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****現在進行中の福島の原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと途方に暮れます。失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなくなると思います。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども、そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。
一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。本当に賠償するなら。ということです。(2011年5月23日参議院・行政監視委員会における小出裕章氏の発言より)****
震災の少し前、妻が買ってきた味噌がとても美味しかった。この味噌の生産地は福島県楢葉町で、Jビレッジで合宿をするサッカー日本代表の御用達でもあったらしい。震災後、この味噌を再び買いに行ったがすでに売り切れており、再入荷の予定はないようであった。日本という国は世界でもトップクラスの豊かな食文化を持つ国である(個人的には世界最高だと思う)。
四季折々に旬があり、お米を主食として豊富な海の幸、山の幸をそれぞれの地域の人たちが工夫をこらして調理する郷土料理がある。しかも非常にヘルシーでもある和食は、世界の国々からも注目されている。しかしながら――。この素晴らしい食文化も、このたびの原発事故で危機に瀕することになる。
福島第一原発から飛び出した放射能が田畑に、そして海に、どれほどの被害を与えるのか、いまのところ正確にはわからないが、きちんと調査をすれば驚くほどの広範囲に放射能汚染が広がっていることは間違いなく、福島のみならずその周辺の地域、太平洋沿いの海岸地域の食文化が深刻な打撃を受けるか、あるいは壊滅することが考えられる。
ただし、政府はそういう事態を簡単には認めないだろう。というのも日本を長らく支配してきた霞ヶ関独裁体制は、国民の健康など元々関心はほとんどなかった。これは、過去の公害や薬害、あるいは農産物の輸入基準などにおける対応を想起すればすぐにわかることだ。いま、福島県のアドバイザーをつとめる山下俊一という長崎大学の教授が一部で批判されているが、この手の輩は過去にも多数、存在していたのであって、その延長線上にある人物が今回も当然のごとく現れたにすぎない。
そうしたなかで、ここのところの東電の動向を見ていると、いよいよもって賠償金の支払いを最小限に抑える、菅直人的表現を使えば「最小賠償企業」を志向することを鮮明にしている。決定した役員人事では会長の勝俣が残留し、社長の清水が退くことになった。つまりこの会社の最大権力者は勝俣であり、その勝俣からすれば東京電力という組織を守るためのもっとも重要な局面で、高血圧とめまいを理由に入院するようなひ弱な社長は論外ということになる。
新社長に就任する西澤という人物は勝俣の子飼いだそうだが、(顔で判断するのは反則ではあるが)いかにもイエスマンという風情である。もちろん、清水だってイエスマンではあったろうが、勝俣からすれば不規則発言をしかねない危うさがあったのだろう。そして東電はこの勝俣を先頭に「最小賠償企業」を目指す。では、この目論み成功するのか?
今回に限っては成功しないのではないかと私は思う。なぜなら、小出裕章氏がおっしゃるように、今回の事故の賠償を真剣にしようとすれば途方もない金額に上ることは間違いないからだ。東京電力はこれまで、原子炉の安全性を高めるための投資を極力してこなかった。なぜならば、本当にこれをやろうとすれば莫大なコストアップになるからだ。それよりむしろ安全マージンを削ることでコストダウンすら図ってきたのである。
で、その代わりにやったのがーー。マスメディアにカネをぶち込んで「原子力発電は安全です」と大々的に宣伝することだった。ここ最近、やっと東京電力の広告宣伝予算の多さが異常であることが指摘されるようになったが、しかしこれとて実際に原子炉の安全を高めることに比べれば、はるかに安い投資だったのである。
そうして、このカネの力で東電はメディアをコントロールしてきた。だが、このたびの事故において国民が受けた絶対損害額は、原発の安全デマを広めるためのに投入してきたこの広告宣伝予算のトータルとすら比較にならない。しかも、これまで政府や東電側に荷担をしてきたメディアの人間にとっても放射能は等しく降りかかってくる。当初こそ政府の情報統制もそれなりに機能したかもしれないが、とてつもない災害が現在も進行中であること、しかもそれに伴う信じられないほどの健康被害が今後起こること、それが人災であることを一般の人たちも徐々に知り始めている。
もちろん、まだ世の中を大きく変わるまでの数には至っていないが、日本が世界に誇る堅牢な情報統制の壁はいたるところで崩れ始めている。政権交代をしてもなお崩れなかったこの壁だが、人類史上最大規模の災害によってついに崩れると私は思っている。そしてその時、東京電力の目論みは消滅するはずだ。
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2011/05/post-d6f6.html
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