http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/269.html
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“寸止め”投稿でさえいろいろ批判もされたが、それを超える“中折れ”や“未挿入漏れ”で第一ラウンドが終わった政局騒動で、イケなかった欲求不満が募りっぱなしだ。
“寸止め”を書いた目的の一つだった「自公政権への道」を断つということだけは今のところ実現されている。
私が願っていたのは、一次補正が通過し、官僚機構が二次補正の編成にいそしんでいるこの時期こそ政局が動き、菅政権に代わる少しはましな政権ができる萌芽くらいは生まれることだった。
口先だけの無能集団だけならまだいいが、国民の生命と健康を害し、日本社会の未来を破壊しかねない政策を追い求める菅政権にたまらない危機感と閉塞感を抱いている身としては、このような政局の流動化は、“瓢箪から駒”になる可能性も秘めていると期待した。
大手メディアは、困窮を深めている被災者の不安と怒りを前面に出すことで、菅政権の継続を正当化し不信任決議の否決も良としているが、菅政権は官僚機構=猿回し軍団に芸を仕込まれている猿だと考えているので、悲しいことではあるが、陰で官僚機構が動く限り(実際動くし)、今回のような政局騒動が復旧の遅れや事故対策の阻害になることはないのだ。
(別に、官僚機構が復旧・復興に全力を挙げているという見方をしているわけではないので誤解なきよう)
国民新党の亀井代表も今回の政局で動いたようだが、政権与党という場所の居心地がいいのか、肝心要の郵政民営化を解消する立法にまったくその気がない菅政権を必死に支えているのにはがっかりした。
鳩山さんは相変わらず自分の世界で遊び、小沢さんは「エセ辞任表明」を待ってましたとばかりに矛を収め、まるで幼稚園の学芸会を見させられているような一日だった。
菅支持派が民主党内の内閣不信任決議案同調者を減らすために採った「辞任表明」は、辞任表明と受け止められないこともないかなという程度の内容でしかない。
辞任表明と解釈できるとしても、国会での菅首相の答弁を見てきた人にはわかると思うが、これまで「震災の復興や原発事故の収拾にめどがつくまでにやめるわけにはいかない」と言ってきたのが、「震災の復興や原発事故の収拾にめどがついたらやめてもいい」と変わっただけの話しかない。
そうはいっても、やめないとやめるには大きな違いがあると言われるかもしれない。
じゃあ、菅首相は、本当に、今日、どこかで、「条件付辞任」を語ったり、「条件付辞任」を約束したのだろうか。
夜7時のNHKニュースで流れていた民主党代議士会での菅さんの話を聞いても、同じ番組で写真付きで示された鳩山さんと交わしたとされる覚書を見ても、菅首相の「条件付辞任」を明確に示す文言はないのである。
最初に、鳩山さんが言っている条件での辞任の約束はないと岡田幹事長に言われ、鳩山さんが岡田さんをウソつき呼ばわりで逆襲した覚書を見ると、(読売新聞記事から引用)
「▽民主党を壊さないこと
▽自民党政権に逆戻りさせないこと
▽大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つこと
〈1〉復興基本法案の成立
〈2〉第2次補正予算の早期編成のめどをつけること」
のみで、辞任についてはまったく触れられていない。
鳩山さん自身も、覚書に書いてあるとか覚書が偽物とかは言っていないから、本気で辞任の約束をさせたわけではないことがわかる。
自分のかわいい民主党が分裂して小さくなるのを阻止するためなら「ウソも方便」と考えたうえでの所為だろう。
しかし、鳩山・菅の二人の覚書のトップを飾る項目が、「民主党を壊さないこと」というのには唖然とさせられ笑わされるし、彼らの心根が透けて見えるような気がする。
それよりなにより、鳩山さんと交わした覚書にどれほどの拘束力があるのか、鳩山さんが言うような口頭で約束したという話がどこまで重みがあるのかを考えてみれば、遊びの域を超えない覚書交換と言えるだろう。
昨夜内閣不信任決議案に賛成を表明した鳩山さんに、何人の同志が賛同しついていくと言ったのかを知りたい。
鳩山さんがああいうかたちで収束をはかった最大の理由は、内閣不信任決議案の賛成に回ることで自分の政治力がまったくないことが白日のもとにさらされるのを避けることにあったと邪推している。
次に、造反を沈静化させる決定打とも言える民主党代議士会での発言だが、これを毎日新聞から引用させていただく。
【基本方針】
「皆さんに三つ申し上げる。一つは復旧復興に向け、全身全霊をあげて最大限の努力をする。このことを国民の皆さんに改めてお約束したい。
二つ目は民主党を決して壊さない。壊してはならない。そういう根本に立って行動すると約束したい。三つ目は、自民党に政権を戻すことがないようにしっかり対応していく。このことを私の行動の基本に置いて進めることを約束する。」
この部分は、鳩山さんとの覚書に即した発言だと判断できる。
【辞任表明??】
「私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。」
