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株式日記と経済展望
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アメリカの力を借りて中国と対峙する事ほど愚かな事はない。同時にアメリカ、
中国と敵対する事もまた愚かである。日本が必要と思わせるのである。
2011年5月10日 火曜日
◆覚醒なき国家に未来はない(2) 5月1日 田中良紹
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/05/post_258.html#more
「反日」はデトロイトではなくワシントンで燃えていた。労働組合と政治家とマスコミが騒いでいたのである。過剰な報道を利用して日本の通産省は自動車業界を説得し、日本は自動車輸出の「自主規制」に踏み切る。「自主規制」で輸出数量が減っても日本車の需要は減らない。日本車の価格が上がって日本の利益は減らず、損をしたのはアメリカの消費者だった。
煮え湯を飲まされ続けたのはアメリカである。それが1985年に数字に現れた。アメリカが世界一の借金国に転落し、日本は世界一の金貸し国となった。工業製品を世界に輸出し、儲けた金を投資して金利を稼ぐ。世界中から日本にマネーが流れ込んだ。敗戦国日本が戦勝国アメリカの地位を脅かす存在となった。
折しもアメリカと核競争を続けてきたソ連帝国主義に陰りが見え始め、アメリカと覇権を争うのはソ連ではなく日本だと見られるようになった。85年の「プラザ合意」でアメリカは「ニクソン・ショック」に次ぐドル安誘導を行った。かつて360円だったドルの価値が三分の一になった。
円高による打撃から日本の産業を守るために採られた低金利政策はバブル経済をもたらし、日本人がアメリカの不動産を買い漁るようになるが、その頃のアメリカには日本に対する二つの見方が登場した。一つは「経済大国になった日本はアメリカの核の傘から脱して核武装する」というもので、キッシンジャー元国務長官などが主張した。
60年代の終わりに日本の核武装計画を知る立場にあったキッシンジャーは「経済大国は必ず軍事大国化する。唯一の被爆国としての反核感情など周辺が核を持てば一夜で変わる」と断言した。
もう一つは「日本は欧米とは異質の官僚国家」という見方である。リビジョニストと呼ばれる学者や評論家が主張した。彼らは「日本は資本主義でも民主主義でもなく官僚が主導する計画経済国家」と言った。ソ連共産党の最後の書記長であるゴルバチョフも「日本は共産主義の理想の国」と言ったから、東西両陣営から日本は社会主義経済体制と指摘された。しかし二つの見方のうち前者は間もなく消滅した。
90年8月にイラク軍がクエートに侵攻して湾岸危機が起こると、欧米各国の議会はこれにどう対応するかを議論し始めた。ところが日本だけは国会を開かず、橋本龍太郎大蔵大臣がアメリカ政府に支援の金額を打診した。1兆円を超える支援額が決まってから国会が開かれた。
これがアメリカの失笑を買った。資源のない日本にとって中東の石油は経済の生命線である。自国の死活問題を自らの問題と考えず、従って国会も開かず、日本はひたすらアメリカにすがってきた。いずれは大国として自立すると思っていたがそれは間違いだった。この国はいつまでも二流の従属国なのだ。それが当時のワシントンの日本に対する見方である。
筆者は当時ワシントンに事務所を構え、アメリカ議会の日本関連情報を日本に紹介する仕事をしていたから、実際にそうした見方を耳にした。ところが日本のメディアはそれを伝えない。「金だけ出して人を出さなかったから馬鹿にされた」という報道ばかりだった。
アメリカの本音は「足手まといになる人間よりも金の方が有り難い。しかし憲法の制約がある日本に人を出せと言う方が日本を困らせる事が出来る。困らせればさらに日本から金を搾り取れる」というものである。アメリカは、軍事をアメリカに委ねて金を稼ぎ、世界一の金貸しになった国から金を搾り取るのは当たり前だと考えた。
◆覚醒なき国家に未来はない(4) 5月3日 田中良紹
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/05/post_260.html
一昨年来日したエフライム・ハラヴィ前モサド(イスラエル諜報機関)長官からこんな話を聞い た。「イスラエル建国から18年間、アメリカはイスラエルへの武器輸出を禁じてきた。周囲を敵に囲まれながら我々は自力で生きてきた。その生き様によってアメリカは武器禁輸を解除した」というのである。
またハラヴィ氏は「核兵器を持っているか、いないかは決して言わない。言わない事が抑止力だ」と言った。その話に筆者は感銘を受けた。自力で生き抜く決意がなければ、いかなる「同盟」も「核武装」も無意味である。
中国と対峙すると言う時、多くの日本人はアメリカの核に守られるか、自力で核武装するかの議論になる。しかしそれは余りにも安易な冷戦型思考である。冷戦後の日本は自力で生きる事をまず決意すべきである。自力で生きるとはあらん限りの知恵を外交に注ぎ込む事だ。
これまで述べてきたようにアメリカの力を借りて中国と対峙する事ほど愚かな事はない。同時にアメリカ、中国と敵対する事もまた愚かである。ユダヤ人が「ネオコン」となってブッシュ政権内部に食い込んだように、アメリカと中国を内側から操る戦略が我々にも必要である。アメリカに、中国と対峙するには日本が必要と思わせ、中国にもアメリカと対峙するには日本が必要と思わせるのである。
