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株式日記と経済展望
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原発利権を、いわゆる土建屋的な見地で利用したのが田中角栄元首相だ。
原発建設は地元に大きな利益をもたらし、それが選挙における票田になる。
2011年5月16日 月曜日
◆原発マネーに群がった政治家・学者・マスコミ、この国は電力会社に丸ごと買収されていた 5月16日 週刊現代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/4845
「日本の原子力政策は、次のようなロジックで成り立っています。『原子力発電は、絶対に必要である』『だから原子力発電は、絶対に安全だということにしなければならない』。
これは怖い理屈です。危ないから注意しろと言っただけで、危険人物とみなされてしまう。リスクをまともに計量する姿勢は踏み潰され、事実を隠したり、見て見ぬふりをしたりすることが、あたかも正義であるかのような、倒錯した価値観ができてしまう」
政府と東電は現在、数兆円以上に及ぶ賠償金を捻出するため、なんと電気料金の大幅アップを画策している。これも国民の意思から乖離した倒錯≠セ。
この国はいったい、どこでおかしくなったのか。周期的に必ず巨大地震や大津波が襲ってくることを知りながら、なぜ54基もの原発を作ってしまったのか。そもそもレールを最初に敷いたのは、言うまでもなく「政治」である。
自らが原発誘致にも関わったことがある自民党の長老議員は、その発端≠ノついてこう語る。
「原発というと、初代原子力委員会委員長の正力松太郎氏(元読売新聞社主)と、その盟友の中曽根康弘元首相の名が挙がる。ただその背景には、かつての米ソ冷戦構造下における『日本の核武装化』への布石があった。それが'70年代のオイルショックを経て、『資源のない日本における原子力の平和利用』と大義名分がすり替わり、政官民が一体となって原発を推進した」
1基あたりの建設費用が5000億円以上とされる原発の建設は、政治家にとっては巨大な公共事業であり、利権となってきた。
「原発を地元に誘致すれば、交付金はじゃぶじゃぶ入って来るし、選挙も安泰になります。東京電力の役員が個人名で自民党に献金をしていたことが発覚しましたが、一方で民主党も、労組側、つまり電力総連の支持を受けた議員がいる。そうやって原発は、これまで60年以上も乳母日傘で国の厚い庇護を受けてきたわけです」(社民党・福島瑞穂党首)
昨年1年間に、電力各社が会長・社長ら役員の個人名義で自民党の政治団体「国民政治協会」に行った献金の総額は、およそ3500万円に上る。
原発利権を、いわゆる土建屋的な見地で利用したのが田中角栄元首相だ。地元の新潟に柏崎刈羽原発を誘致する際、田中氏は土地取引で4億円の利益を上げたことが知られている(『原発と地震?柏崎刈羽「震度7」の警告』新潟日報社特別取材班・講談社刊)。
原発立地の地元にカネを落として住民を懐柔する、電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)交付金の仕組みを作ったのも、自民党の有力者だった田中氏である。
「原発建設はゼネコンや地元の土建業者に大きな利益をもたらし、それがそのまま選挙における票田になる。選挙の際には、電力会社やメーカー、建設会社の下請けや孫請けの業者が、マシーンとして作用してきた。そういう田中氏の手法を引き継いだのが、その弟子である竹下登元首相らであり、さらに渡部恒三元衆院副議長や、小沢一郎元民主党代表らに受け継がれていった」(自民党閣僚経験者)
原発推進に関して言えば、政界には右も左も、大物議員もそうでない議員も、まったく区別がない。中曽根氏の直弟子で日本原子力発電出身の与謝野馨経財相。身内の警備会社が原発警備を請け負っている亀井静香・国民新党代表。日立製作所で原発プラントの設計に携わり、日立労組や電力総連から絶大な支持がある大畠章宏国交相・・・。
ちなみに菅首相にしても、有力ブレーンの笹森清元連合会長は元東京電力労組委員長だ。仙谷由人内閣官房副長官や前原誠司前外相も、原発プラントの輸出を進めてきた経緯があり、原発推進派に数えられる。社民党や共産党を除き、政界で原発の危険性を訴えてきた政治家は、数えるほどに過ぎない。(中略)
そして、この政官財一体となった原発推進キャンペーンに、資金や研究環境の便宜供与を受けて加担しているのが、いわゆる御用学者≠スちだ。
事故発生後、「原発は絶対に爆発しません」と菅首相に吹き込んでいた原子力安全委員会の班目春樹委員長(元東大工学部教授)を筆頭に、空疎な安全神話≠唱える学者たちの存在が表面化した。端から見たら非常識としか思えない、こうした御用学者が居並ぶ理由を、元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏はこう説明する。
