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「大連立より党内の政権交代を」 牧義夫民主愛知県連代表
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110515/stt11051523090007-n1.htm
2011.5.15 23:04 産経新聞
統一地方選での惨敗などを受け、民主党愛知県連代表辞任を決断した牧義夫衆院議員が名古屋市内の事務所で産経新聞のインタビューに応じ、「民主王国崩壊」とされる愛知県の現状や党再生への思いなどを語った。発言内容は以下の通り。
◇
民主党が4月の衆院愛知6区補選で不戦敗となったのは、候補を立てても勝てる状況でなかったからだ。それは誰がみても分かっていた。
石田芳弘さんが衆院議員を辞職して2月の名古屋市長選に出たための補選だが、辞める際にどのくらい丁寧に地元に説明がついていたのか。時間的制約の中で話が進み、地元を混乱させていた。後ろ足で砂をかけられた形の有権者の怒りを修復するのは大変だった。
加えて民主党に対する逆風があった。昨年の参院選は愛知も何とか持ちこたえたが、今年に入ってからの名古屋市議会解散、出直し市長選、愛知県知事選などを見ても分かるように、民主党からこぼれた票の受け皿ができてしまった。河村たかし名古屋市長の「減税日本」だ。補選にも減税日本が候補を立てるという話だったから、ますます容易ではなかった。
《まともな候補は手を挙げない》
こっちがヘタな候補者を補選に立てて負けたときの影響を考えたとき、いっそのこと、国政レベルで野党第一党の自民党の勝利を阻む意味で、ネガティブな選択だったかもしれないが、いたずらに候補者を立てるより高みの見物を決め込んだ方がいいのかなという判断も個人的には少しあった。
そもそも民主党への逆風を考えれば、まともな候補は手を挙げない。実は2人の具体的な候補者が浮かんで消えた。1人目は中央官庁の女性官僚だったが、やはり「今の民主党では戦えない」と言って固辞された。菅政権に対する失望だった。
もう1人、土壇場で出馬の了解をとりつけた国会議員の女性秘書を石井一選対委員長に上げたが、言下に断られた。「今さらどう戦うつもりだ」と。愛知県連としては、やることはやった。候補者を擁立できなかった責めは党本部が負うべきだと思っている。
《責任とらずして世を律することはできない》
愛知県連代表辞任は名古屋市議選惨敗を受けて3月に決めていた。「あんたが悪いんじゃない」と言ってくれる人もいたが、3月の県連幹事会で「代表は責任をとる係だ。民主党は誰も責任をとらない政党と思われたら困る」と辞任を宣言した。統一地方選が残っていたため蹴飛ばすわけにいかないから、6月上旬の県連大会で身を引くことにした。
党執行部は昨秋の衆院北海道5区補選から連戦連敗でも誰も責任をとらないが、それこそ全国の子供の教育上、よくない。国民が政治家に何を期待しているのかという本質を理解していない。これで世の中を律していけるわけがない。
党の全国幹事長会議で統一地方選の総括をするというが、そんなところで総括なんてきるわけない。全国の幹事長には気の毒だが、そんな次元でことは運んでいないのだ。
《愛知は「非自民王国」》
愛知は「民主王国」と言われていたように、県民の民主党に対する思いや期待は他の地域より高かった。逆に民主党政権への失望感も大きかったのではないか。この地域の人たちは割と保守的だが「非自民」「反自民」で、55年体制ができたときから自民がダメだという思いが芽生えていた。民主王国だといっても、旧民主党ができたのは平成8年、私が初当選したのは平成12年で、そのころ名古屋、愛知は民主党が強いという状況ではなかった。今でも民主王国というより「非自民王国」というのが正しいだろう。そういうときに減税日本ができ、支持がどっと流れた。支持は自民党には行かない。自民党が勢いづいているかというと、そうではない。「民主王国の崩壊」と言われても、自民党の復活ではない。減税日本という受け皿ができてしまったということだ。それはテンポラリー(一時的)な受け皿だと思うけど。
《ポスト菅を明示して内閣不信任可決を》
菅(直人首相)さんでは復興はできないとして「菅降ろし」が顕在化している。いつも「○○降ろし」となると、民主党の中でどれだけそういう声が占めるのか、自民党はどうなのか、国会ではどうなのかという話になるが、もはやその次元は超えている。今、国民のほとんどが菅さんではダメだと思っている。それなのに菅さんが踏みとどまっている理由は、こんな大変な時期に政争に明け暮れている場合ではないという一点にすぎない。
