわかるが、他党の内輪決着とマスコミの誤報を頼りにした「辞任騒動」であれこれ言い募るのはあまりにも子どもっぽすぎる。
メディアの誤報を根拠に、辞任するとか退陣するとか言ったではないかと追及したり、菅首相に、マスコミの報道は誤報だと思うか?と戯けた質問をする姿は悲しみさえ誘う。
辞任表明をした首相が外交を行っても云々という攻撃を自民党の山本一太議員がしていたが、諸外国の政府は、菅首相が辞任表明したなぞ、2日の午後時点ならいざ知らず、その夜からは思っていない。
(エグイけどなかなかやるじゃないかといった反応だろう。欧米や共産主義中国などの政治家に信義や誠実は口先以外にない)
自民党も古株議員ともなると、「あ〜あ、やられたな。あいつらもなかなかの策士だ」と笑っているだけだろう。
(質疑で怒りまくっていた議員にしても、それくらいは思っていながらパフォーマンスをしているのだが)
民主党の代議士が6.2の内閣不信任決議案にどういう態度で臨むかは、基本は党議(以前の話だが)であり、最終的には個々の代議士の判断になる。
「鳩山・菅合意文書」や「代議士会菅演説」を持ち出すのはいいが、それらをきちんと精査すれば、辞任の“じ”の字も、退陣の“た”の字もないことがわかるはずだ。
自民党や公明党は、やっていたかどうかは知らないが、内閣不信任決議案を可決させたかったのなら、民主党のそれなりの政治グループと交渉して明確な合意を取り付けなければならなかったのである。
そして、その合意がありながらその民主党内反乱グループが裏切ったのなら、そのグループを非難することになる。
それでも、菅首相にあれこれ文句をつける話ではないのは当り前だ。これが理解できるなら、マスコミの誤報に乗っかって菅首相を非難する愚もわかるはずだ。
きちんとした根回しをしないまま、願望や夢で内閣不信任決議案が可決できると期待した自民党や公明党が愚かなのである。
昨日の参議院予算委員会で答弁に立った菅首相は、相変わらず暖簾に腕押しで、とにかく言質をとられないよう同じ言葉を繰り返していた。
まあそれはそれでいいのだが、刺激を避けたかったのかもしれないが、菅首相たちがやる気でお利口なら、そのような愚かしい質問をする議員に“厳しい叱責”もできたのだ。それをしなかったのは、武士の情けかもしれない。
次に、朝日新聞の6月3日・4日の社説はなかなか興味深いものだ。
朝日新聞は、自ら、「ニセ辞任情報」に乗せられ“世紀の誤報”をしたと告白しているようなものだ。
さらに、その社説のなかでもさらなる誤報を積み重ねている。
これまでの菅政権に関する報道ぶりを知りつつこれらの社説を読むと、朝日新聞が、6月2日の政局騒動で“蚊帳の外”に置かれていたことをしのばせる。
民主党の誰かから持ち込まれた「ニセ辞任情報」に飛びつき、民主党代議士会での菅発言の内容を精査することなく、恥ずかしながら、「菅首相 辞任の意向」という“世紀の誤報”をしてしまったと推察される。
これら二つの社説は、根回しを受けることなく“蚊帳の外”に置かれていたことへの恨み辛みの吐露であり、錯覚で一部にそう思われているところもあるがクオリティペーパーを自負する朝日新聞が騙され誤報を発した恥を隠そうとするもののように思える。
※ 同じように騙された可能性もあるが、読売新聞の関連社説のほうがずっと冷静である。
「首相退陣表明 「ポスト菅」で強力政権を作れ(6月3日付・読売社説)」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110602-OYT1T01165.htm)
「首相退陣時期 政治不信の根源を早期に断て(6月4日付・読売社説)」
(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110603-OYT1T01088.htm)
朝日新聞の6月3日社説は、「辞任はやむなし」という小見出しは少しきつめの表現だが、記事内容は至って穏当で、菅支持派及び民主党全体のペテン的収拾策さえ好意的に評価している。
朝日新聞が6月3日社説で言いたい本音は、「小沢除名」であり、それが、菅支持派民主党の強化を狙ったものか、それとも、民主党の分裂→総選挙→自民党主導政権の成立をもくろむものなのかはわからない。
6月4日社説になると、『「一定のめど」―菅さん、それはない』というちょっとおどけたタイトルからわかるように、前日の社説での憂さ晴らしもあり、今度は政権にすりよる姿勢さえみせている。
しかし、6月4日社説には、またまた重大な“誤報”がある。
【朝日社説から引用】
「直後に鳩山由紀夫前首相が立ち、復興基本法が成立し、第2次補正予算案の編成に
めどが立った段階での辞任で合意していると補足した。」
【私のコメント】
鳩山さんは「身をお捨て願いたい」とか「おやめいただきたい」と言っただけで、「辞任で合意している」という補足はまったくしていない。
朝日新聞は、鳩山さんが代議士会で「めどが立った段階での辞任で合意している」と語った事実があるのなら、それを明確に示す責任がある。
