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2011年5月16日
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の突然の全面停止は、電力の消費者を動揺させた。夏場の節電はどうなるのか。温室効果ガス対策は−。そんな不安を拭い去るように、名古屋大大学院環境学研究科、竹内恒夫教授の研究室は「直ちにゼロ原発・二〇二〇30%CO2削減」へのシナリオを提案する。 (飯尾歩)
竹内研の計算では、中部電力の現在の発電設備容量は、三千二百三十六万キロワット。液化天然ガス(LNG)火力が千四百七十九万キロワットと最も多く、石油火力五百一万キロワット、石炭火力四百十万キロワット、原子力三百六十二万キロワットなどと続く。風力、太陽光などの再生可能エネルギーはわずか〇・六万キロワットにすぎない。
この原子力三百六十二万キロワットが浜岡原発の設備容量相当分。全面停止すれば、電力の供給予備力が短期的に極めて小さくなるのは確かだ。
しかし、同社の主要電源設備計画によると、二〇一二〜一四年度にかけて、上越発電所(新潟県上越市)に合計二百三十八万キロワットのLNG火力が新設される。
西名古屋発電所(愛知県飛島村)では、百十九万キロワットの石油火力を廃止し、一九年度に二百二十万キロワット級のLNG火力を稼働させる計画だ。二〇年ごろまでを見通せば、仮に原発が止まったままでも、供給力に支障はないといえるだろう。
◇
問題となるのは二酸化炭素(CO2)の増加だ。中部電力管内のエネルギー需要は、リーマン・ショック前年の〇七年がピーク。仮に、その年の浜岡原発の発電電力量をLNG火力に置き換えると、CO2排出量は千百六十四万トン、管内の一九九〇年のCO2総排出量比で8・3%分増える。
「原発はCO2を出さないクリーンなエネルギー」というのが、「原発ルネサンス」と呼ばれる近年の増設機運のうたい文句だった。
もっとも、九〇年以降、全国で原発十八基が新設されたにもかかわらず、実際には国内の全発電所からのCO2総排出量は増えている。〇七年のCO2排出量は九〇年比で41%増。同期間の総発電電力量の増加率32%を大きく上回っている。
竹内教授はその背景を「原発を増やしても、原子炉の定期検査、地震による自動停止、トラブルに伴う点検などで、原発の設備利用率が低くなっている。60%程度に落ち込むことも多い」と分析。結果として、石炭火力でカバーするので、CO2総排出量が増えてしまう構造だという。
◇
竹内教授が提案する対策は、(1)小規模なLNG発電所を都市部に分散配置し、電気とともに温水を地域に供給する熱併給発電・地域熱供給(CHP)網を築く(2)CO2排出の少ないLNG火力が、ベースロード(安定的な稼働状態)を担うようにし、石炭などへの依存を減らす(3)電気自動車、太陽光発電パネルを普及させる−の三点。
こうしたエネルギー転換を中心に、全国と地域レベルで約二十五項目の対策をとることで、二〇年の中電管内のエネルギー需要が〇七年のピーク時に戻ったと仮定しても、計算上、九〇年比四千二百六十二万トン、30・4%のCO2削減ができると主張する。原発三基を維持したまま削減策をとらないと、同二千九百十六万トン、6・3%増になるという。
かぎとなるのは、CHPの普及だ。中電管内なら、名古屋、浜松、長野、岐阜市などの主要都市内に一万キロワット程度の施設を十数〜数カ所造り、温排水をビルやマンションに供給する。「燃料も既存の都市ガスを使い、生ごみなどのバイオガスに移行していけばいい」と竹内教授。
太陽光発電パネル普及に向けた具体案として挙げるのは、役所や学校など公共施設の屋根などを安く借り受ける方法。「住宅以外からの太陽光電力も買い上げられる制度ができる。市民からの出資でパネルを敷設する会社を起業できないか」
さらに「原発は新増設なしで、一定期間運転したものから順次廃止することを前提に、原発依存から分散型電源、再生可能エネルギーへと、エネルギーの需給構造を変えていくのが望ましい」とビジョンを語る。
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