ただ、菅降ろしを声高に叫んでいる人にビジョンがない。ある人もいるだろうが、外に向けて発信をしない。みんながひとつになって方向性を出さなければ何も進まない。国民は「とにかく辞めさせろ」というだけでは無責任だと受け止めている。ここで「ポスト菅」の名前を具体的に挙げ、その人のもとでフォーメーションの立て直しを示せれば「それでいい、やってみよう」という国民の機運が一気に高まると思う。震災の影響で物理的に衆院解散はできないんだから、内閣不信任案ということになる。
《もはや首相に「揺さぶり」は通用せず》
野党提出の内閣不信任案に同調しようということに鳩山(由紀夫前首相)さんらは慎重になっている。今までいろいろな会合を持たれ、ぼくも名前は入っている。趣旨は賛同する。しかし、いろんなところでいろんな集まりをもって誰と誰が会ったということが、菅さんに対する揺さぶりになったかというと、揺さぶりになっていない。どんなに揺さぶられてもしがみついているんだから、この手の揺さぶりは何の意味もない。そう考えたら内閣不信任案で辞めさせるしかない。両院議員総会開催を求めても単なる揺さぶりでしかない。開くかどうかの権限は執行部が握っているし、まず菅さんを辞めさせることで党がひとつになった上で、不信任案に賛成するという手順を踏まなくてはいけない。そうすれば党が割れることはない。むろん次の展開、次の固有名詞を国民に示せなければダメだ。
(野党が多数を占める)参院での問責決議も揺さぶりにすぎず、菅さんには効かない。問責を可決して「参院への出入りはまかりならぬ」となっても、それこそ「震災復興を急がなければならないときに、何をやっているんだ」という批判を浴びることになる。菅さんはそのへん、タカをくくっている可能性がある。「揺さぶりは効かない」という前提で考えないと。仙谷(由人官房副長官)さんは問責決議を可決されても、ちゃんと官邸に戻っている。
《自民党にも求心力なし》
自民党内でも、これ以上民主党が混乱することを警戒している人が結構いる。民主党が分裂含みでどんどん温度が上がり臨界点に達すれば、必ず自分たちの方に波及すると、敏感な人たちは思っている。
やり方によっては「政界ビッグバン」の動きが出てくる。そのときに何が対立軸になるかだが、選挙区の事情もあるだろうし、谷垣(禎一総裁)さんを一本の軸にしようとしたら自民党は割れるだろう。谷垣さんにそれだけの求心力がない。だから怖がるのだ。民主党は割れても自民党は割れないというだけの求心力は今の自民党にない。谷垣さんを立てて、こっちは小沢(一郎元代表)さんを孤立させるとかというシナリオの通りにはいかない。そういうときに舛添(要一新党改革代表)さんだとか、鳩山邦夫(元総務相、無所属)さんだとかがどういう役割を演じるかだ。
《大連立より党内で政権交代を》
民主党は結党以来、最低のところにきている。野党時代よりひどい。このままの民主党では次の衆院選はあり得ない。菅さんを代えて何が間違っていたかを整理しなければダメだ。菅政権ができてから1年足らずだが、これをきちんと総括しなければ…。何が間違っていたかと。
民主党は「風」に頼ってきたところがある。しかし風で選挙に勝つというのを卑下することはない。風というのはそれだけ国民から期待を集めているということで、政権をとるだけの資格はあるということだ。政権を維持するには、追い風が吹くだけの政権運営をしなきゃいけない。政権交代後、それをやってこなかった。それをやってきたら統一地方選でこんなに負けることはなかった。
では、菅さんはじめ内閣、党の執行部に風をつくることができるか。それは無理な話だろう。自民党との大連立より、まずは民主党の中で政権交代をしなければダメだ。党内で政権交代した上で挙党態勢ができれば、政界再編をいったんは回避でき、民主党のままで次の総選挙も戦える。しかし、それができなければ分裂するしかない。今のままで次の総選挙を戦おうと思っている人間は党内に4分の1もいないだろう。
今、野党も含めて大連立だとか言っている人がいるが、民主党はまず挙党態勢ができていない。与党の挙党態勢もできないのに大連立なんてできるわけがない。
小沢さんの処遇についても、執行部がやっていることは後手後手に回っている。党員資格停止処分を外すこともたなざらしで、なにをモタモタしているんだ。小沢さんをちゃんと処遇して挙党態勢をつくるべきだろう。(高木桂一)
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