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今一番怒っているのは自民党だろう。谷垣だろう。あわよくば解散総選挙で一気に政権奪回も見えていた。小沢新党の出方もあるから何とも不透明ではあるが、少なくとも強い追い風が吹く可能性は高かった。
それがあっという間に消滅した。菅が辞任表明したが、解散は消えた。自分達が出した不信任案は否決された。利用されたと思うのが当たり前だ。権力を離してしまうと、こういう目にも遭う。自民党の対決姿勢はますます強まるだろう。辞任表明した首相を相手にする野党もいい面の皮だ。
さて、今、今回の事態をどう評価するかだ。鳩山の議員総会での発言を聞いた時は頭に血が上ったが、暫く時間を置いた今は前向きな思いで第2Rに向かう心境だ。
小沢に対してもかなり批判の声があるようだが、私は全く変わっていない。瞬間的には面食らう思いにもなるが、小沢への信頼は全く次元が違う。鳩山にはエスカレーターのように上下するが、鳩山の今回の行動は、破局的混乱も有り得た事を思うと理解できる。
菅は旧体制最後の首相だ。旧体制が大崩壊をする危険があり、日本の大混乱という危険が付き纏う。小沢はそこまで織り込んで覚悟していた訳だが、大混乱をどう切り抜けて行くかは中々大変だ。
小沢はダメならダメと今回言った。今回は放射能国難であり、玉虫色はダメなのだ。小沢が鳩山を了解したのはひとえに大混乱回避にある。狂人に最高権力を与えた事の始末をしなくてはならない。これが大変なのだ。菅は小沢の対極にあり、物凄い事をやる危険性があった。小沢が本気になったのも、菅の特殊性を知っていたのがある。
鳩山もこの菅の特殊性に対策を打った訳だ。小沢とは全く違うソフト路線だ。いかにも鳩山だ。しかし今回の鳩山は評価できる。菅の狂気を封じるにはソフト路線も大事だ。少しの時間を与えて辞任を促す。不信任案が可決されて反射的に解散!!とやられたら、未曾有の大混乱が日本を襲う。侵略されるぞ。
とに角、菅の口から辞任の言質を取った。全国民に向かって言わせた。それが無ければ、確実に不信任が可決された。小沢が作った状況が菅を追い込み、暴発の危険は鳩山が消去した。
今回の不信任案可決には狂気の解散が付き纏った。従って今回の辞任表明を引き出した事で、十分に良しとしなければならない状況だった。
まさかこんな展開があろうとは想像もできなかったが、危険は膨大なものがあり、その対応にも神経を注いでおかねばならなかった。鳩山がそれをやったのだ。批判できる状況ではない。
もちろん、菅一味は延命を図る可能性がある。それはまた次のラウンドだ。とに角今回、菅の解散権を封じた事が評価されなければならない。岡田などは解散権に影響はないと言うだろうが、辞任表明した首相に解散権などある訳がない。菅一味は究極の「隅」に追い込まれた。もはや菅は首相然とは振舞えない。菅内閣はもうエンジンストップだ。
まだひと悶着はある。だからまだ戦いは続く。しかし、辞任表明した事実は絶対に消えない。全くどんな展開になるのか、ちょっと読めない。初めての経験だろう。延命などやらせない。辞任表明は辞任表明だ。 本来なら可決されていたのだ。
これからも難しい状況が出てくるだろう。旧体制を新体制に転換するのは大変なのだ。我々ももっともっと学ばなければならない。天命に遊ぶ心境が重要だ
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