菅首相の代議士会での発言で辞任表明と解釈できそうなのはこの部分と、首相の地位に死ぬまではしがみつかない(笑)と受け止めることもできる「私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている」と語った部分だろう。
しかし、肝心なこの部分でもとにかく、「やめる」とか、「辞任する」といった言質になるような表現はいっさい使っていない。
「大震災に取り組む一定のめどが付いた段階」も様々に解釈できる時期であり、「私がやるべき一定の役割が果たせた段階」になるとさらに難解で菅首相の自己判断の領域に入る時期になり、「若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたい」は、民主党の世代交代の話であって、自分(菅首相)がやめる云々とは直接は繋がらないものである。
たとえば、「それは、若い世代のひとに、今は自分が抱え込んでいるテーマを新設大臣ポストに就いて担って欲しいという意味だ」と言われたら、ウソつきとまでは言えない。
菅が辞任表明するという類の噂話を聞いて勢い込んで聞いている人には「辞任表明」に聞こえ、菅政権を継続させたいと裏で考えている人にはそう解釈して報じて誤報とは責め立てられないだろうというレベルの内容でしかないのだ。
【今後の意気込み】
「私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている。しかし、大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい。そのためにも、本日、野党から出される不信任案に、皆さん方の一致団結しての否決という対応をぜひお願いしたい。」
失礼な話だが、菅首相が余命数ヶ月なら残った札所巡りのために辞任して時間を作らなければならないかもしれないが、自ら知っている致命的な病気やケガがないのなら、それは死ぬまで首相をやるという気はないよという話でしかない。
逆の意味で重要な部分は、「大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい」という意欲の表明であろう。
今頃、菅支持派はそっと高笑いでご機嫌だろうし、官僚機構や大手メディアも、なかなかうまくことが運んだとほくそ笑んでいるに違いない。
今日語ったことや鳩山さんとの覚書が根拠になるのなら、菅首相は、震災復興と原発事故収束にめどがつこうとも辞任するいわれはない。
とくに日本のひとびとは、悪いことはできるだけ早く忘れ、いいことをありがたがり感謝する傾向が強いように思えるので、復興や収束が少しずつでも進んでいけば、菅さんもよくやっているじゃないかという声が高まってくる可能性もある。(メディアのサポートが条件だが)
そういう世論が形成されれば、「私はそろそろ身を引きたいと考えていたが、みなさんのご期待もあり、将来の日本のために、微力ながらこの身を捧げ粉骨砕身がんばりたい」と言って、首相を続ける可能性だって十二分にあると思っている。
菅支持派は、今回の政局騒動を絶好の機会ととらえ小沢さんを党から排除して憂いを断ちたいと考えているようだが、そういう激越な手を使っても、小沢さんについていくのは多くても10名くらいと読んでいるのだろう。
こうなったら私は高みの見物だが、政局は「大山鳴動小沢ひとり」で終わるような気もしている。
最後に、この書き込みでは、言っても仕方がないので、日本政治にかかわる最高任命権者のことは抜きに考えた。
あ〜あ、どうしようもない閉塞感に息苦しくなりそうだ。
※ 関連投稿
「小沢さん、今回の政局は“寸止め”が極意だよ:自公政権への道を切り拓く愚」
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/207.html
「小沢さん、菅首相のエセ退陣表明に惑わされず、“寸止め”戦術を貫徹すべき。」
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/223.html
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※ 引用関連記事
辞めるとはひと言も書いていない「鳩菅覚書」[読売新聞]
菅首相と鳩山前首相が交わした覚書の確認事項は次の通り
▽民主党を壊さないこと
▽自民党政権に逆戻りさせないこと
▽大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つこと
〈1〉復興基本法案の成立
〈2〉第2次補正予算の早期編成のめどをつけること
(2011年6月2日14時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110602-OYT1T00623.htm
菅首相:退陣の意向表明 発言要旨[毎日新聞]
◇菅直人首相が2日昼の民主党代議士会で行った発言の要旨は以下の通り。
私に不十分なところがあり、野党が不信任案を出すことにつながり、私の不十分さで皆さんにもご迷惑をかけることをおわびしたい。
3月11日に発生した東日本大震災の復旧復興の道筋を付け、原発事故の一日も早い
