自民党が近日中に内閣不信任案を提出するようだ。２９日日曜のＮＨＫ政治討論で、自民党逢沢国対委員長は、「菅内閣が成立して１年になるが、消費税問題で参院選挙では敗北し、中国漁船の衝突事件では那覇地検に責任を押しつけた。外国人献金問題もある。震災や原発事故や被災地対応が拙く、菅内閣に『この日本を託せない』という国民の声は多い」と内閣不信任案の提出理由を述べた。その通りだと思う。

これに対し民主党の安住国対委員長は、不信任決議案について「粛々と、憲政の常道に従って否決する自信がある。反省するところも多々あると思うが、それと野党が出す不信任決議案に同調するのは次元が違い、そういうことをする議員はいないと信じている。否決されれば信任されたということなので、重要な法案の成立に向けて協力してほしい」と述べた。そう言わざるを得ないだろうが、無理がある。

憲政の常道から言えば、内閣不信任案の否決は、内閣が信任されたことを意味する。従って、多くの民主党議員は、菅直人氏が首相として相応しくないと考えているが、だからと言って野党が提出する不信任案に賛成することに賛成できないと迷っているだろう。だが、与党の議員であるからこそ、国民に対して責任のある行動をとれと言いたい。菅首相を辞めさせることは、与党議員にしか出来ないし、責任でもある。

不信任案に同調する党内の動きに対し、岡田幹事長は鳩山前首相や輿石参院議員会長に協力を求め、その動きを封じようとしている。それはいい。だが、不信任案に同調するならば、「党籍剥奪だ」との恫喝的な発言をしたそうだ。また、枝野官房長官は「不信任案が可決されれば、首相は閣僚を全員罷免してでも解散する」と述べ、牽制した。それだけ首相周辺の者たちには自信が無いのだ。それこそが問題なのだ。

当の菅首相はサミットから帰国後、小沢元代表や鳩山前首相と会談したい意向を表明した。不信任案には「党は一致した行動を取ると信じている」と強調した。だが、菅首相には前科がある。震災直後に小沢氏と鳩山氏の意見を聞くとして、二人を呼んだのだが、何一つ活かされていない。単なるパフォーマンスであった。同じ手管（てくだ）に二度も三度も騙されるほど、二人ともお人よしではないと思う。

菅首相が真に挙党体制に取り組むのなら、「４００人内閣」などと口先で言うのではなく、小沢氏の党員資格停止処分を直ちに撤回し、震災復興担当大臣に小沢氏を起用することだ。閣僚の３名増員が難しければ与謝野大臣を更迭すればいい。今回の原発事故は「神様の仕業」で「原子力事業者が事故の発生原因まで責任を負うのは有り得ない論議だ」との発言は、大臣罷免に相当する許せない暴言なのだから。

おそらく菅首相は挙党一致を実行しない。自ら身を引くこともしない。そこで菅内閣不信任案に対し、どう行動すべきか悩んでいる民主党議員に訊きたい。あなた方は何のために国会議員になり、そして、国民から何を負託され政権に就いたのだ。「国民の生活が第一」を実践し、「政治家が責任を取る」ために選ばれたのだろう。菅首相はこの理念に応えているか。それに自問自答し、自らに恥じない行動をとることだ。

民主党議員である前に、主権者である国民の代表として行動をして欲しい。野党提出の不信任案に賛成することが、政党政治に反すると思うのなら、両院議員総会を開催し、菅代表を罷免することだ。それでも首相を辞めないのなら、国会で内閣不信任案に賛成しても大義名分は立つ。また、解散総選挙は無いと思うが、あったとしても不信任案に賛成にしたならば当選は間違いない。「よくやった」と国民は投票する。

今、解散総選挙を煽っているのは自民党とその支持者たちだ。だが、「失われた２０年」はもちろん「原発事故」も、その根源の原因は自民党政治にある。従って、多くの国民は今の民主党菅政権に失望してはいるが、自民党政権の復活を望んでいるのではない。解散により議員の身分を失うことを恐れるな。菅首相には解散はできない。民主党はここで首相を代えて、これから２年間、国民の信頼を取り戻すことだ。

なお、今解散総選挙を言うこと自体、この内閣の無責任さを示している。今は非常時だと自ら言いながら、解散総選挙を云う矛盾をどう説明するのだ。しかも統一選挙の実施を延期した地域もあるのだ。総選挙が出来る状態ではない。そして、最高裁は先の総選挙は違憲だと判断したのだ。今後は違憲状態で総選挙を実施すると、選挙そのものが「無効」になる。今の状態では、解散総選挙は許されないと云うことだ。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=109569
　

コメント
01. 2011年5月30日 22:48:31: 05nGzaMakY 管国民殺し政権を不信任にすることが、管一味以外の全議員の大義であり、 国民は管政権を退陣させることを圧倒的大多数で望んでいる。 管は政治家として、人間として最低最悪の人物であり、一味達も同じような輩だ。 次の内閣では、腐敗管一味を徹底して排除するべきである。
02. 2011年5月30日 23:16:46: xaqnLDXyCl ＞あったとしても不信任案に賛成にしたならば当選は間違いない。 ＞「よくやった」と国民は投票する。 何の根拠もない妄想だ。 世論調査など統計的なデータは、自民党の圧勝を示している。 実際に地方選挙、参院選もすべて自民党が圧勝している。 自民党信者が必死に解散を煽っているようだが、 私は小沢支持者なので、解散に反対だ。 自民党は、 ・民主党マニフェストを全否定している。 ・小沢氏に証人喚問や議員辞職を要求している。 ・「政官業学報」癒着で原発を地震列島に乱立してきた。 ・「失われた２０年」と呼称されているように誤った経済政策を続け、貧困層や自殺者を増大させたてきた。 自民党政権などごめんだ。 自民党政権ができれば、菅氏の政治生命も終わりだが、 小沢氏の政治生命もオシマイ。 ■一方、「一新会」メンバーらが行動に慎重なのは、首相が衆院解散で対抗してくることへの警戒感や、 特例公債法案などの２０１１年度予算関連法案を成立させる手だてがない以上、 今国会会期末の６月ごろには政権運営が完全に行き詰まるという見立てもある。 　党員資格停止の処分で小沢氏の影響力は低下しているが、 グループは党内最大の１３０人規模とされ、その動向が政局のカギを握っているのは間違いない。 一新会幹部は「菅さんには辞めてほしいが、解散はさせない。これがみんなの思いだ」と指摘する。 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011022700189 ＞一新会幹部は「菅さんには辞めてほしいが、解散はさせない。これがみんなの思いだ」と指摘する。 よって、菅に解散されれば、負けだ。 反小沢の谷垣自民党政権が誕生し、小沢氏は証人喚問・議員辞職させられ、 小沢氏は政治的に抹殺される。 小沢派は、菅に解散させずに、辞めさせる方法に知恵を絞るべきだ。

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