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再び揺らぐ首相の足元 「決め方がメチャクチャだ」 仙谷氏イライラ首相批判
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110519/plc11051900530001-n1.htm
2011.5.19 00:51 産経新聞
国会運営や党運営で主導権を取り戻しつつあるようにみえる菅直人首相の足元が再び揺らぎ始めた。一時、関係は修復したと言われた仙谷由人官房副長官の「首相への不満」が漏れ伝わってきたためだ。2人だけで話してもかみ合わない会話。「首相のやることはメチャクチャだ」。仙谷氏のイライラは高まるばかりだ。(村上智博)
「あいつ(首相)は全然、変わっていない。分かってない」
6日夜、都内の中華料理店で首相と一対一で向き合った仙谷氏は、会談を終えると側近にこう嘆息した。
会合では、こんなやりとりがあったという。
仙谷氏「官僚も叱るだけじゃダメ。仕事もあまり抱え込まない方がいい」
首相「ちゃんとやるから大丈夫だ」
仙谷氏「おれも政権の一員である以上、菅ちゃんが政策を進めるというのなら支える。でも、そうでなければ…」
首相「分かってる」
仙谷氏は、首相が官僚を使いこなせず、東日本大震災での被災者支援、復旧・復興が遅れていることにいらだちを募らせていた。
そこで「そうでなければ…」とあえて倒閣をほのめかしてまで首相に「現実」を直視するよう迫った。だが首相は仙谷氏の助言を聞き入れるそぶりすらみせなかった。
この日は首相が突然、中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止を発表した日だ。仙谷氏は4月末から首相に運転停止を進言していた一人だが、内容はともかくも、準備や根回しなどの手続きを踏まないまま唐突に発表する感覚に、危うさを感じていたようだ。
仙谷氏は表向きは首相の決断を称賛した。だが周辺には本音を明かした。
「法律の根拠もなく急に止めるなんてね…。国内的には聞こえはいいが、海外からはまた日本に大地震が来ると受け止められ、観光客が来なくなる。首相は物事を決めるやり方がメチャクチャじゃないか」
菅内閣の官房長官だった仙谷氏は今年1月、参院での問責決議を受けて首相に更迭され、官邸を去った。その仙谷氏を被災者支援担当の官房副長官として再び官邸に呼び戻したのは首相だが、一方でその存在感を煙たがった。
首相肝煎りの「復興構想会議」の人選にはほとんど関与できず、復興対策ではかやの外。仙谷氏は活躍の場を政府の「被災者生活支援特別対策本部」に求め、陣頭指揮をとってきた。今月に入って「本部」は「チーム」に格下げにされた。仙谷氏は周辺に「不愉快だ」とぶちまけた。
「菅さんは内閣改造での政権浮揚を考えるべきではない。ひたすら、復旧・復興のスピードアップを図るべきだ」
13日夜のTBSの番組収録で仙谷氏は、民主党内外の「反菅勢力」懐柔のため、今国会閉会後に内閣改造をしようと前のめりになる首相にくぎを刺した。
仙谷氏の堪忍袋の緒はいつ切れるのだろうか−。
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