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【疑惑の濁流】現ナマ紙袋をスライド…「陸山会」公判で“裏ガネ”証言続々 ついにキーマン出廷へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110522/trl11052212010000-n1.htm
2011.5.22 12:00 産経新聞
1億円はどこへ消えたのか。小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人の公判。出廷した中堅ゼネコン「水谷建設」元社長らからは、元秘書側へ裏金を提供したとする証言が次々と飛び出した。“水谷マネー”は検察側立証の屋台骨だけに、弁護側は24日に開かれる次回公判に出廷する元会長から、これを突き崩す証言を引き出したい考えだ。共謀を問われた小沢元代表の公判の“前哨戦”とも言える元秘書の公判。法廷での証言から「1億円の行方」を追った。(滝口亜希)
■叱責、接待…そして“お願い”
「同業者よりも遅い」。
東京・永田町の衆院議員会館にある小沢元代表の事務所。水谷建設の川村尚元社長(53)は社長就任直後の平成15年11月、元公設第1秘書の大久保隆規被告(49)を訪ねた。知人の土木工事会社社長の仲介で実現した面会だったが、大久保被告は会うなり、あいさつの遅さを叱責したという。
当時、水谷建設にとって喫緊の課題だったのは、胆沢ダム(岩手県奥州市)の下請け工事受注。100億円近い売り上げが見込まれ、1年に1本とれるかどうかの大仕事だった。
「岩手県でのダム建設工事では小沢事務所の力が強く、下請け業者は反対されると参入できないと聞いていた」。川村元社長は法廷で、大久保被告に接触を図った理由をこう述べ、さらに続けた。「なんとか会社を認知してもらい、親しくなりたいと思った」。
川村元社長は、年末には現金100万円と松阪牛を持参して大久保被告宅を訪問。東京・向島の料亭でも4〜5回接待するなど、小沢元代表の事務所への“営業活動”を繰り返した。
16年9月、衆院議員会館内の事務所で、川村元社長は大久保被告から次のように切り出された。
「ダム本体工事の受注業者が決まった後に5千万円、関連工事の受注業者が決まった後に5千万円を納めていただきたい」
■「詰めた」「運んだ」「渡した」 元幹部ら証言
「胆沢ダムの関係で小沢事務所に5千万円を持っていかないといけない。出張から帰ったらすぐ必要になるから、用意しておいてほしい」
水谷建設の経理担当だった元常務は、16年10月ごろ、中国出張を控えた川村元社長から資金調達の指示を受けた。元常務は「オモテの金」だけでなく、中古重機の売買などで捻出した、年間5億円ほどにもなる裏金の“金庫番”でもあった。
元常務は裏金で1千万円の札束を5つ作り、宅配便の袋で梱包(こんぽう)。これをさらに紙袋に入れて用意した。
一方、元専務も同月10日か11日ごろ、水谷功元会長(66)から電話を受け、川村元社長が帰国する13日に「本社から東京支店に、小沢事務所に渡す現金5千万円を運んでほしい」と指示された。
同日朝、元専務は本社で元常務から紙袋を受け取った際、「またお金がたくさんかかって大変やな」と会話したという。
元専務は、紙袋を携えて新幹線で上京。東京支店の従業員に「社長の大切な荷物なので、預かってください」と伝えて自ら金庫に収めた後、運び終えたことを水谷元会長らに電話で報告した。
法廷で元専務は、「表に出せない金だと思った」とも振り返った。
同月15日、東京・赤坂のホテルロビーには、紙袋を持った川村元社長の姿があった。間もなく到着した石川被告とソファではす向かいに座り、あいさつを終えた川村元社長は、目立たぬように紙袋をスライドさせた。
数分間の世間話の後、紙袋を持った石川被告はホテルを後にしたという。
■ヨーグルトドリンク飲んで「お納め下さい」
