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東京電力が5月17日に発表した福島第1原発をめぐる新たな「工程表」に対して、被災者の大半が、疑念を抱いている。それは、この「工程表」が、先に公表した工程表ともども、「性格」があいまいだからである。果たして、これは「単なる努力目標」であるのか、あるいは期限付きで必ず実現することを示した「必達目標」(コミットメント)なのかと言えば、どう見ても「単なる努力目標」にしか見えない。
であるならば、「やっています、やっています」と努力しているフリを示していれば、いくらでも誤魔化せる。結果的に実現できなければ、「一生懸命努力はしてきた」と言い逃れできる。東京電力にしろ、菅直人政権にしろ、「工程表」については、はっきり言って、国民を幻惑させるデタラメを示している。
最初の「工程表」は4月17日のヒラリー・クリントン米国務長官の来日を直前に控えて、ドタバタ状況のなかで、菅直人政権が慌てて作成したものであった。行き当たりばったりの感が強く、これこそ、幻影にすぎなかった。 それは、わずか1か月にして、改訂版が示されたことが、何よりの証拠である。
とくに、福島第1原発が、3月11日の大地震・大津波発生の直後から「メルトダウン」を起こしていたのを知りながら、発表すれば、国民がパニックになるからという理由で隠蔽してきたため、楽観的な「工程表」を作成して、とくに被災者を騙さざるを得なかった。
ところが、大事故発生から2か月もすぎて、「メルトダウン」を隠蔽し続けることが難しくなり、ようやく、これを認め、その前提に立って新たな「工程表」をつくらざるを得なくなってしまったのである。となると、東京電力と菅直人政権は、もう1つ、大事なことを隠蔽しているので、これから先、もう1度、新たな「工程表」を作成せざるを得なくなる。
それは、大事故でひどい状態に陥っている福島第1原発から発生するが、いつになったら止むのかということだ。第2のプロメティウスと言われる「不死の原発」であるのに、放射性物質や放射線の発生が止むことを前提にして作成する「工程表」は、まやかし以外の何者でもない。何時の日か故郷の我が家に帰郷できると信じている福島第1原発周辺から避難した被災者に幻想を振りまいて期待を持たせ続けるのは、明らかに罪だ。
専門家の間では、福島第1原発からの放射性物質や放射線の発生は、最低でも10年、長ければ20年〜30年はかかると見る声が聞かれる。仮に短期間で帰郷できても、土壌には、放射性物質が蓄積しているので、これを取り除くのにかなりの時間がかかる。東京電力と菅直人政権は、これらのことを百も承知しているにもかかわらず、新しい「工程表」には、盛り込まれていない。すなわち、「詐欺的な工程表」と言わざるを得ないのである。
このことがバレバレになったとき、またしても「想定外だった」と言い訳するのであろうか。菅直人首相は、24日からフランスに向かって飛び立つ。「G8」で「本当のことを言え」と詰められたら、何と言って誤魔化すつもりなのであろうか。国民、被災者は、国際舞台での菅直人首相の言動を厳しく監視する必要がある。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
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