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「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」2011年5月31日「日米関係悪化を目論む、外務官僚・有馬裕、有吉孝史を証人喚問せよ」を下記に転載投稿します。
=転載開始=
アルルの男・ヒロシです。
ウィキリークスの外交公電を分析している。日本関連の文書を中心に集めて、TPP関連、原子力規制委員会(NRC)関連の文章まで集めている。基本的には20年かそこらで機密解除・公開される公電が多いので、実は読物としては面白くないのだが、東大卒の律令外務官僚の思考経路をアメリカの「外交官僚」たちが分析する過程は興味をそそられる。
ウィキリークスの日本関係の公電は朝日新聞も公開して翻訳しているが、実は肝心な公電がネグられている。これは現在も第一線で活躍する外務官僚の実名が書かれているからかもしれない。
一例として、2009年12月16日付の公電を見てみよう。この公電は最後にジョン・ルース駐日大使の署名入りである。民主党政権発足後数ヵ月後のものである。題名は「日米同盟の当局者(アライアンス・ハンズ)が、民主党政権の密約問題と普天間代替施設問題の取扱に憤慨」となっている。
公電:http://tourkaba3.wordpress.com/2011/05/13/09tokyo2875/
公電は冒頭に「要約」がある。これをまず紹介しよう。
(私訳の上引用開始)
日本外務省の元日米同盟当局者たちが外務大臣主導で始まった「核密約調査チーム」(核持ち込みに関する日米秘密協定の調査)に参加するために本国に呼び戻されている。彼らは現在の民主党政権の日米同盟のハンドリングについて非常に憤慨していると大使館の当局者との会談で語った。
彼らは民主党政権のやり方が長期的には日米同盟の方向性を良くない方向で影響を与えると考えているが、短期的には問題はないだろうと語った。彼らは鳩山政権の普天間代替施設を巡るアプローチを激しく批判、米政府に不満を直接的に表明するように強く要請した。
彼らは同時に鳩山政権の日米同盟に関連する問題に対するアプローチからは、同盟にとって好ましくない傾向が生まれていると注意を促した。そして、政府の上級官僚たちが新政権における重要な意思決定から除外されていると懸念を示した。
(要約終わり)
この公電に出てくる「アライアンスハンズ」の3人の名前は以下のとおり。
外務官僚:有馬裕、有吉孝史、深堀亮
この3人は有吉・深堀が日米地位協定室に所属したことがあり、深堀はどうやら現在は「外務省国際法局国際法課 首席事務官」の地位にあるようだ。有吉は所属は不明だが、過去に横田基地の公害訴訟などで原告団の対応窓口になっていたことがあることが確認できる。公電の書かれた当時はOECDに出向していたらしい。
そして、問題は有馬裕である。この人物について、公電の中でルース大使は次のように彼の経歴をまとめている。
(引用開始)
有馬裕は、特に、長年に渡り、米大使館にとって主要な情報源であり、分析を提供している人物であり、アメリカについても非常に肯定的に見ている人物である。彼は有力な外務省北米局幹部(MOFA North American Affairs Bureau Director General)の息子であり、思想形成期(formative years)からワシントンDC周辺で育っており、ほとんどネイティブに近い英語を話す人物であり、そして外務省の中の出世頭である。
(引用終わり)
このルース大使をして「外務省の出世頭」と言わしめた、有馬裕。彼の経歴は次のようになっている。2008年段階の経歴である。
<東京大学卒業後、1991年外務省入省。米国留学(ハーバードロースクール修士)をはさみ、北米局第一課、第二課、日米安全保障条約課や在米日本国大使館などで勤務。小泉政権後半、安部政権初期には内閣官房副長官秘書に。今年の9月には国際連合日本政府代表部参事官として渡米。>
それで彼の父親というのが有馬龍夫という人物。ドイツ大使なども務めているが、以下のような経歴である。
<1933年、鹿児島県生まれ。1950年、成蹊中学校卒業。成蹊高校在学中に、米国の名門校・セント・ポールズ・スクールへ留学。1957年、ハーバード大学政治学部卒業。1962年、外務省入省。北米局長、内閣外政審議室長、駐オランダ大使、駐ドイツ大使などを歴任。1997年、同省参与。1998年4月から2004年3月にかけ、早稲田大学政治経済学部教授。1998年8月から2008年12月にかけ、日本国政府代表。2002年6月、中東和平問題担当特使。同年12月、中東調査会理事長就任。(ウィキペディア)>
彼もまた、formative yearsにアメリカに親しんだ人物。ケネディ時代を知る外交官と言えるだろう。昨日、私は経団連で開催された、米日カウンシルという日系アメリカ人のダニエル・イノウエ上院議員の影響力が強いシンクタンクの講演会を聴講したが、この時に朝日新聞の記者で現在は日米交流関係の仕事をしている野村彰男氏の話を聞いた。やはり彼もケネディ時代の留学組だ。有馬龍夫は少し早いがリベラルなアメリカに親しんだ世代だろう。
ところが、その息子の有馬裕は1991年入省である。外務省時代にアメリカの大学に留学させられているので、これは言うまでもなく日米同盟を再優先するようにプログラミング洗脳されている人物だろう。私も日米同盟は重要と思うが全てに優先するとまでは思わない。