【朝日社説から引用】
「首相はそれを否定せずに聞いていた。」
【私のコメント】
「めどが立った段階での辞任で合意している」という説明があったわけではないから、否定する必要もない。
鳩山発言を受けての菅首相は、鳩山さんと少し前に会っていわゆる「鳩山・菅覚書」を交わしたと言っただけだから、どちらかといえば、否定したとも言える。
なぜなら、その「覚書」には辞任するという文言は一切入っていないし、口頭でもそういう約束はしていないと菅首相が言っているからである。
(鳩山さんは約束したといって食い違いを見せているから、二人で話し合って整合性をつけろと言うか、民主党の機関会議もしくは裁判で決着をつけろというしかない)
もちろん、菅首相と鳩山さんのやりとりは実に巧妙な掛け合い漫才であり、きわどい言い回しで言質をとられないようにしながら国民を愚弄する収拾策を公然と行ったことは事実である。
しかし、それを、「首相はそれを否定せずに聞いていた」というように、記者の観察力のみで判断し社説に盛り込むのは行き過ぎというか愚かだ。
【朝日社説から引用】
「だれの目にも辞意を認めたように見えた。」
【私のコメント】
おいおい、ひとを引っ張り込んで自分の判断を正当化するような言動は犯罪的だぞ。
自分の目にはそう見えたかもしれないが、私にはそう見えなかったし、他にも見えなかったひとはいるだろう。
そう見えた人の多くも、「辞任表明」誤報を見聞きしたせいだという可能性もある。
【朝日社説から引用】
「だから、不信任案に賛成すると息巻いていた「反菅勢力」も沈静化した。
「だから」かどうかは、朝日新聞(論説委員or主幹?)の見方であり、事実かどうかはいまのところ“闇”だろ。
民主党に代議士会出席者を対象にお得意の調査をしたのかい。
後ろの二つは感想文や分析内容だから許せるが、前の二つは、事実に反するもの(=誤報)なのだから、訂正してお詫びしなければならないものだ。
そうしなければ、朝日新聞を、菅政権と変わらぬ口先ペテン新聞だと断じる。
※ 関連投稿
小沢さん、今回の政局は“寸止め”が極意だよ:自公政権への道を切り拓く愚
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/207.html
小沢さん、菅首相のエセ退陣表明に惑わされず、“寸止め”戦術を貫徹すべき。
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/223.html
「どこでも表明されず、どこにも書かれていない、菅首相の「条件付辞任表明」が事実のように報道される異様な日本」
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/269.html
「[6.2政局騒動]少しは小沢氏擁護もしてみたいと思う:端から小沢氏も鳩山氏もソレデイイノダの田舎芝居」
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/358.html
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※ 引用元朝日新聞社説
6月3日社説
菅首相辞意表明―不毛な政争に区切りを
見たくないものを見せられた気分だ。一連の内閣不信任騒動が示したものは、非常時の国に、非常識な政治がはびこる寒々しい現実だった。
国の最高指導者が任期満了ならいざ知らず、将来の退陣を明らかにするのは極めて異例であり、重い決断だ。
なのに、これで政治が変わるという期待感が広がらない。肝心の退陣時期があいまいなうえ、ただただ民主党の分裂回避を優先させた結果にしか見えないからだ。あまりにも論理が内向きなのだ。
■辞任はやむなし
菅直人首相は与党から大量の造反が出て、不信任案が可決されれば、衆院を解散する構えだった。だが、いざ不信任案が可決されかねない、少なくとも大量の造反で党の分裂は避けられないという状況に追い込まれると、方針を転換した。
東日本大震災の被災地では、いまなお10万人が避難生活を強いられている。福島第一原発の事故は収束への苦難の作業が続く。とても総選挙をできる状況にはない。一方で、総辞職をしたならば、新たな首相選びや政権の枠組みづくりが難航し、政治空白が長引きかねない。
ここは、とにもかくにも政治の混乱は避けたいという選択だったのだろう。
私たちは危機のいま政争にうつつをぬかす与野党の振る舞いを批判してきた。事実上、不信任案が可決されたような展開は評価できないが、菅首相の判断はこの際、やむをえなかったと考える。
ただ、首相が退陣の時期として挙げた「震災の取り組みに一定のめどがついた段階」とは、いつなのかがはっきりしないのは、どうしたことか。
鳩山由紀夫前首相は復興基本法が成立し、第2次補正予算案の成立ではなく編成にめどがついた段階だとしたが、岡田克也幹事長は否定している。
こんな決着の仕方が、党内の亀裂の深さを象徴する。
■小沢氏を除名せよ
不信任案が否決されたいま、菅首相に二つの注文をする。