「電機や機械と違い、原子力の場合は研究におカネがかかり過ぎるのです。国や電力会社がカネを出さなければ研究ができない異質の分野が原子力なのです。だから研究の裾野が広がらず、異なる価値観が共存することもない。したがって原子力村には相互批判がなく、いつでも『原発は安全』になってしまう」
原子力村では、准教授になった途端に国から声がかかり、各種委員会など原子力関連の政府組織に名を連ねることができるようになる。すると、より詳しい研究資料の入手もできるようになり、学生の指導もしやすくなる。電力会社から多額の謝礼で講演の依頼なども入るようになり、定年後には各社が運営する研究所所長などのポストも用意されるという。(後略)
(私のコメント)
原子力電源開発は、道路特定財源と同じように神聖不可侵の国会議員達の利権となり、それは自民党も民主党もその利権にどっぷりと浸かってきた。原子力発電は正力松太郎や中曽根康弘が音頭をとって始めたことですが、その当時は添えが正論だったのでしょうが、利権として固定化されると止めることが不可能になり、次々と日本全国に原子力発電所が建設されるようになった。
田中内閣から中曽根内閣に交代した時も、原子力利権が切り札になったのかもしれない。確かに冷戦時代なら日本の核武装は当時のソ連や中国に対する切り札になり、だからこそアメリカも日本の原子力開発に対して容認したのかもしれない。今でも中国やロシアに対する日本の核武装は一つの切り札なのでしょうが、アメリカも日本の核武装は認めない。
しかし時代が経つにつれて、日本の原子力発電は一つの利権となり、日本のエネルギー政策の中心となり、それは民主党政権になってからも続けられて、民主党の原子力発電推進により50%まで拡大しようとしていた。民主党にも渡部恒三氏なども原子力利権議員の中心であり、地元の福島県は原子力発電所のメッカになっている。
与謝野馨経済財政大臣も中曽根氏直系の原子力推進議員であり、民主党政権は原発利権内閣であることに変わりがない。さらに日本の原発輸出においても民主党は積極的な推進政策をとってきましたが、これが福島第一原発事故を小さく見せようとして情報操作が行なわれてきた原因でもあるのだろう。
日本はとかく原発に賛成か反対かの二元論で行なわれてきましたが、政官財のトライアングルは原発慎重論者を排斥して、それが原因で安全対策が御座なりになってしまったのだろう。原子力安全委員会も原子力安全保安院も原子力発電の安全対策のお目付け役なのですが、原子力村で固めてしまってはチェック機能が働かなくなっていた。
原子力開発は数千億円単位でかかるものだから、国家でなければなかなか取り組めない分野ですが、原発を民間会社がやること自体が無理があったのだろう。東京電力でも原発担当者は、数々の原発トラブルで責任を取らされて排除されてきてしまった。だから今の東京電力の経営陣には原発出身者がいない。
これまでも原発の小さな事故は、たびたび起きていたのですが隠蔽されてきたのは、原子力安全神話が作られてしまって、政官財の利権構造で安全性に対する柔軟な体制が作られずに来てしまった。学会も東京大学を中心に原子力村が作られて、危険性を指摘すると原子力村から排除されてきた。
しかしこれからのエネルギー政策で原子力発電が無くてはならないものなのだろうか? 採掘技術の進歩で天然ガスの埋蔵量が膨大なものと確認がされており、CO2排出量も石油や石炭に比べると少なくて発電コストも安く、現在でもLNGによる発電量が一番多くなっている。また自然エネルギーに関しても技術開発の進歩で普及が進み始めている。
現在でも原子力発電はごく限られた国で行なわれていますが、日本やアメリカやロシアなどで原発災害が起きたように、原子力発電は非常に危険なもののようだ。ロシアやアメリカの原発事故は誤操作によるもので、発電を止めればそれで収まるものではない。原発は軽水炉以外にも比較的安全な原発も開発されていますが、しかし何が起きるかわからない。
原子力開発には毎年4500億円もつぎ込まれてきましたが、これを他の自然エネルギー開発に向ければかなりの開発が進むのではないだろうか? 原子力安全委員会の委員長・委員らの年俸は約1785万円も貰っていますが、これも学者への口止め料になってきていた。国会議員も原子力利権に群がり経済界もマスコミも東京電力から金が配られて来ていた。
これは道路利権と同じ構造であり、予算配分が固定化されると、それに群がるシロアリは日本の財政を食い尽くしていく。日本の毎年作られる財政赤字もこのような固定化した支出に手が出せないから減らすことが出来ませんでしたが、原発事故が起きないと原発利権を見直すことが出来ないような構造が出来てしまっている。
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