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2011年5月7日 掲載
裏側に透けて見える薄汚い思惑
「国民の皆さまに重要なお知らせがあります」
こう切り出して、浜岡原発の全面停止要請を表明した菅首相。反原発関係者からも驚きと評価の声が上がったが、裏側を探ると、パフォーマンス優先の“思いつき”だったことが浮き彫りになってくる。
「菅首相は今月26、27日にフランスで開かれるG8サミットに参加する。おそらく、世界中から原発の安全性について問われ、袋叩きに遭うのは見えていた。そこで、浜岡原発の停止という“お土産”を持参。批判をかわし、指導力をアピールする狙いでしょう。サミットへの日程を逆算すれば、連休明けに停止を表明する必要があり、最初から停止要請のつもりで、海江田経産相らを現地に派遣。下準備を整えてきた。しかし、原発政策を全面的に見直す覚悟はなく、停止はとりあえず浜岡だけです。サミットに合わせた付け焼き刃なのはミエミエです」(政府関係者)
民主党は昨年6月、2030年までに原発による電力供給を現状の3割から5割近くまで高めるエネルギー基本政策をまとめている。そのために原発を14基も新設する計画だが、こちらの見直しは手付かずだ。
「福島原発の事故で、『他の原発も止めろ』という声が噴出するのは確実だった。原発の停止ドミノを避けるために、浜岡を止めるのだろう。経済産業省の入れ知恵だ」(官邸事情通)という声もある。
浜岡原発を止めることで、政府が原発の安全性向上に取り組んでいることをアピール。他の原発には“お墨付き”を与える策略だ。いかにも役人が考えそうなことで、スッカラ菅が飛びついたのは容易に想像がつく。今回の決定の裏では仙谷官房副長官の進言があったとされる。見切り発車の浜岡停止で、今夏の電力供給の混乱も予想される。浜岡を止めるのは当然だとして、裏側を見ると、菅の卑しさだけがクローズアップされてくる。
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