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2011年5月14日 (土)
原発事故厳正責任処理なければ大事故再発は必定
福島原発第1号炉がメルトダウンしていたことが公表された。
本ブログでは4月8日付記事
「テレビが伝えない福島原発の著しく困難な状況A」
に、大前研一氏の指摘を紹介し、この見解が妥当性を有しているとの見解を記述した。
福島原発1号炉では炉心溶融が進行して燃料棒が落下し、厚さ15センチの鋼鉄で組成されている圧力容器の底が溶解し、圧力容器に穴が開いていることが明らかにされた。
燃料の一部が圧力容器から格納容器底部に落下した可能性もある。格納容器は3センチの鋼鉄製であるため、この格納容器にも穴が開いている可能性を否定できない。
菅直人氏は3月23日昼に大前研一氏と45分間の会談を行っている。さらに、4月20日、鳩山由紀夫前首相は官邸を訪問し、菅直人氏と1時間半におよぶ会談を行っている。
福島原発収束のために、政府は「水棺」方式を採用しているが、鳩山前首相は格納容器からの水漏れが生じている現状では、「水棺」方式が、高濃度放射能汚染水の外部放出をもたらしているため、収束方法の見直しが必要であることを指摘したものである。
政府が原子炉のメルトダウンを認めたのは5月12日である。原子炉から高濃度放射能汚染水が放出されている状態を認知しながら、これを放置してきたことになる。犯罪行為であると認定されても反論はできないはずだ。
福島における避難地域設定では、土壌汚染が考慮されていない。避難地域の設定基準はチェルノブイリ以下であると指摘されている。
また、福島県の小中学校に通う子供たちの避難基準も著しく甘く設定されている。法律に基づく被曝上限値はあくまでも1ミリシーベルト/年である。ICRP(国際放射線防護委員会)の基準値にしても、公衆被曝限度は1mSv/yであり、職業被曝上限について20mSv/yの数値を定めているだけである。
ところが、菅政権は福島の子どもたちに、職業被曝限度の20mSv/yを適用しているのであり、殺人政権だと言われてもやむを得ない。
しかも、福島原発は収束しておらず、高濃度放射能汚染水が垂れ流されている。原子炉の容積と毎日実施されている注水の量とを比較すれば、外部流出の有無は直ちに判定できるはずである。
原子炉の冷却を継続しなければ、メルトダウンによって圧力容器底部あるいは格納容器底部に溶融して落下した燃料が再臨界に至り、放射能爆発を引き起こすから、高濃度放射能汚染水の外部放出はやむを得ないとの判断が持たれているのだと思われるが、その場合には、正確な情報の公開が不可欠である。
原子力三原則は、「民主・自主・公開」である。この「公開」が完全に無視されている。原発事故が発生した直後に、放射能汚染予測地を公開するべきであった。ところが、枝野頓珍漢房長官は、危険は生じていないが、念のため安全策を採るとの発言を行っている。これは、虚偽発言だったのではないか。
正確な情報が提供されなかったために、原発が爆発した際に、一部地域で大量被曝が発生した疑いがある。
本ブログでも指摘してきたが、とりわけ重要であるのが風向きである。風向および風速の情報は、被曝を回避するために不可欠な情報であったが、政府は意図的に情報を隠ぺいしたのではないか。
高濃度放射能汚染水をこれ以上、原発外部に放出して良いはずがない。直ちに、汚染水外部放出を回避する手段を講じるべきである。同時に、周辺住民および全国民に対して、すべての情報を完全開示することを実行するべきである。
また、事故発生当事者に対する適正な責任処理を行わなければ、将来に重大な禍根を残す。全国の原発事業者および利害関係者は、今回の事故発生後、どのような責任処理が実行されるのかを、固唾を飲んで見守っている。
厳しいが適正な責任処理が行われれば、二度と同じ過ちを引き起こしてはならないとの意思が生まれてくる。経営者はもちろんのこと、株主、金融機関、社債権者は、従業員のすべてが、原発の絶対の安全性を厳格に求めることになる。
ところが、責任処理が甘くなれば、利害関係者の心理は著しく弛緩する。いざ大事故が発生しても、政府はその負担を一般国民に押し付けてくれる。これで、安心して、いままで通り、いい加減な安全対策のままで、枕を高くして眠れると考えるだろう。
このことによって、必ずより重大な大事故が引き起こされてゆくのである。本当に愚かな政権を持ったものだ。日本国民の不幸だが、この政府を国民が容認するなら、今後、いかなる重大事故を招くとしても、それは自業自得ということになる。
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