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2011年5月17日 (火)
原発事故発生主因は東電首脳判断能力欠如にあり

　『金利・為替・株価特報』１３２号＝２０１１年５月１３日号を発行した。
　
　タイトルは、
「国民の命と生活守らず東電不正救済菅政権」
である。
　
　目次は以下のとおり。
　
＜目次＞
１．【原発】やはりメルトダウンしていた東電福島原発
２．【政策】原発事故責任を問わない菅政権の東電救済策
３．【株価】日本経済の悪化と株価のゆくえ
４．【政策】日本経済崩壊を招く菅政権の経済無策
５．【政策】震災復興特会を創設し外貨準備資金を活用すべし
６．【為替】対ユーロ、対米ドルでの日本円上昇だが資源価格には下落
７．【米国】ＦＲＢは金利引き上げを急がず
８．【金利】欧州も利上げ継続実施棚上げで低金利持続
９．【投資】投資戦略
　
『金利・為替・株価特報』では、４月８日号＝１３０号に、大前研一氏の指摘が真実に最も近いとの見解を示し、福島原発がメルトダウンしている可能性が高いことを指摘した。
　
　実際、第１号炉の炉心が完全に溶融して圧力容器底部に落下、１６センチもある圧力容器の壁を溶かして、穴を開けたことが明らかになった。

　今後、事故調査委員会や国会の特別委員会で事故発生の経緯が詳細に検証されることになると思われるが、事故発生の核心について、同志社大学教授の山口栄一氏が日経ビジネスオンラインに、重要な指摘を示しているので、ぜひ参照されたい。
　
　山口氏は福島第一原発で外部電源を喪失し、非常用炉心冷却系が止まったあと、最後の砦である隔離時復水器（ＩＣ）が作動し、重要な危機回避の経営判断を下す時間が、８時間あったことを指摘している。
　
　また、２号機については６３時間、３号機については３２時間、この「最後の砦」が作動して、炉心冷却を辛うじて維持していたと推察する。
　
　つまり、東電の経営者が発生している事態を正確に認識していれば、この「最後の砦」が作動している時間帯、山口氏の表現を借りれば「執行猶予」の時間帯に、海水注入の判断を下し、爆発事故を回避することが可能であったのではないかとの推論を示している。
　
　この推論の妥当性は今後検証されることになるが、極めて正鵠を射た指摘であるように思われる。
　
　海水注入は「廃炉」を意味するため、高度の経営判断が求められる事項である。東電の経営者が「廃炉」の選択を躊躇したために事故が発生したのであれば、東電の極めて重大な責任が改めて問われることになる。
　
　しかし、山口氏が指摘するのは、より深刻な問題である。すなわち、東電の経営陣が、「制御可能」と「制御不能」の境界線、「物理限界」を正確に把握できておらず、「制御不能」の状況に入って２０時間も経過した時点で、初めて海水注入という対応を決定したことに、より重大な問題があったことを指摘する。
　
　山口氏は「技術」に問題があったのではなく、「技術経営」に問題があったのだと指摘する。東電経営陣が「制御可能」領域と「制御不能」領域を明確に把握していれば、少なくとも「制御不能」に移行した瞬間に海水注入の実施を指令していたはずで、その「技術経営」能力を東電経営陣が保持していなかったことが、人類史上最悪の放射能放出事故を発生させる原因だったことが明らかにされている。

　菅内閣は、
　
�@責任ある当事者である東電の責任を問わず、膨大な損害賠償負担を一般国民に押し付ける損害賠償スキームを提示した。衆院予算委員会で塩崎恭久元官房長官が、責任を問われる優先順位を示したが、これが普通の資本主義国家の普通の考え方である。経営者、株主、金融機関、社債権者、従業員の責任を問わずに、一般国民に負担を転嫁することが通用するはずがない。
　
�A福島の子どもを発がんの危機に晒す選択を採り続けている。
　
�B経済支援策、経済復興策が焦眉の急であるにも拘わらず、第二次補正予算国会提出を秋に先送りする方針を示している。しかも、その理由は自己の保身のためだという。国会会期を長期延長して、本格的な震災復興政策を早急に決定して実行することが責任ある政府の最優先課題であることは明白だ。
　
の３つの方針を示しているが、どのひとつをとっても内閣不信任案が可決されておかしくない事案である。
　
　与党議員であっても、国民の負託を受けていれば、このような首相に対する内閣不信任案に同調することは正当である。このような内閣を自己の利害得失だけを理由に守ろうとする岡田克也氏などの低俗議員が離党して低俗新党を結成するのが正道である。

