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「菅主導」に民主党は爆発寸前 原発、子ども手当に不満
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110515/stt11051522370006-n1.htm
2011.5.15 22:36 産経新聞
東日本大震災の復興政策や東京電力福島第1原子力発電所事故対応で菅直人首相が乱発させた「菅主導」の意思決定に、民主党の不満は爆発寸前だ。党政調会長も兼務する玄葉光一郎国家戦略担当相は、マニフェスト(政権公約)で掲げた子ども手当など目玉政策の見直しに向け、今週からの党内調整で前面に立つ考えだが、「マニフェスト死守」を主張する小沢一郎元代表の勢力は、党内の不満を「菅降ろし」に結びつけようと手ぐすねを引いている。(加納宏幸)
党内からの不満の矢面に立つ玄葉氏は15日、テレビ朝日番組で野党幹部と息の合ったところを見せた。相手は自民党の石破茂政調会長だ。
玄葉氏「復興基本法案は石破政調会長と話し合い、できるだけ早く成立させなければいけない」
石破氏「全く異論はない。被災者のことを考え、いの一番にやらなければいけないことだ」
両氏は4月29日にも、民主、自民、公明党の政調会長による「3党合意」を主導し、平成23年度第1次補正予算の全会一致での成立に道筋を付けていた。
これに対し、不満を隠そうとしなかったのが小沢氏だ。ゴールデンウイーク前後の内閣不信任案同調シナリオをつぶす形の3党合意に、小沢氏は「ひどい話だ…」と側近議員につぶやいていた。
ただ、玄葉氏自身も「菅主導」には不満を抱いているようだ。10日の記者会見では、首相が中部電力浜岡原発の全面停止要請に踏み切ったことを「事前に相談がなく遺憾だ」と批判。
15日の番組でも東電の取引銀行に債権放棄を求めた枝野幸男官房長官の発言に「ちょっと言いすぎた」とブレーキをかけた。さらに、「脱ポピュリズムで強い政権をつくることが求められている」と、人気取りに走りがちな首相を暗に当てこすった。
自民党政権では、法案の閣議決定前に、部会から総務会へと積み上げ型で了承を得る「事前審査制」の仕組みが機能していた。しかし、民主党では「内閣と党の政策決定一元化」の建前から、十分な党内論議を経ず政策が決まることが多く、ガスはたまる一方だ。東電の補償枠組みを協議した12日の作業部会は相次ぐ政府批判により一時中断に追い込まれた。
玄葉氏は3党合意に基づき、6月22日の通常国会会期末に向け23年度予算の裏付けとなる特例公債法案の成立に道筋を付けるため、今週から子ども手当などマニフェストで掲げた政策の見直し作業を本格化させる。これに対し、一昨年の衆院選前にマニフェストづくりを主導した小沢氏の勢力は、目玉政策の見直しを原発対応と並ぶ首相退陣の大義名分に掲げる。
玄葉氏が党内調整のかじ取りを誤れば、政権自体がメルトダウンに陥る危険性をはらむ。
小沢氏を慕う若手議員の一人は首相への闘志をむき出しにする。
「3党合意を盾に与野党協議でマニフェストを捨て去るのなら、俺はいつでも離党してやる」
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