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「壊し屋」小沢氏、最後の賭け 不信任案、同調の動き 失敗すれば、離党覚悟
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060107390003-n1.htm
2011.6.1 07:38 産経新聞
民主党の小沢一郎元代表(69)が内閣不信任案同調に向け、突き進んでいる。成功すれば菅直人首相を総辞職に追い込み、半年以上にわたる政争にピリオドを打つことができるが、失敗すれば離党を覚悟するしかない。平成5年6月、「政治改革」をめぐる攻防の末、宮沢喜一内閣の不信任案に同調して18年。つねに政界を揺るがしてきた「壊し屋」は最後の賭けに出るのか−。(加納宏幸)
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■年齢・公判…焦り
小沢氏は31日夜、側近の平野貞夫元参院議員と都内の中華料理店で会談、宮沢内閣不信任当時の思い出話に花を咲かせた。菅内閣の不信任案採決に向け情勢分析をしたとみられるが、小沢氏は記者団の「同調するのか」との質問を無視し、車に乗り込んだ。
これに先立ち、小沢氏支持の衆院中堅・若手グループ「一新会」(約40人)は会合を開き、小沢氏が決起を促すことに期待したが、結局は姿を見せることはなかった。
「首相の自発的な辞任が望ましい。そうならないのならば不信任案に賛成するしかない」
小沢氏は5月30日午後、衆院第1議員会館に羽田孜元首相(党最高顧問)を訪ねた。平成5年の不信任案に同調し、自民党を離党したかつての同志。旧新進党でたもとを分かったが羽田氏は民主党入りした小沢氏の「理解者」だった。
小沢氏は不信任案同調に理解を求めたが、羽田氏は頑として首を縦に振らなかった。「党を割ってはいけない」。羽田氏は小沢氏の「壊し屋」の顔を見るのが嫌だったのかもしれない。
小沢氏には焦りがある。5月24日に69歳の誕生日を迎えた。体力にも衰えを感じている。何より、政治資金規正法違反罪で強制起訴され公判を控える。「これが最後のチャンス」と考えているかにみえる。
しかも東日本大震災や、東京電力福島第1原発事故への菅首相の対応はあまりに稚拙だ。お膝元である東北地方の危機を目の当たりにし「黙っているわけにはいかない」との思いを強めたようだ。
■チルドレン及び腰
「原発の状況はますます悪くなっている。今動かなければ、皆さんは今の政治に関わった政治家として、将来非難されることになるんだぞ!」
小沢氏は5月30日、一新会幹部に切々とこう訴えた。それでも首相の解散風に恐れをなし、自らが手塩にかけ育て上げた若手議員でさえ不信任案同調に及び腰だ。中間派はさらに慎重で、首相への不満はあるが「小沢色」が強まることを嫌う議員も少なくない。
これを意識してか、小沢氏は「党内が穏便に収まるよう努力する」とも語る。そんな小沢氏の焦りと迷いを感じ取った渡部恒三最高顧問は5月30日、小沢氏とひそかに会い自制を求めた。
だが、今回の不信任案は、自民党分裂、新進党解党、自自公連立の解消−と破壊を続けた「壊し屋」人生の集大成でもある。小沢氏の決意は固かった。渡部氏はあきらめきれない顔つきでこう漏らした。
「みんなで苦労して政権を取ったんだ。小沢君がまた『壊し屋』と書かれることがないよう説得する…」
◇
首相「小沢切り」決意、小沢系は新党結成も視野
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110601-OYT1T00155.htm?from=top
2011年6月1日06時54分 読売新聞
菅首相は内閣不信任決議案をめぐる民主党内の対立を機に、小沢一郎元代表との決別も辞さない構えだ。
「小沢切り」で子ども手当など政権公約(マニフェスト)見直しへの異論を封じ込め、財政再建などに道筋を付けたい考えと見られる。一方、元代表支持グループの議員らは不信任案賛成後の新党結成も視野に同調を呼び掛けており、対立は一層激化してきた。
「危機の中、次の段階まできちんとつないでいくのが自分の役目だと考えているので、その義務を果たしていく覚悟だ」
菅首相は31日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、野党の退陣要求を改めて拒否した。
民主党執行部は不信任案への同調者を最小限に抑え込み、否決に持ち込む方針だ。党所属議員が不信任案に賛成したり、採決を欠席したりした場合は、除籍(除名)処分など厳しい措置で臨む。平田健二参院幹事長は31日の記者会見で「党の規約に従って厳正にやったらいい」と強調した。
首相は、昨年の代表選で小沢元代表と一騎打ちを演じて以来、仙谷由人代表代行(官房副長官)らとともに「脱小沢」路線を進めてきた。しかし、マニフェスト見直しや消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革には、元代表グループなどが強く反発してきた。首相周辺には「追い出せばスッキリする」と、元代表らが不信任案に同調することを歓迎する声すらある。
ただ、大量の造反者が出れば、政権の不安定化は避けられない。
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