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牧太郎の大きな声では言えないが…:家臣の壁、殿様の壁
http://mainichi.jp/select/opinion/maki/
毎日新聞 2011年5月17日 東京夕刊
江戸のことわざに「大名は家来が寄ってバカにする」というのがある。殿様の言うことに家臣は必ず「御意!」と応える。「仰せの通り」とおだてられ、世間知らずのバカ殿さまが誕生する。
漏れ聞くところによれば……剛腕・小沢一郎さんは5月初め“家臣”を集め、久々の夕食会。家臣の一人が「千葉の魚も風評被害が深刻です」と報告すると、小沢さん「俺が釣りに行ったら宣伝になるかなあ?」。
そこで家臣一同?声を合わせて「なりま〜すよ!」。
ゴールデンウイークのさなか、小沢さんは4時間ほど釣りを楽しんだ。
小沢さんをバカ殿さまとは思わない。が、“取り巻き”はイエスマンばかり。かなしい「家臣の壁」を感じる。
もし、小沢さんの政治献金問題が表面化したとき「問題の土地は4億円のタンス預金で買ったんだ」と言い張る“殿様”に、一人でも「分かりました。国会で説明してください」と進言していれば……小沢さんは東日本大震災の国難に正面から立ち向かっていたはずだが……残念でならない。
その頃、小沢さんに「政権から降りろ!」と(事実上)言われた菅直人首相は反転攻勢。突然「中部電力浜岡原発の全面停止を要請する」と発表した。
家臣に囲まれた小沢さんと比べ(失礼ながら)家臣がいないも同然の菅さん。支持率が頼りだ。大部分の新聞・テレビが“殿の決断”を「御意!」と褒めたたえたから、支持率大幅アップ!と思ったが……「民」は冷静だった。
浜岡原発停止は政府の中で慎重に検討・分析された形跡がない?という疑問。「この地域は30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性は87%と極めて高い」という科学的根拠に違和感をあらわにする向きもある。
「数字」を出せば「民」は納得する!と思ったら間違いだろう。科学は多数決ではないし、科学的事実と科学的推論は別物である。「民」はそれを知っている。
もし、首相に冷静な家臣がいたら「巨大地震リスクの再評価は、国が一定の基準を示し、その上で、浜岡だけでなく全ての原発を対象にすべきではありませんか?」と苦言を呈するハズだが……もし、誰にも相談せずバクチを打ったとすれば、これは殿様の壁?
かなしいかな「家来が寄ってバカにする政権政党」を見るようで……これが「日本の壁」なのかもしれない。(専門編集委員)
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