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東日本大震災から2ヶ月以上が経過して街角では落ち着きを戻していますが、日常でも原発事故と特にテレビに代表されるマスメディアの報道のあり方について、日常的な話題として取り上げられる機会が増えました。
「震災とメディア」に関しては色々な角度で触れられていますが、業界の歴史や商慣行などを調べますと、社会的な批判が強まるにつれて「電力」と「電波」(特に民放テレビ局)の世界が似ていることに気づきましたので、その類似点と相違点を触れていきたいと思います。
■類似点(電力業界;テレビ業界の順)
[戦 略]
〆国策遂行を担う。
電力は安定供給によって産業生活の基盤を担い、テレビは公共の電波を用いて世論を形成する。
〆戦後や昭和の名残が強い。
戦後の電力不足のなかで占領行政に支障が出るため、電源開発と外資導入のため国営から9電力体制に民営化し、テレビも国産の7メガ方式からアメリカのNTSC方式を導入し、アメリカ文化を日本に定着するなど、戦後やGHQの背景が未だ根強い。
〆技術革新/経営形態の変化のなかで、共に90年代から停滞している。
ともに80年代〜90年代にかけ、電力自由化や放送と通信の融合などが模索されたものの、90年代停滞している。
〆強固な参入障壁により経営が安定化し、待遇もよく独占利潤が得られる。
世界的に高額な電気料金や、電波インフラを独占しているため、安定した経営。
〆強力な地域密着性。
電力会社の地域独占と、制作料金の半分を占める地方局の電波料など地域密着性が強い。
[組織と人事]
〆著しい多層下請けの業界。
福島原発では6次下請けが存在し、テレビ制作も何重の下請け構造で疲弊した現場。
〆独特な商慣行。
電力会社とプラントメーカは、設備運用や改善など役割分担が曖昧な状況。メディアは基本的に見積や契約なしで動く世界で、震災時のCM出稿差し換えもアバウトに実施。
〆国会担当や監督官庁などロビー活動が重要。
ともにロビイストが経営の中枢を担う場合が多く、政治家や役所の折衝の巧みなタイプが昇進ししやすい傾向(電力=総務企画部門/テレビ=政治部記者)
ロビイストの力量で見れば、東電の賠償スキームや地デジ移行のように、他の公益企業などと比較しても、両業界は双璧の存在。
〆競争が制約されるため、組合活動が活発。
市場独占の影響でともに組合活動が活発で、労使ともにロビー活動を行い絶大な影響力。
〆労働の流動性がない。
最後の日本的経営の拠りどころのため、安定しているものの潰しの利かない業務。
〆ともに業界の話をすると嫌われる。
会社の縛りが強い、流動性がないないことから言動に慎重になり、かねてより知己の両業界関係者に世間話ベースで上記の内容を「困ったものですな」とすると、間柄が疎遠になりやすい。
■相違点
〆電力会社の現場は概ね真面目で官僚的な堅い社風、テレビは取材時や放送内容などトラブルがおきやすい社風が大きな違い。
こうしたオピニオンサイトでは、しばしば電力では自由化・メディアでは記者クラブ問題が取り上げられています。ところがこうした批判は当たっていますが必ずしも本筋ではありません。電力自由化は卸売市場など形の上では行われていますが十分に機能していませんし、記者クラブ問題も例えば東電会見のようにオープン化されていても、終わりのぶら下がり取材でのねた取りなど新たなインナーサークルができてしまえば、同じことでもあります。逆に、電力会社の地域独占とテレビの電波利権がより敏感になっていますが、今後は電力ではスマートグリッドや再生可能エネルギーの可能性と省エネで、テレビでは電波の問題に加えて番組制作と配信の分離と、インターネットなどストリーミング放送の増加など、技術革新と利用者・視聴者による価値観の変化によって今までのあり方が揺らいでいることは確かでしょう。
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