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2011年5月10日 (火)
震災復興特会設置し財源に外貨準備活用すべし
震災発生から2ヵ月の時間が経過した。今回の震災による被害が甚大かつ深刻であるのは、地震に伴い、歴史的にも有数の大津波が発生したこと、地震に連動して原子力発電所が人類史上最悪レベルの放射能放出事故を引き起こしたことによっている。
津波はリアス式海岸最奥部では、38メートルの高さにまで波及した。1896年に発生した明治三陸地震津波で残されている記録とほぼ同水準である。三陸海岸はリアス式海岸でその地形の特徴から津波の高さが急増する傾向を有している。
三陸海岸沖では頻繁に大きな地震が発生しており、このため、各地に津波に警戒するべきとの伝承が残されている。これらの伝承が教訓として活かされた地域では、通常の住居の被害が皆無であった地域もある。
「天災は忘れたころにやってくる」というが、こうした先人の教訓を活かした地域と、時間の経過のなかで、そのような教訓が色あせてしまった地域とで、被害に天と地の開きが生じた。
第二次大戦後に、防潮堤の建設などが進められたが、大自然の猛威は、こうした人工の建造物の力をはるかに上回るものであった。人間は大自然の前に謙虚でなければならないことを改めて今回の災害が教えている。
東電の福島原発でも、自然災害に対する備えが明らかに不十分であった。そのために重大事故が発生したが、原子力事故はひとたび重大事故を引き起こせば、その影響が万年単位で私たちの子や孫の世代にも深刻なダメージを与える点に大きな特徴がある。
今回の事故でも、半歩誤れば、日本全体が重大な放射能汚染地帯と化す可能性があったわけで、この現実を私たちは厳粛に受け止めなければならない。
そのうえで、国のエネルギー政策の方向を、「脱原発」の方向に大転換する必要がある。電力使用量の増加が指摘され、増大する電力需要を賄うには原子力を活用せざるを得ないとの反論が聞こえてくるが、大事なことは、私たちがライフスタイルを根本から見つめ直すことである。
エネルギー消費量を大幅に削減することは十分に可能であり、そのなかに、新しい日本の生活様式、世界に発信できるライフスタイルの主張が必ず生まれてくるはずである。
こうした構造改革のために、将来、電気料金の体系が変更されることは国民の理解を得るものになるだろう。
しかし、東電の原子力事故の責任処理が透明に行われていない段階で、地域独占事業である電力事業の料金引き上げは絶対に容認されない。
東電処理策が決定されないと金融資本市場が不安定化すると主張されているが、自己責任を基軸に置く資本市場では、いかなる企業であれ、重大な失敗を演じれば、株主も債権者も重大な影響を蒙ることは避けられない。
それにもかかわらず、官僚機構および利権政治屋と癒着している巨大企業であることを理由に、特別の救済策が検討されるところに、この国の前近代性、腐り切った政治と行政の体質が表れるのである。
民主党の国会議員のなかに腐った議員が多数いることは周知の事実である。しかし、正統民主党は、こうした政官業の癒着体質にしっかりとメスを入れることを目標に掲げてきたのではないか。民主党を軸にした野党の健全な議論喚起が強く求められる。
こうしたなかで、もうひとつの重大な問題は、経済の復旧・復興に向けての総合経済政策策定が完全に停止していることである。
首相に居座ることだけを考えている菅直人氏は、政局の視点から第二次補正予算を今通常国会に提出しない方針を模索している。本当に情けない、悲しいリーダーである。国民は見殺しにされるばかりだ。
第一次補正予算も、4兆円のうち、1.5兆円は本予算からの使いまわし、2.5兆円は財源の流用で、不足する2.5兆円を増税で賄うことが検討されている。かつて料亭吉兆で「手つかずの使い回し」が問題になったが、本予算の使い回し補正予算では、景気浮揚効果がゼロである。
経済は着実に急降下を始めている。これから、倒産、失業が本格化し、経済苦を理由にした大量の自殺者が発生することになる。菅政権は福島の子どもたちを甲状腺がんや白血病に追い込み、一般庶民を経済苦自殺に追い込む、殺人政権と呼ばれて反論できないだろう。
経済復興には野ざらしにされている1.1兆ドルの外貨準備のうち、50兆円ほどを円貨に換金して復興総合対策の財源に充てるべきだ。資金は日銀が政府短期証券を引き受けて拠出しているが、これを継続すればよい。
日銀資産の劣化を防ぐために、今後、残高の100分の1.6を毎年度、減債基金に予算繰り入れすればよい。
政府の外貨準備は、野ざらしにしている間に30兆円も40兆円も為替損失を生んでいるものである。このような損失垂れ流しが許されるはずがない。
この政策を実行するためには法令の改正が必要となるから、これと併せて今次通常国会で措置すべきである。
震災復興を独立させ、また会計処理の透明性を高めるために、震災復興特別会計を設置して対処することが求められる。このまま、日本経済の破壊を手をこまぬいて傍観することは許されない。
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