ひとつは、採決で賛成した2人の除名だけでなく、欠席した小沢一郎元代表らも厳しく処分することだ。党員資格停止中の小沢氏は、もう除名するしかあるまい。
そもそも、マニフェストの見直しや消費税率引き上げに否定的な小沢氏らのグループの存在が、野党との大胆な妥協を阻んできた。その小沢氏らが不信任案に乗るぞ、と揺さぶりをかけたのだ。
分裂回避に腐心した首相に処分問題で党内をまとめる力量が残っているかどうかは心もとないが、結果として、造反は20人以下にとどまった。不信任案が否決されたいま、ためらう理由はないはずだ。
もうひとつは、政権移行に向けた工程表を、できるだけ速やかに示すことだ。
いつ、新たな首相候補を選ぶ民主党代表選を実施するのか。菅政権のもとで実現をめざす政策と、次の政権に委ねる政策の仕分けをどうするのか。
たとえば、社会保障と税の一体改革はどうするのか。第2次補正予算案の財源をどう賄うのかも明確にすべきだ。
■旧世代は総退陣を
とくに、次の指導者選びには時間をかけて、その資質の真贋(しんがん)を吟味しなければならない。
その際のキーワードは、菅首相が「若い世代に責任を引き継ぎたい」と述べた、まさにその「世代交代」だ。
この不信任騒動で表に立ったのは、民主党ではちょうど1年前に首相と幹事長を「ダブル辞任」した鳩山、小沢両氏と菅氏の「トロイカ」だった。
自民党で不信任案の早期提出を唱えていたのは首相経験者や派閥の領袖(りょうしゅう)クラスの長老、ベテランである。
中堅・若手の間では、党派を超えて、危機のさなかに権力闘争をやっていていいのかという声があがっていた。この際、民意を肌で感じられない旧世代には総退陣してほしい。新しい民主党の代表選びを、その第一歩にすべきだ。
自民・公明両党は、首相候補も政権の枠組みも政策の体系も明示しないまま不信任案の提出を急いだ。まったく「責任野党」の名に値しないやり方だった。今後も対決姿勢を続けるというが、菅首相はとにかく退陣を口にしたのだ。こうなれば、復興基本法案や今年度予算の財源を賄う特例公債法案の成立には協力するのが筋だろう。
過去4代、たて続けに1年前後で交代した首相のあとを受けた菅首相も、短命に終わりそうだ。海外には「またまた日本の首相が代わる」というニュースが配信された。外交にとって、大きなマイナスだ。
せめて、この不信任騒動を、与野党が不毛な政争に区切りをつけ、国民のための政策実現に向け再出発する機会にしなければいけない。
http://www.asahi.com/paper/editorial20110603.html
6月4日社説
「一定のめど」―菅さん、それはない
原発事故から目が離せない。震災復興に道筋をつけずに投げ出せない。そんな首相の責任感からなのか。
辞めると認めたら、野党から「退陣する首相など相手にできない」と無視されるので、それを避けたいのか。
辞意を表明した菅直人首相が一転、続投をめざすそぶりだ。おととい夜の記者会見でも、きのうの参院の審議でも「辞任」を口にせず、わけがわからない状況に陥っている。
だが、与野党の国会議員がののしり合っても何も生まれない。ここはまず、お互いにかっかしている頭を冷やすことだ。
確認しておこう。
首相は内閣不信任決議案を採決する前の民主党代議士会で、震災対応に「一定のめど」がついた段階で、若い世代に責任を引き継ぐと表明した。
直後に鳩山由紀夫前首相が立ち、復興基本法が成立し、第2次補正予算案の編成にめどが立った段階での辞任で合意していると補足した。
首相はそれを否定せずに聞いていた。だれの目にも辞意を認めたように見えた。だから、不信任案に賛成すると息巻いていた「反菅勢力」も沈静化した。
ところが、その後、辞意はどこへやらだ。
「一定のめど」を問われて、原発が100度未満で安定する時点を挙げたのを見ると、来年まで続投する気もあるらしい。
もともと、危機の中で「菅おろし」に走った与野党議員は無責任の極みだった。
それでも菅首相は世論の支持を得られず、不信任されそうになった。
そんなとき、国民注視のなかで飛び出したのが「一定のめど」だった。
結果的に、与野党議員を欺いた発言に、「菅さん、それはないでしょう」というしかない。
これでは野党が態度を硬化させ、多数を握る参院での政権攻撃を激化させる。民主党内の対立もさらにこじれる。内政課題も外交も停滞してしまう。
いったん辞意を口にした首相が、退任時期を示さないまま地位にとどまり続けるのは無理がある。政治不信をさらに膨らませるだけだ。
首相は、いつ辞めるのか。それは年内の遠くない時期というのが常識的だろう。期限付きの首相として、大震災関連の予算や法案づくりを急ぐのだ。
同時に、党内で次の党代表選びの作業にとりかかれば、説得力が増す。政争ばかりの国会議員だけでなく、全党員で落ち着いてリーダーを選べばいい。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
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