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25日の朝刊各紙には、布川事件再審無罪判決が大きく報道された。菅家さんの足利事件もそうであったが、冤罪事件の責任の半分は裁判所・判事にある。それは、これまでの刑事裁判で裁判官たちは、証拠よりは自白を優先し、公判での証言よりは検察調書優先をしたことである。さて、同じ24日に開かれた陸山会事件公判では、裁判官は、公判の証人の証言をどう判断するのだろうか。
弁護側証人として出廷した水谷建設の元会長と元運転手が証人として出廷し、証言した。マスコミは例によって、小沢氏に不利になる印象の報道をしている。朝刊各紙の見出しは、「裏金手配した」「裏献金了解」などとなっている。だが、元会長の証言の内容を知ると、裏金1億円が陸山会に渡されたとは到底信じられない。断片的なマスコミ報道を、筆者なりに纏めたら次のようなことが分った。
先ず、受け渡しについても、いくつかのルールがあったと云うことだ。その第一が、裏金を渡す際には、単独ではなく【見届け人】をつけて、現金授受を確認できる態勢をとっていたということだ。従って、5千万円を本社から東京支店に運んだ元専務を【見届け人】として立ち会わせるつもりだったのに、元社長が単独で渡した点を指摘し、授受には「不明朗な点がある」と証言している。
しかも、受け取りに代理人がきた場合は、本人に電話で確認し、さらに代理人にも預かり証を書いてもらうことになっている。それだけに、単独で受け渡し現場へ行き、大久保元秘書の代理としてきた石川議員(当時秘書)に裏金を渡したという元社長の証言には、「非常に理解しがたい点がある」と証言した。裏献金をして、後で「受け取っていない」と言われたら元も子もないから、これは納得のできる証言である。
次に「裏金の管理は表のカネ以上に厳格に管理しており、裏金を管理していた元常務が『帳簿を付けていなかった』と証言したことについては考えにくい」と証言した。これも納得のいく話である。裏金の出入りを帳簿に付けなければ、裏金がどれだけあるのかが分らない。ましてや誰かが「ネコババ」しても全く分からないことになる。(注:1億円は「ネコババ」された疑いが強いと云うことだ)
また、元運転手は元社長が裏金を渡したとする04年の手帳には、ホテルに送迎したとの記載はなく、記憶もないと証言。「送迎したのを覚えている」とした供述調書について、「そういうことは言っていない」と検察に訂正を求めたと証言した。なお、元運転手の手帳には「12時10分東京駅迎え 社長」とあったと報道されている。
この証言を裁判官はどう云う思いで聞いたのだろう。
なお、筆者が注目するのは、胆沢ダム(岩手県奥州市)の下請け工事の受注を了解してもらうため、川村元社長に対し、陸山会の元公設第1秘書大久保氏に働き掛けるよう指示したという点だ。ただ、単に「了解してもらうため」に1億円も献金するのだから、受注のために幾ら献金したのだろうと勘ぐるのだ。もちろん、その献金先は野党議員の小沢一郎氏はない。時の与党・自民党大物議員に決まっている。閑話休題。
検察側証人として証言台に立った元社長や元常務は、検察官に言われて裏金献金のことを思い出したと云う趣旨の証言をした。これに対して、今回、元運転手は「そういうことは言っていない」と検察に検察調書の訂正を求めたと証言した。この二つの証言が意味していることは、検察がストーリーを書き、そのストーリー通りに検察が証言をでっち上げたことを示していることになる。
処で、冒頭に書いた布川事件について、例えば、毎日社説では「44年も前だが、現在の司法の現状にも通じる多くの教訓が汲み取れる」とか、「(無罪判決を)警察・検察は重く受け止めるべきだ」などと、マスコミは批判している。だが、そのような批判をするなら、現在進行形の陸山会事件について同様に検察を批判すべきだろう。それでこそはじめて冤罪が防げることになるのだ。
証拠より自白優先、つまり、検察調書優先主義が冤罪を生んだ。このことが今の司法不信を招いた原因である。そのことをマスコミが真に理解しているなら、元運転手が検察調書の訂正を求めたと証言したことを大きく取り上げたはずだ。それによりはじめて、検察の取調べを批判し、裁判所に冤罪発生の防止の注意を促したことになる。だが、マスコミの本質は【検察には迎合】なのだろう。この元運転手の証言を報道している新聞報道は非常に少ないようだ。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=109383
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