こういう親子二代の親米派が日米同盟の当局者として育成されていくのである。これが日米友好の実態であり癒着とも言える状況だ。
その有馬裕の「名言集」をルース大使のメモから紹介してみよう。驚愕の連続である。
有馬:(岡田外務大臣の密約解明プロジェクトは、)時間の無駄である。アメリカ政府が行っているように、一般大衆からの情報公開請求に政府が応じて、機密解除された文書をして語らしむるやりかたの方が論理的である。
有馬など3人:アメリカ政府は普天間問題で過剰に日本政府の態度を理解したように振舞うべきではない。さもないとアメリカ政府がすでに合意済みのロードマップについて妥協する用意があると誤解されてしまうよ。
有吉:アメリカ政府が何らかの形で不満を(民主党政権に)公的に表明すべきだ。
有馬など3人:上級官僚は政策決定過程から疎外されている、それゆえに、官僚たちは政府の立場や政府内での議論の説明が不正確であっても正すために米国政府と協力しあう事ができないでいる。
同:この問題を正すべく日本政府に(協力して)圧力を掛けることは効果的かもしれないが、同時にそれは米国に対する反発を起こすリスクもある。そしてそれは民主党政権の連立相手や民主党内の左派の反日米同盟勢力を利することになる。
深堀:民主党政権の政策は意味を成さないが、それが日米同盟反対という文脈で見れば違ってくる。これは憂慮すべき事態である。大多数の一般大衆は安全保障問題の重要性を理解出来ないし、普天間代替施設問題を前進させることの日本の安全保障にとっての重要性も理解出来ていない。
以上が3人の外務官僚(参事官)の発言である。
ルース大使は、コメントとして、「3人の外務官僚の発言は、その率直さと彼らの上司である政治指導者への憤りの度合いにおいて、驚くべきもの(striking)だ」とまとめているが、私も開いた口がふさがらない。
外務官僚にとって政治家は敵であり、味方はアメリカ大使館に存在するという証明のような貴重な公電である。彼の行動には民主党政権の政治家の至らなさを考慮しても同情に値するものはいっぺんも存在しない。
有馬裕、有吉孝史、深堀亮は、本来なら国会の証人喚問に呼ばれて然るべき存在だ。
彼らが明らかにアメリカの当局者の民主党政権への印象をネガティブなものに誘導しており、それは単なる「愚痴」で済まされる問題ではない。このような外務官僚がたくさん居るのだろう。
民主党政権の政治主導はそのような東大卒でハーヴァードに留学した律令官僚(※東大卒でないと留学組でも外務省の高官にはなれない)たちから権力を奪い取るためのものであったはずだ。この点では岡田克也外相は正しいことをしていた。
この3人を国会に呼びつけ、普天間交渉の失敗を検証する特別委員会を開くべきだ。
そして、現在アメリカの議会の大物三人、マケイン、レヴィン、ウェッブらが提案している普天間飛行場の嘉手納統合案をたたき台にした新しい移設交渉にすぐにでも乗り出すべきだ。
有馬裕はとりあえず国賊ナンバーワン(Public Enemy No.1)である。彼に国会の場できっちりと説明させなければならない。
=====
朝日新聞もこの公電について書いているが外務官僚の名前は登場しない。(以下の記事)
不信の官僚、「米は過度に妥協するな」〈米公電分析〉
2011年5月4日19時18分
民主党政権は、普天間問題などの日米安保をどう扱おうとしているのか――。不慣れな新政権の迷走を目の当たりにした外務・防衛官僚らは、従来の外交政策の踏襲を望む立場から、不信を感じた。複数の官僚たちが、その思いを直接、米政府の要人らに伝えた。
外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長(当時)は鳩山内閣発足直後の09年9月18日、訪日したキャンベル国務次官補に対し、政権首脳らは日米対等の関係を訴えるが「既に対等なのに何が念頭にあるのか分からない」「民主党は官僚を抑え、米国に挑戦する大胆な外交のイメージを打ち出す必要を感じたようだ」と分析。「愚か」と批判し「やがて彼らも学ぶだろう」とみていた。
薮中次官も同日、キャンベル氏に対し「国内には日本が対等に扱われていない、という感覚があり、民主党はそれを政治的に利用した」と解説している。
官僚らを特に懸念させたのは普天間問題だった。
同年10月12日、国務、国防総省双方の当局者を率いて訪日したキャンベル次官補らが、長島防衛政務官らも交えた普天間問題での協議に臨んだ。
その直後、長島氏のいない非公式な昼食の席で、高見沢将林・防衛政策局長が「米政府は、民主党政権に受け入れられるように再編パッケージに調整を加えていく過程で、あまり早期に柔軟さを見せるべきではない」と助言した、と公電は記している。
中堅幹部の間では、そうした物言いはもっとあからさまだった。
在日大使館の政務担当者が同年12月10日に、日本政府の国連代表部で政務担当を務める参事官ら3人の外務官僚と会った際の会話を記した同月16日付の公電がある。この記述によると、外務官僚らは「鳩山政権の普天間移設問題での対応と政治利用」への不満を述べ、「米政府は普天間移設問題では民主党政権に対して過度に妥協的であるべきではなく、合意済みのロードマップについて譲歩する意思があると誤解される危険を冒すべきでもない」と強調したという。
=転載終了=
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