そのためにはロシア、インド、韓国などとの関係を深化する必要がある。ひたすら日米同盟にすがったり、国際社会が見ている前で核武装を議論をするのは、自力で生き抜く覚悟とは無縁の行為である。早く冷戦型思考から目覚め、民族自立の道を国民に教えないと日本は21世紀を生き抜けない。
(私のコメント)
昨日の朝日新聞のウィキリークスの記事を紹介しましたが、日本の外務官僚の考えは対米従属外交であり、日本の政権内部の動きが逐一外務官僚によってアメリカ政府当局にリークされていた。これではまともな独立国としての外交が出来ないのであり、日本の独立を妨げているのは外務省だ。
「株式日記」では自主防衛を主張してきましたが、冷戦構造以外の国際外交を構想できない日本人には無理なのだろう。アメリカと中国は切っても切れない経済関係にあり、アメリカ対ソ連のような冷戦構造はありえない。ニクソンアメリカ大統領はベトナム戦争終結とソ連封じ込めのために中国との同盟を選びましたが、日本人はその認識が出来ない。
90年代のジャパンバッシングは、アメリカにとってはソ連が崩壊してしまえば日本は不要となり、手のひらを返してきたのですが、日本人はひたすらアメリカに縋り付く事しか考えていないようだ。田中良紹氏が言うように、『中国や北朝鮮にとって日米安保は今でも日本を自立させない「ビンのふた」であり、アメリカにとっては両国の存在が日本を従属させる鍵になっているのである。』 つまり米中によって日本が封じ込められている。
中国の人民元がドルとの安い為替レートをアメリカ政府は容認しているが、日本に対してはプラザ合意で円高を受け入れさせられている。これは日本弱体化政策であり、日米安保が存在する限り米中同盟は日本を封じ込め体制を緩めることはない。このような事は私のような外交戦略家から見れば明らかなのですが、ほとんどの日本人はそれが分からない。
昨日の朝日新聞のウィキリークスの記事にもあるように、アメリカ政府は鳩山総理や岡田外相のアメリカ抜きの東アジア共同体構想に対して危機感を持ったようだ。それに対して最近のアメリカ政府はTPPによって中国抜きのTPP経済圏を日本に持ちかけていますが、東アジア共同体崩しの策略だろう。日本がその罠に嵌ればアメリカ従属体制から抜け出せなくなる。
日本に天才的外交戦略家がいれば、米中を手玉にとって操れるのですが、日本の政治家にそれを望むのは無理なのだろう。日本の政府部内の動きが外務省官僚によって逐一アメリカに筒抜けなのではどうすることも出来ない。『外務省北米局長の梅本和義氏もキャンベル氏に対し、10月12日のランチ会合で、鳩山首相は、「相手が聞きたがっていることを言いたがる癖がある」とした。』とありますが、外務官僚として出すぎた発言だ。
日本は二大政党とはいっても自民党も民主党も従米政党であり、自主独立を外交政策とする政党は存在しない。共産党は同じような事を言っていますが、反米なだけであり共産党であることに変わりがない。冷戦型の思考形態は時代遅れであり群雄割拠の多極化外交に切り替えるべきだろう。その為には日本は自主独立外交で是々非々で同盟を組むべきだ。
アメリカは手駒として使える時は仲間として処遇するが、使い終わればドライに手を切ってくる。オサマ・ビンラディンもサダム・フセインも手駒として援助したが、使い終わればあっさりと暗殺しておしまいだ。日本だってソ連が崩壊すればアメリカ政府は日本を叩きに来ることは当然の結果である。しかし日本は従米政策以外に考えがなく、現在まで来ている。
ウィキリークスはどこまで公開されるかわかりませんが、アメリカの本性が見えてくる。また日本の外務省や防衛省の実態も明なになるのであり、官僚が勝手に日本の外交を仕切ってきていた。政治主導といってもアメリカの情報が筒抜けでは政治家は手の打ちようがない。戦前ならスパイ罪として処分されることを平気でしている。
もしキャンベルが、「国務省としてもオバマ氏の発言に驚いたとし、オバマ新政権は、外交分野ではまだ調整の段階にある」と言ったらどうだろうか? また「オバマ氏が性格上の問題がある」と言ったら問題発言として首になるだろう。しかし日本の総理大臣は外務官僚を首には出来ない。アメリカ政府の信任が深い外務官僚を首にすれば、総理のほうの首が飛ぶ。
日本の総理大臣はアメリカの信任がなければ短命に終わる。菅総理をなかなか引き摺り下ろせないのも菅総理がアメリカの言いなりになる便利な総理であり、逆に鳩山総理のようにアメリカに逆らうと首になる。政府部内の動きが外務官僚によって筒抜けなので、アメリカは日本の首相を簡単に操ることが出来る。はっきり言えば外務省アジア大洋州局長の斎木昭隆氏や外務省北米局長の梅本和義氏や高見沢将林・防衛政策局長はアメリカのスパイだ。
◆官僚、米に「妥協するな」 ウィキリークス 米公電公表 5月5日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-176779-storytopic-53.html
民主党政権への交代後、官僚が再編行程表を維持するよう米側に言及したケースとして、2009年10月12日、高見沢将林・防衛政策局長が、来日したキャンベル国務次官補らとの非公式の昼食の席で、「米側が早期に柔軟さを見せるべきではない」と助言。日本政府の政務担当の参事官らが、在日大使館政務担当者へ同様の発言をしたことが電文で報告されており、官僚が鳩山政権の県外模索を阻む動きをしていたことが示された。
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