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菅の“逆ギレ”怖くない…「自民ボロ勝ち」300超議席!
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110530/plt1105301621003-n1.htm
2011.05.30 夕刊フジ
★鈴木哲夫の核心リポート
菅直人政権打倒に向け、「反菅」勢力がついに動く。谷垣禎一総裁率いる自民党は6月1日の党首討論後、民主党内の同調者を見極めながら、来月早々にも内閣不信任案を提出する構えだ。これに対し、菅首相周辺は「解散総選挙」をチラつかせて牽制するが、自民党のハラは固まった。極秘世論調査で自民の300議席超えもあるとの結果が出たからだ。20年以上、永田町をウオッチしている政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が核心に迫った。
「解散総選挙になれば200議席は軽く超える。第1党奪還は間違いない。菅首相が『やけっぱち解散』をしても、どうぞやってください、ということだ」
自民党選対幹部はこう断言する。
単なる強がりではない。この数字には根拠がある。4月の統一地方選直前、自民党が極秘に実施した小選挙区の世論調査の結果だ。「いま、選挙をやっても勝てる」。内閣不信任案で菅政権を追い詰め、仮に解散となっても構わないという自信が党内にみなぎっているのだ。
衝撃の調査内容については後述するが、内閣不信任案の提出は大詰めを迎えつつある。東日本大震災後、野党陣営は「政局優先」とみられることを警戒していたが、菅政権の危機管理能力欠如やガバナンスの効かない政権運営は国民周知となり、退陣に追い込もうとする野党の動きも急になってきた。
「不信任案提出の第1のタイミングは19日だった」
自民党の閣僚経験者はこう話す。
「執行部から『海外出張など予定があるならば見合わせてほしい』とひそかに通達があった。いわゆる禁足令だ。菅首相が仏ドービル・サミットに出発する前に出すというものだった。自民党と公明党、みんなの党のすり合わせはできていた」
しかし、民主党内の賛同者、つまり造反者がどれぐらいいるのかを読み切れずに断念。次のヤマは、6月1日の党首討論である。
「党首討論で、谷垣総裁が菅首相をとことん追いつめる。そして、菅首相の答弁を聞き置いて、『これではらちが明かない。われわれは(不信任提出の)重大決意をする』と高らかにうたって、その直後、早い時期に提出する可能性が高い」(自民党執行部)
民主党内の造反者については、「80人」(鳩山由紀夫前首相)とも、「100人」(松野頼久元官房副長官)ともいわれるが、通れば菅首相は「その性格から解散に打って出るはず」(首相側近)との見方が強い。
その一方で菅首相は、秋以降の「話し合い解散」を模索する案も温めているという。いずれにしても、近く総選挙となる可能性は高いのだ。
ここで注目されるのが、前述した自民党の極秘世論調査だ。調査は3月下旬から4月上旬にかけて、全国の小選挙区のうち、現在自民党が議席を落としている88カ所を中心に細かく行われた。当然、菅政権の震災・原発事故対応も十分反映されている。
「結果はボロ勝ち。2005年の郵政総選挙並みの圧勝という結果が出た。比例も推計すると、300議席に近づくというとんでもない数字になって驚いた。そこから、さらに厳しく見直したんだが、それでも余裕で200議席は超えた。単独過半数(241議席)は分からないが、第1党は間違いない。最初は尻をたたこうと思ってやった世論調査だったが、ここまで勝っているとは思わなかった」(同選対幹部)
■衝撃データに民主戦々恐々
手元に具体的なデータがある。たとえば前回、自民党が大敗した東京の25の小選挙区。調査の結果、現在落選中の3区・石原宏高、14区・松島みどり、19区・松本洋平、20区・木原誠二、22区・伊藤達也、24区・萩生田光一の各氏は、オセロをひっくり返したようにすべて大勝。東京で負けているのは18区の菅首相の選挙区だけだ。
衝撃のデータについて、自民党の選対本部は、個々の議員に選挙区のみの数字を伝え、全体的な数字は明かしていない。「気がゆるむから」(同選対幹部)というが、公表されていないがゆえに、「自民が圧勝」「民主は100議席を切る」といった尾ひれがついて噂が広がり、逆にこれを耳にした民主党議員が慌てている。
「民主党中間派の1年生議員はこの極秘調査の話を聞いて戦々恐々としている。『菅降ろし』のいろいろな勉強会に参加する若手が増えているのは、こうした背景も影響している」(民主党中堅議員)
解散権は菅首相だけが握る「伝家の宝刀」だが、諸刃の剣となる可能性が高い。
■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、東京MXテレビ編集長などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など多数。
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