元常務は17年にも、川村元社長からの依頼で「小沢事務所に持っていく」という現金5千万円を用意している。この時は本社で川村元社長に直接手渡したという。
4月19日朝、東京・赤坂の同じホテルに姿を現した川村元社長には、同行者がいた。かつて大久保被告との面会を仲介した土木工事会社社長だ。社長は、川村元社長から「大久保さんと会うことになったので来てほしい」と頼まれ、同席していた。
今回も川村元社長の手には紙袋が握られていた。
「これを渡すので、目立たんとこがいいな」
川村元社長の言葉に従い、2人で大久保被告への手土産の焼き菓子を選んだ後は、ホテル2階のコーヒーショップで階段の陰になる席を選んで待った。
その後、到着した大久保被告は「何か体にいいものを飲みましょう」と提案。3人で注文したヨーグルトドリンクを飲み終えたころ、川村元社長は向かいに座る大久保被告に、「どうぞお納め下さい」と机の下から紙袋を渡した。「ありがとうございます」。大久保被告はこう応じたという。
「税金みたいなもんや」。大久保被告を見送った川村元社長から、土木工事会社社長が聞かされた言葉だ。川村元社長は法廷でも「工事の粗利を10億円ぐらいと見込んでいたので、1億円払っても採算が取れると思った」と明かした。
■裏金巡り真っ向対立
法廷で生々しく再現された裏金授受の“現場”。水谷建設の元幹部らも、川村元社長が明言した裏金提供を補強する証言を続けた。
石川被告らの起訴内容は、陸山会が16年10月に約3億5千万円で購入した土地について、原資となった小沢元代表からの借入金4億円を16年分の政治資金収支報告書に記載しなかった−などというものだ。
検察側は冒頭陳述で、不記載の「動機」について、「そのまま記載すれば、4億円の原資が胆沢ダム工事受注謝礼の違法な資金と追及される恐れがあった」と言及。前提に据えた水谷建設からの裏金提供の立証が、公判のカギとなる。
これに対して、元秘書側は捜査段階から一貫して現金授受を否定。弁護側は「具体的な証拠はなく、検察側の主張は空中楼閣だ」と強く反発しており、証人尋問でも証言のあいまいさなどを徹底追及した。
供述の変遷を突かれたのは川村元社長だ。21年7月に作成された供述調書では、1回目に裏金を渡した相手について、「確か石川秘書」となっていたものの、22年2月の調書には「間違いなく石川秘書」と記載。弁護側は「検事の誘導があったのではないか」と追及した。
また、「裏金は自分で不正流用したのではないか」と、1億円の使途自体にも疑問をぶつけた。川村元社長はいずれについても否定したが、裏金提供時の位置関係を図面に書いて説明する川村元社長に向かって、石川被告が「座ってないから書きようがないわな」と発言する一幕もあった。
弁護側の反論は続いた。「1回目の5千万円は東京支店の金庫に入れた」とする元専務の証言については、「当初は川村元社長に渡したと供述していた」と指摘。裏金から計1億円を用意したという元常務にも「支出を裏付ける帳簿が残っていない」と迫った。
■“フィクサー”は何を語るか
裏金を巡り、主張が真っ向から対立する検察、弁護側にとって“キーマン”となるのが、水谷建設の実質的支配者とされた水谷元会長だ。
24日の第13回公判に出廷する予定の水谷元会長は、18年に東京地検特捜部に法人税法違反(脱税)容疑で逮捕され、その後、実刑が確定。服役していた三重刑務所から昨年3月、仮釈放された。影響力の大きさから「建設業界のフィクサー」との異名を持つ。
水谷元会長は、捜査に「計1億円を提供した」という趣旨の供述をした後、一転して「渡したか分からない」と周囲に漏らしているとされる。弁護側が水谷元会長から有利な証言を引き出せれば、検察側立証を崩す突破口となる可能性もある。
早ければ今秋にも始まるとみられる小沢元代表の公判もにらんだ、激しい攻防が予想される。
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