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【松本浩史の政界走り書き】内閣改造の胸算用とは?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110515/plc11051512010008-n1.htm
2011.5.15 12:00 産経新聞
政府・民主党でささやかれ始めた内閣改造案の出所は、党内事情に気をもむ菅直人首相の心中をおもんぱかった政権のとある大物閣僚ないしその周辺に行き着く。
「改造はしてもしなくてもいい。『改造をする』という情報が広がれば、目的は達せられるんだ。『挙党一致』とか『オール民主党』とかのスローガンを流せば、『反菅勢力』の跳ねっ返りも多くは黙る」
改造案の流布を仕掛けた関係筋からこんな話をうかがった。小沢一郎元代表らあからさまに首相を敵視する「反菅勢力」はもちろん、党内中間派を黙らせるため、ポストに執着する政治家の性をくすぐった、いわば「鎮静剤」のようなものだ。
聞くところでは、改造案とはおおよそ次のような内容である。
東日本大震災への対応を強化するため、内閣法を改正し、17人が上限の閣僚数について、復興やら原発事故やら3人の担当相を新設し、党役員人事にも着手するという。同時に、小沢氏に近い中間派を処遇し、政権運営を円滑化させる狙いがあるのだそうだ。
6月22日までの今国会の会期は延長せず、閉会直後に人事を行い、余勢をかって8月に臨時国会を召集し、本格的な復興予算となる平成23年度第2次補正予算案を処理する青写真を描いている。
なるほど、くだんの関係筋の胸算用が飲み込めたような気がする。そもそも閣僚数を増やす内閣法改正案は、自民党との「大連立」を想定して準備していたもので、これがご破算になった以上、野党の出方は不透明であり、今国会で成立するのかどうか見通せない。むしろ難しいのではあるまいか。
となれば、首相にとって、改正案が成立しようがしまいが、副大臣、政務官の人事を含む、これまで通りの改造が行われると思わせることが大切ということになり、そこに「陰の狙い」を垣間見ることができる。
つまるところ、会期末に予想される内閣不信任決議案(衆院)や首相問責決議案(参院)で、民主党の「反菅勢力」からなるべく同調者を出さないための布石と見るべきであろう。選挙地盤が脆弱(ぜいじゃく)な若手議員が多い「反菅勢力」をなびかせるには、このうえない攻略法なのである。
ひところ、すきま風が深刻だった仙谷由人官房副長官とも今月上旬、都内のホテルの中華料理店で約2時間にわたり会食し、関係修復の兆しが見えているのも、「改造流布効果」なのかと思えてしまう。改正内閣法が成立すれば、仙谷氏は復興担当相での起用が取り沙汰されているのだから、なおさらだ。
もっとも、首相には、そんな目前の厄介事をいなすだけのために改造をするではなく、新たな政権の目標を掲げ、目玉人事を断行して政権浮揚を図っていくつもりはないのか、と情けない気持ちにもなる。
だが、人材払底が深刻な民主党で、初入閣させるような政治的実務にたけた人物は党側にいないという悲しい実情があり、そうもいかないのだろう。
そもそも、昨年6月に発足した菅政権は、その後、同9月(改造内閣)と今年1月(再改造内閣)の計2回にわたる改造をしており、改造内閣では、戦後最多記録となる11人を留任させた。ちなみに、再改造内閣では、社会保障問題を扱う与謝野馨経済財政担当相の入閣が目玉となったが、このときも11人が留任している。
内閣改造といえば、ときの最高実力者である首相が求心力を高めるために行う人事刷新であり、主導権を握って断行しなければ、かえって政権の体力は衰えていくものである。その伝でいけば、このところの政府・民主党で浮上している改造案はまだ、政治の本質とはかけ離れた類のものに過ぎない。
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