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http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20110507/1304696946
ビンラディンが米国によって殺害されたらしい。アメリカ国民は歓声をあげている。オバマ大統領は、ビンラディン報復虐殺作戦は成功したと会見で満足気に勝利宣言している。オバマの支持率駅も急上昇したそうである。まことに御目出度いことであるが、では日本人は、この問題をどう考えているのか。最近、こういう問題が起きると必ずテレビ画面に登場する藤原帰一という東大教授は、今回もまた登場し、アメリカ政府が垂れ流す謀略情報をもとに、つまり、アラブ世界対欧米諸国の対立・抗争という問題において、リビア問題においてもそうだったが、完全に政治的に欧米側に立って、実に陳腐な解説をおこなっているが、日本人の思想的貧困を象徴しているように思った。僕はこの話を聞いて、即座にソ連(当時)によるトロツキー暗殺事件を連想した。つまり、トロツキーはソ連政府の「正義」のまえに「悪役」という役を振り付けられ、暗殺されたわけだが、おそらくソ連国民も、トロツキー暗殺を聞いて拍手喝采したことだろう。政治権力は悪役を創り出すことによって政治権力を盤石にしようとする。それは古今東西、変かわらない政治哲学的真理である。言うまでもなく9・11もビンラディン虐殺も、どちらに正義があるかというもんだいではない。そもそもアラブ世界に属する多くのイスラム教徒にとってビンラディンは、アメリカ政府がいくらテロリスト打と繰り返しても、テロリストではない。むしろ英雄だろう。そして、ビンラディンは、今回のアメリカによる虐殺事件によって一種の「殉教者」のひとりになったと言っていい。アメリカの「正義」はアラブ世界、あるいはイスラム教徒の「正義」ではない。無論、逆もまた言える。要するに、この問題を正義論 の問題に矮小化は出来ない。
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