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【単刀直言】寺田学・元首相補佐官「不信任なら解散」「来年には震災区切りで首相交代を」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110518/stt11051821490005-n1.htm
2011.5.18 21:45 産経新聞
昨年6月の就任直後から、首相補佐官として菅直人首相を支えてきました。首相はよく「俺が辞めて、バラ色になるんだったら身を引く」と言っていましたよ。ただ、党内外で内閣不信任決議案可決を狙う動きがありますが、今はその時ではないでしょう。
首相自身は、正直言うと人の使い方は上手ではありません。人の感情を傷つけたり…。おそらく女性を口説くのもヘタでしょう。近くにいて、「すごい」と思うところと、反面教師になるところの両面がある。世間の菅直人像と違い非常に謙虚なので、首相は今、結構反省していますね。
しかし今、民主党内の造反で仮に不信任案が可決されても、数の足し合わせや急ごしらえでできあがった理念以外なく、安定的な何かはない。「菅直人はよくねぇ」という声が出ていることは否定はしませんよ。でも、今は「首相を引きずり降ろしたら、何か始まるさ」という悠長な時期ではないですね。
もし首相退陣を求めるなら、選挙で勝った人間がやらないと、国民に対しての示しがつかない。私は衆院を解散して総選挙すべきだと思う。西岡武夫参院議長の言葉を借りるなら、それが「常道」です。被災地の皆さんには怒られるでしょうが、国会の中で新政権の形を探る混乱になるよりも、しっかり選挙をやった方がいい。国政の判断は国民に委ねるべきです。
他方、首相は退くときはすぱっと退かないといけない。東京電力福島第1原子力発電所事故の発生当初、東電に対し、かなり強い思いで強権的なことをやっていましたから、責任も伴うでしょう。
東電本社に乗り込んでいった3月15日朝の緊迫感は忘れることができない。首相の到着から約40分後、突然2号機の圧力抑制室が爆発、現地の吉田昌郎所長が「撤退させてくれ」と怒鳴っている。首相は「注水の作業員だけは残してくれ」と言ったんですよ。
放射能の危険を考えると重い判断です。しかし、あのまま撤退していたらどうなっていたか。震災に関する首相の行動の7割は批判されるかもしれないが、3割のリーダーシップで最悪の事態を食い止めた。
首相自身も、震災の復旧・復興、原発を押さえ込むことには責任感を持っています。これを終えたときが、一つのタイミング。具体的には、来年度予算にメドが付いた頃でしょうか。
その後は、首相は思い切って若い世代に交代すべきです。平成15年に私が初当選したときは菅代表の下、党の中心に岡田克也、枝野幸男、野田佳彦各氏といった中堅が座っていた。そういう人たちを引き上げるという考え方はそのころからあったんでしょうね。
今、軽々と「国債を出せばいい」という声も聞くが、借金を返すのは私たち30代、40代の世代です。首相も「自分たちの世代の積み残しは処理した上で渡す」と言っています。もう、「超ベテラン」という方々が物事を動かしていく時代は終わらなければならないのです。(水内茂幸)
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