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炉心溶融を起こした福島第1原発1号機で3月12日夜、炉心冷却のため始めた海水注入が55分間中断した問題が、23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で取り上げられた。
中断は菅直人首相の指示によるもので、このことが事態の悪化を招いた、と報道されたことに対し、菅首相は、注水を始めたという報告を聞いておらず、指示することはありえない、と答えた。これに対し自民党の谷垣禎一総裁は、政府側の答弁の矛盾をつき首相の責任を追及した。
東電の記録では、海水注入を開始したのは12日午後7時4分だったが、その後同25分に注水を中断、55分後の午後8時20分に再開したことははっきりしている。問題は、注入がなぜ中断されたかだが、この日の質疑で議論は深まらなかった。
確かに、自民党にとってみれば、問題を追及することにより政府部内の足並みの乱れを誘発できるし、仮に「首相指示」を立証できればその指示責任と虚偽答弁を同時に問える、という格好の材料であろう。早速、この問題に関連し、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長の「再臨界」発言をめぐり政府自ら前言を訂正する、というゴタゴタが起きた後だけにである。
ただ、論戦を聞いて、二つの疑問を持った。まずは、海水注入中断問題の位置付けである。すでに1号機については地震発生翌日の3月12日朝の段階で燃料の大半が溶融したとの推測が一般的になっている。その日夜に海水注入が55分間中断したことが、事態の深刻化にとってどの程度本質的なものだったのか。
もう一つは、菅首相が日本を代表する形で、サミットの場で世界に対し今回の原発事故の原因、今後の対策をまさに発表しようとする矢先に、その信頼性をいたずらに失わせるような議論をすることが、日本の国益上いかがなものかという点だ。
もちろん、福島原発がここまでの状態に至った原因究明は極めて重要である。真の原因と正確な経過の究明については、日本のみならず世界のためにも、政府から独立した第三者的事故検証委員会を早急に発足させるべきである。海水注入問題については、ぜひ東電側の証言を求めてほしい。言いっぱなしではない事実確定をすべきだろう。
自民党が内閣不信任決議案を出すタイミングをはかりながら、菅政権の原発対応のまずさを突いていくのは、野党としてはやむをえない戦略であろう。しかし、かつて半世紀近く政権を担った大与党として、かつ倒閣後の与党に名乗りを上げる野党第1党としては、自分たちであればどうしたのか、今後どうするのか、という議論の方を深めてほしい。
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