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2011年6月 4日 (土)
菅直人悪徳民主凋落と小沢・鳩山正統民主の大復権
一連の騒動の結果、明らかになったことは、小沢一郎氏が依然として隠然たる党内影響力を維持していることである。そして、この小沢氏と前首相である鳩山氏が連携すれば、民主党の支配権を確保し得るとの現実である。
内閣不信任決議案は可決されることが確実な情勢だった。
この情勢を受けて、菅直人氏は「偽装退陣」の策略に手を染めたのである。菅直人氏は国会答弁で6月2日に鳩山由紀夫氏と官邸で会談したのは、鳩山氏からの申し入れによるものであると何度も強調したが、これは事実に反する。
すでに、前日夜から鳩山氏側近の平野博文氏と菅氏サイドの北沢俊美氏との間で、「確認書」の文面のすり合わせが行われていた。これは、官邸サイドの危機感から生じた行動である。北沢氏はこの文面のやり取りについて、菅氏退陣を前提としたものであったことを明らかにしている。
内閣不信任決議案採決の衆議院本会議直前に開催された民主党代議士会で、菅直人氏は事実上の退陣表明を行った。出席者は菅直人氏の演説だけではその意味が十分読み取れなかったが、菅氏演説の後、鳩山由紀夫氏がトップバッターで補足説明をした。これによって、急変した事態の概要を把握した。
菅−鳩山間で密室会合が持たれ、そこで、菅直人氏の辞任が決せられたことが鳩山氏から説明された。辞任の時期は、
@震災復興基本法が成立し
A第二次補正予算編成にめどが立った時点
であることが明らかにされた。
この補足説明について、菅氏は否定しなかった。
したがって、この密室会談が開かれ、菅氏辞任が決定されたことを突然知らされた民主党代議士は、この2名の説明により、菅−鳩山合意の内容を理解した。
内閣不信任案が可決されなくとも、菅直人氏が上記2条件が成立した時点で退陣することが判明したため、ほとんどの民主党代議士は不信任案に賛成することを中止したのである。
ところが、菅直人氏は不信任決議案が否決されると態度を一変させた。
民主党議員が反発し、菅直人氏が国会で追及されるのは当然である。
菅氏は臆面もなく、自己の言動の正当性を主張した。
その論理構成はあまりにも稚拙だ。浅知恵すぎる。
菅氏は、菅氏が代議士会で発言した言葉をつなぎ合わせて、退陣表明ではないと言い張った。しかし、これは通用しない。
代議士会で菅−鳩山合意について発言したのが菅直人氏だけであるなら、菅氏の主張に理がある。しかし、代議士会では、出席者が何も知らない、突然聞かされた菅−鳩山合意について、菅氏と鳩山氏の2名から説明がなされたのである。しかも、退陣時期については、補足説明した鳩山氏が、「確認書」に記載されたことを明確に口頭で述べて、この条件が整った時点で菅氏が身を捨てることを明言したのだ。
合意事項が菅氏の言葉だけでなく、鳩山氏の言葉と合わせて出席者に理解されたと考えるのは当然で、このときの、菅氏の発言だけをつなぎ合わせて、「私は辞めると言っていない」と菅氏が述べるのは、典型的な詐欺師の手口と言われて反論できない。
一連の騒動は、ある意味で国民に有益な結果をもたらした。菅直人という人物の本性が誰の目にも明らかになったことだ。この期に及んで菅氏を支持する人は皆無になったことだろう。詐欺師を国家のトップに置いておくわけにはいかないのだ。今回の騒動を踏まえて考えると、菅直人氏の発言のすべてが疑わしくなってくる。
6月3日の国会質疑で、「みんなの党」の小野次郎氏が、多胡輝氏の『頭の体操』から「正直村とうそつき村」の例題を持ち出して、すべての重要問題について、終始一貫してうそをついているのは菅直人氏ではないかと糺した。分かりやすい主張である。
他方で、小沢一郎民主党元代表については、その隠然たる影響力が改めて確認された。鳩山由紀夫氏は、人柄の良さのなせる業か、詰めの甘さを露呈はしたものの、その誠実さと真摯さにおいて、菅直人氏を圧倒することが改めて際立った。
文藝評論家の山崎行太郎氏は、政治家の本質は「誠」にあるとし、その意味で、一連の騒動の敗者は菅直人氏ではないかとの、冷徹な分析を示されている。
また、「カナダde日本語」の美爾依さんが、
「不信任決議を茶番でなくすには菅を6月中に辞任させるしかない」と題する記事を掲載されたが、今後の課題としては、このことが最重要である。
マスゴミにとっては、また新しい悩みの種が生まれた。
それは、隠しようのない、小沢一郎氏の影響力完全復活である。
とりわけ、小沢氏と鳩山氏が連携すれば、たちどころに民主党内勢力分布が一変する。
マスゴミとその背後にある悪徳ペンタゴンは、2009年8月総選挙から1年半以上、民主党を「正統民主党」から「悪徳民主党」に変質させることに心血を注いできた。その究極の目標は、小沢一郎氏の影響力排除である。
ところが、今回の騒動により、この課題が、事実上、振り出しに戻ってしまったのである。
そこで、早速始まったのが、小沢一郎氏攻撃の復活である。テレビ番組では、突然、今回の騒動における真犯人は誰かという、意味不明の街角調査を実施した。パネルにシールを貼る制作会社十八番の不正調査に決まっているが、答えは、決められた通りの「小沢一郎氏が一番悪い」だ。
世論調査も、意味不明の小沢氏グループの行動を評価するかの設問を設けて、小沢氏を攻撃することを忘れない。
つまり、焦点はすでに次期首相に移りつつあるのだ。悪徳ペンタゴンは、次期首相が「正統民主党」から輩出されることを、力づくで阻止しなければならないのだ。そのために、小沢攻撃が再開されたのだ。
小沢−鳩山両氏が、強固な連合体制を敷くことを何よりも恐れている。
主権者国民と悪徳ペンタゴンの最終決戦はまだまだ続いている。菅直人偽装退陣事件を契機に、主権者国民勢力は一気に勢力を挽回しなければならない。この戦略上、現時点での解散総選挙は望ましいものではなかった。解散なく菅直人氏を排除できれば、これが、ベストの選択である。そしてこれが、同時に震災復旧・復興を実現するための第一歩になる。
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