収束を図ることに全力を傾注せねばならない。被災者から「遅い」、「不十分だ」と厳しい指摘をいただき、私の指導力、考え方、不十分だった部分も多々あるが、政治家、国家公務員、地方公務員が全力を挙げて取り組んでいることはお互いに確認できるのではないか。
皆さんに三つ申し上げる。一つは復旧復興に向け、全身全霊をあげて最大限の努力をする。このことを国民の皆さんに改めてお約束したい。
二つ目は民主党を決して壊さない。壊してはならない。そういう根本に立って行動すると約束したい。三つ目は、自民党に政権を戻すことがないようにしっかり対応していく。このことを私の行動の基本に置いて進めることを約束する。
野党から「お前が総理では物事が進まないから地位を外れろ」と強い指摘をいただいている。「ありとあらゆることを、地位にしがみつくために発言し、行動している」と厳しい批判をいただいているが、その(首相の)立場、その地位に立った者として責任をしっかり果たせるかを考えて行動してきたつもりだ。
そうした中で、今回の震災を迎えた。私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。
私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている。しかし、大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい。そのためにも、本日、野党から出される不信任案に、皆さん方の一致団結しての否決という対応をぜひお願いしたい。
毎日新聞 2011年6月2日 12時57分(最終更新 6月2日 13時11分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110602k0000e010067000c.html
菅首相、民主代議士会での発言要旨 [読売新聞]
東日本大震災の中、野党から私に内閣不信任決議案が提出されることになった。(私の)不十分さで皆さんにも迷惑をかけることを改めておわびしたい。
私は三つのことを目標にこれから行動していく。一つは東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故(の対応)に全身全霊を挙げて最大限の努力をする。二つめは民主党を決して壊してはならない。三つめに、我が党中心の政権を、自民党に戻すことのないようにしっかりと対応していく。
この大震災への取り組みに一定のメドがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代に色々な責任を引き継いでいただきたいと考えている。この大震災、原発事故に一定のメドがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。そのためにも、野党から出される内閣不信任決議案に対し、一致団結して否決という対応をお願いする。
民主党が壊れることなく、自民党に政権が移ることのない道筋を歩み、一定のメドがついた段階での若い世代への引き継ぎも果たし、責任を持った政党としての国民の理解を築き上げていただきたい。
(2011年6月2日13時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110602-OYT1T00617.htm
首相発言要旨―民主代議士会[朝日新聞]
2011年6月2日12時46分
菅直人首相が2日午後の民主党代議士会でしたあいさつの要旨は次の通り。
◆ ◆
東日本大震災の中、野党から不信任案が提出された。私に不十分なところがあったことが不信任案提出につながったと受け止めていて、改めておわびしたい。
今、私たちが置かれているのはどういう状況か。何としても震災の復旧・復興の道筋をつけていくこと、原発事故の一日も早い収束を図ることに、すべての力を傾注しないといけない。被災者からは、遅い、不十分だという厳しい指摘もたくさんいただいている。私の指導力や考え方に不十分だった点も多々ある。
三つのことをしっかり目標として取り組んでいく。一つ目は、震災は原発事故が継続中だし、復旧・復興もこれから本格化する。全身全霊をあげて最大限の努力をする。二つ目は民主党を壊してはならないという根本に立って行動する。そして、三つ目に、自民党に政権を戻すことがないよう対応していく。
震災への取り組みに一定のメドがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代に責任を引き継いでもらいたい。一定のメドがつくまで責任を果たさせてもらいたい。そのためにも、不信任案を一致団結して否決し、自民党に政権が移ることのない道筋を歩み、一定のメドがついた段階で若い世代への引き継ぎも果たしてほしい。国民が政権交代で期待したこと、被災地のみなさんの望んでいることにつながると思う。
http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY201106020250.html
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