コメント
01. 2011年5月17日 13:25:05: LyN36jbHSQ 　東京電力には、災害時にきんきゅう作業手順書は作成してあるはずです。 　これに準じて、災害対応すればよいのです。 　が、どこかの国のバカでパーフォーマンスでしか評価されない総理が、現地視察すると言い出し、その手順が一定時間出来なかった、と推察できるのです。 　この初動の遅れが、メルトダウンを起こし、日本最大の原発事故になったのです。津波発生16時間後にメルトダウンを起こしていたと、報告されていますから作業手順書を行なっていれば、、、と悔やまれるのです。 　このことは、菅が原因で発生した災害なのです。　正に菅災です。 　しかし原子力安全委員長　焦点の定まらない何とか目玉氏は、総理に忠告することも出来ないポチ委員長だったことがわかります。子供たちの安全を考え正しいと信じて行政する人は、対立しておやめになられた。お役人様の生き抜くことは大変でしょうが、ポチになり自らの信念を曲げてまでポストにしがみつく、、、、どんなものなんでしょうか？ 　（植草氏は、正義を主張し実践するお方と思います。） 　福島原発菅災放射能事故、菅の国民・国家に犯した罪は重いのです。 　なぜ、正確にこのことを国民に伝えないのか？　 　菅の間抜けた政治、管理監督能力を、マスコミは、国民に伝えなさい。 　アメリカ国防長官ゲーツの辞任時、『レーガン氏は、洗練された世界観の持ち主であった』と、感想を述べられています。 　さて、日本では北沢タヌキ防衛庁長官が、菅に対しどんな感想を述べるのでしょうか？『国家感を持たない首相だった、、なんていわないでしょうな〜』 　なんと日本は、、、、情けない、、、、 　靖国に祭られた英霊を前に、どんな言葉でお参りできるのでしょうか？ 　日本を自立国家にすることが、望まれる政治家なのです。 　そして、正義を行い、他国より尊敬される国家となれること！　 　靖国の英霊を前に、そう伝えたいのです。
02. 2011年5月17日 15:28:27: rWmc8odQao 週刊朝日（経由：左巻健男氏） 「下請け会社の話だと、原子炉への海水注入を迫られた際に東電側は、「この原発にどれだけカネを使っているのか、知っているのか。原発がなくなれば、お前らの仕事もなくなるぞ。海水を入れて廃炉にするなんて、とんでもない」と言い放った…。」 https://twitter.com/#!/samakitakeo/status/53416177275371520 週刊朝日を信じるなら、一番の理由は「保身」だったのかも。その次に「正常性バイアス」による判断ミスだったのでは？ いずれにせよ、経営陣の責任は逃れられません。ミスがなかったとしても逃れられません。あったら尚更ムリです。 今の時点で「…ひょっとして、逃れられるかも」などと思っているなら甘すぎます。
03. 2011年5月17日 16:26:10: U9MQLp5DZE 人間なんて、所詮そんなもの。 滅亡の寸前でも、財布を探すんじゃないか。 ましてや会社幹部は他所にいて被曝するわけじゃないし。 もともと原子力なんて人間がコントロールできないものと考えた方がよろしい。 どんなに技術的には完成していても、扱うのが人間じゃ、こうなる。
04. 2011年5月17日 18:46:38: rWmc8odQao 「東電は１号機で、津波の到達前に「炉内圧力が急激に低下したため（非常用冷却装置を）手動でいったん停止した可能性がある」とみている。…手動操作がその後の事態悪化につながった可能性もある」 http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E08DE3E5E2E7E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2 だいたい、「手動」操作した「可能性がある」ってなんだよー。 やったかやらないかのどっちかしかないだろ。 本格的に「人災」になってきましたね。
05. 2011年5月17日 20:27:17: gCbSWqdjo6 原発事故後、マスクしていたのに外から帰って来ると、口の中がなんか へんな味がしてよくうがいをよくしてました。メルトダウンしてたのだから・・ 相当、バシバシ飛んでいたのでしょうね。（化学調味料探知機のような舌なので 中華屋で食事したら大変です。口の中がマズイのがすぐわかるので。） ”2週間くらい”は、こんな状態が毎日続きました。東北人でない私ですが。 無味無臭なはずなのに、口の中がおかしかった。ピタッ！と無くなったのは、 2週間過ぎてから。 しかも「自宅待機命令」が一部の人達に通達されてた。3月15日あたりに。 メルトダウンしてるのだから、「逃げろ」とお知らせしてたんですねー。 そりゃあ〜逃げてた。近所のお金持ちとか。広告代理店の人と結婚した後輩も 海外旅行してたな〜（苦笑） 福島県民や被爆汚染度高いエリア、貧乏人には、留まれ！！ 被爆してくれ！！と菅政権や東電、売国奴集団にコケにされているわけです。 許せません！！
06. 2011年5月18日 12:26:08: 6PfDrNnPds データーから読み取れば1号機は放射能汚染に今のところ大きく影響していません。2号機が主原因のようです。 東電はメルトダウンは当然知っていたでしょう、但しまさか手動で非常用冷却をとめていたのは計算外で、損傷率を７５％と思っていたでしょうね。 こんなものは計算すればすぐわかるはずです。格納容器の破損も窒素注入である圧力以上注入できないことから、どの辺にどんな感じの亀裂（穴）があるか知っていると思います。 まあ一般の国民が知っていても何もならないし、危険もないので循環が完成するまで公表しないでしょうが、耐用年数超えていますから使われている材料も疲労で計算上の強度は出ていないでしょうからね。 管は原子力専攻だったんですね。東工大の入試方法考え直したほうがいいと思いますね。 今回の事故の責任は、国（推進者）、東芝、日立（プラント設計者）、東電（使用者）ですね。特にプラント設計者と使用者の責任が大きい。 ところで、手動で非常用冷却装置止めたのは、非常用マニュアルに従ったのではないかな？

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