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5月11日(水) エネルギー基本計画を「白紙に戻す」のは当然だけれど
昨日のブログで、私は「今からでも遅くはありません。エネルギー基本計画を根本的に転換するべきです。この点でこそ、政権交代の意味と菅首相のリーダーシップが問われているのだということを、是非、自覚していただきたいものです」と書きました。
これを読んだのかもしれませんが(というのは、冗談)、ブログをアップしてから6時間後の昨夕、菅首相は首相官邸で記者会見を開き、総電力に占める原子力の割合を将来的に50%に高めるという「エネルギー基本計画」(10年6月18日に閣議決定)について、「いったん白紙に戻して議論する必要があるだろうと考えている」と述べました。また、現在54基の原発を2030年までに14基以上増やし、原子力などが総電力に占める割合を約70%にするという計画についても、「この従来決まっている基本計画は白紙に戻して議論する」と強調し、原発の新増設計画を認めない可能性もあることを示唆しました。
さらに、原発事故をめぐる責任について「原子力政策を国策として進めてきた政府にも大きな責任があり、おわび申し上げたい」と陳謝しました。そうえで、今年6月から福島第一原発事故に収束のめどがつくまで、歳費のうち国会議員歳費をのぞいた首相歳費を6月から返上することも表明しています。
これらの表明は当然とはいえ、高く評価したいと思います。例えそれが一種のパフォーマンスであり、人気取りのための「高等戦術」であったとしても、それ自体は正しいのですから……。
また、今後の議論の方向性についても、「原子力と化石燃料は電力では二つの柱だったが、太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーを基幹エネルギーに加える。もう一つは省エネ社会を作ることだ」と述べました。「省エネ社会」への転換を表明したわけで、これも当然のことでしょう。
ただし、この日の会見では、エネルギー基本計画の見直しの議論をどのように進めていくのか、その場やスケジュールについては具体的に示されていません。これは問題です。
「示唆」するのではなく、明確に打ち出すべきです。原子力エネルギーから再生可能エネルギーへの転換を基本計画として明示し、そのための工程表を明らかにするべきでしょう。
政治のリーダーシップとは、どこに向かって進むべきかを指し示すことにあります。国家と社会が向かうべき方向と目標を明示しなければ、前に進むことはできません。
菅首相には、再生可能エネルギーを基本とする「省エネ社会」の実現に向けてのはっきりとした見取り図を示してもらいたいものです。そこにこそ最高指導者としてのリーダーシップがあり、そうしてこそ日本の未来は開かれるのですから……。
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【関連エントリー】
5月10日(火) 民主党政権は「エネルギー基本計画」を根本的に転換するべきだ
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