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2011年5月31日 (火)
管直人内閣不信任案が可決され内閣総辞職へ
菅直人内閣に対する不信任案が衆議院に提出される。与党民主党の81名以上が賛成票を投じれば、不信任案は可決されると見られている。
日経新聞が行った世論調査では、菅首相退陣について、「できるだけ早く」あるいは「震災・原発対応が一段落したら」菅首相が退陣すべきとの回答が70%に達した。
日経新聞の世論調査だから、信ぴょう性は低いが、新聞としては、退陣論を抑制する方向に世論調査を操作しているはずだから、この数値は驚異的に高いと判断できる。
「震災・原発対応が一段落したら」というのは、いまのことである。震災および原発事故直後の対応が終わり、補正予算も成立した。これが、「一段落した局面」である。
ところが、菅内閣の下では、震災発生から2ヵ月半以上の時間が経過したにもかかわらず、必要な対応がほとんど取られていない。原発がメルトダウンの重大事態に立ち至ったことは、3月15日の段階では確実に把握されていたはずだが、その重大情報が2ヵ月も隠ぺいされ続けた。
被災された多くの同胞に支援の手を差し伸べるため、そして日本経済を大不況から復活させるため、総合経済対策の策定が焦眉の急であるが、菅直人氏は、これを秋以降に先送りしようとしている。
経済対策を策定せずに、消費税大増税の具体案を示し始めた。管政権は狂気の政権としか言いようがない。
原発事故を発生させた東京電力に対して、事故発生が「異常に巨大な天災地変」によるものでない限り、東電に無限責任を求めなければならないはずであるのに、菅内閣は法律の規定を無視して原子力事故損害賠償負担を国民に転嫁する提案を示している。
こうした菅直人氏の実績を踏まえて、大多数の国民が菅直人氏の退陣を求めているのだ。
このなかでの内閣不信任案の提出であるから、野党議員も与党議員も、主権者国民の意思を尊重して、政権刷新に向けて行動するべきである。
テレビ朝日「報道ステーション」は、「震災で国民が大混乱のなかにあるときに、政局に明け暮れることは許されない」、との菅内閣続投支持のプロパガンダを繰り返す。
「菅首相を退陣させて、代わり得るリーダーに誰がいるのか」の常套句も忘れない。
「急流で馬を乗り換えるな」
は、
馬が急流をしっかりわたっているときの格言だ。
馬が背中の国民を水の中に投げ出そうとしているなら、一刻も早く馬を代えなければ、国民が助かる見込みはなくなる。
マスゴミが菅直人首相続投を懸命に誘導しているのは、菅直人氏が米国の指令に隷従するイエスマンだからだ。しかし、これは日本支配を続けようとする米国にとって望ましい選択であって、日本国民にとっては悪魔の選択なのだ。
政権交代をもたらした2009年8月の総選挙からの1年半をしっかりと振り返る必要がある。
2009年8月の総選挙で、日本国民は変革の選択を示した。米国を筆頭とする利権複合体=悪徳ペンタゴンは、米国に隷従しない政権の樹立を阻止しようと、あらゆる悪の限りを尽くした。その結果、内閣総理大臣に就任していたはずの小沢一郎氏が民主党代表を退くことになった。
しかし、小沢氏は後継代表に鳩山由紀夫氏を据えることに成功し、自主独立路線が堅持された。
米国の支配、官僚の支配、大資本の支配から、日本を解放することが鳩山新政権の課題だった。
ところが、米国を筆頭とする悪徳ペンタゴンは、検察権力とマスゴミを総動員して鳩山新政権を攻撃し、さらに沖縄普天間基地移設問題で鳩山首相を追い詰めた。
鳩山前首相は決死の覚悟で、初志を貫徹すべきだったが、絹のハンカチの弱さが出てしまい、首相退陣の道を選択してしまった。
この機に乗じて政権を強奪したのが民主党内の対米隷属主義者連合=悪徳8人衆だった。菅−仙谷−岡田−野田−前原−枝野−玄葉−渡部の面々である。
昨年6月8日に菅政権が発足した。これ以後の1年は、「政治私物化」の1年であったと言って過言でない。
まず、菅内閣は民主党執行部から小沢−鳩山ラインを完全に放逐した。
米国の支配、官僚の支配、大資本の支配から日本を解放するという、新政権の基本方針が根底から排除された。
普天間問題では米国の言いなりになり、さらに、突如としてTPPなる米国の要請を全面的に受け入れる方針まで示された。
菅内閣は官僚の天下りを全面敵に容認する方針を示し、財務省悲願の消費税大増税に突き進む狂気の行動を示し始めた。
2009年8月総選挙で鳩山由紀夫前首相は、官僚の天下り利権などの無駄を排除し尽くさぬ間は消費税増税を封印することを主権者国民に約束した。菅直人氏はこの約束を根底から覆す行動を取っているのだ。
しかし、菅直人氏の増税路線は国民によって完全否定された。昨年7月11日の参院選で、菅直人氏の増税政策は全否定されたのだ。菅直人氏はこの参院選を菅内閣に対する信任投票であると明言した。その参院選に惨敗したのだから、菅氏はこの段階で首相を辞任しなければならなかった。
ところが、菅氏は首相の座にしがみついた。9月14日の民主代表選では小沢一郎氏が当選する状況だったが、不正選挙によって菅氏が当選したと見られている。
菅−岡田民主党は国政選挙、地方選挙で敗北を重ねてきた。本来の民主党支持者が菅直人氏の政権運営を見て、民主党支持を凍結し、他党に投票しているからだ。
その後に震災が発生した。しかし、菅内閣はなすべき仕事をまったく行わず、自分の保身だけに走っている。岡田克也氏も、もともと能力の極めて低い自己中心主義者だが、民主党執行部の非を認めず、権力を振り回すだけの、単なる害悪でしかなくなっている。
民主党内の小沢一郎氏支持者、鳩山由紀夫氏に近い議員集団は、菅内閣の現状を踏まえ、正々堂々と内閣不信任案に賛成票を投じることになると思われる。内閣不信任案は賛成多数で可決されることになるだろう。
菅直人氏は辞任するしか道はない。現状で、解散総選挙を選択することは、国賊行為であり、この選択を菅氏が示すなら、菅氏は心神喪失状態に陥ったと判定せざるを得なくなるだろう。
現状は速やかに総合経済対策を策定するべき局面であり、解散総選挙の選択肢は正常な判断のなかには存在しない。
主権者国民の意思に背き、不当に権力を強奪し、非民主的な政党運営を行ってきた民主党現執行部、悪徳8人衆は、内閣不信任案が可決されたなら、速やかに民主党を離れるべきである。「除名」などの威勢の良い言葉が聞かれるが、本来、除名処分を受けるべきは、菅−岡田−枝野ラインであることを忘れるべきでない。
正統性と正当性を鑑みれば、小沢一郎政権を発足させるのがベストである。しかし、まずは、菅内閣を倒すことが先決だ。道は必ずおのずから拓けてくる。
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