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私はこのブログで、朝日新聞の5月5日付け朝刊「4面」に掲載された、加納時男元参院議員(東京電力顧問、自民党「原発を守る」政策会議参与、元副社長)に対するインタビュー記事を取り上げ、加納時男元参院議員を批判した。本日は、批判の続きを行いたい。批判の対象は、次の発言である。
「—−東電の責任をどう考えますか。『東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ。原子力損害賠償法には「損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない」という免責条項もある。今回の災害があたらないとすると、いったい何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」「低線量の放射線は「むしろ健康にいい」と主張する研究者もいる。説得力があると思う。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは。むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた』」
このなかで、「原子力損害賠償法には『損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない』という免責条項もある。今回の災害があたらないとすると、いったい何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」という行に異議がある。
それは、東京電力が、福島第1原発、第2原発を建設する際に、東日本、とくに三陸地方で起きた過去の大地震・大津波を考慮していなかったということである。おまけに原子炉を冷却するために海水を取水しやすくするために、海岸地帯の土地を掘って本来の高さより低いところに原発を建設したのは、明らかに「重大な過失」であると言わざるを得ない。
今回の東日本大地震と大津波を「想定外」というのは、怠慢さを隠すための詭弁であり、「免責条項」を適用されたいがための狡猾な言い訳である。
以下、三陸沖大地震〔発生日時、震源、規模、震度(最大)、津波(最大)〕の歴史を示しておこう。
▽貞観地震(貞観11年5月26日=869年7月9日、震央 8.3 〜 8.6、−、−、 死者約1000人)
▽慶長三陸地震(慶長16年10月28日=1611年12月2日14時頃、震央、 8.1 −、20m? 死者2000 〜 5000人)
▽明治三陸地震(明治29年=1896年6月15日19時32分、 震央、 8.2 〜 8.5 震度3 、38.2m、 死者・行方不明者21959人)
▽昭和三陸地震(昭和8年=1933年3月3日2時30分、震央 8.1 、震度5 、28.7m、 死者1522名、行方不明者1542名)
▽東日本大地震 (平成23年、2011年3月11日14時46分、震央 9.0、 震度7、 37.9m、 死者・行方不明者2万人以上)
東日本大地震(マグニチュード9.0)、大津波、福島第一原発大事故という天災と人災が重なり合った大災難が発生しました。まさに国難である。貞観地震は、貞観11年5月26日(ユリウス暦869年7月9日、グレゴリオ暦換算7月13日)に陸奥国東方の海底を震源として発生した巨大地震。地震の規模は少なくともM8.3以上であったと推定されている。
東北地方の東の三陸沖海域にある太平洋の海底が震源とされ、地震に伴う津波の被害も甚大であったことが知られている。今回の東日本大震災は、貞観地震を上回り、いくつかの類似点が指摘されているので、「1000年に1度の大地震」と言われている。だが、これをもって、「想定外」と言い逃れすることは許されない。
三陸沖地震は、約数10〜100年ごとに起こっており、「貞観三陸地震」「貞観津波」は、そのなかで知られている最も古い三陸沖地震にすぎない。大津波で言えば、「20m〜38.2m」という記録もあり、今回の東日本大地震による大津波最大の「37.9m」は、想定の範囲内にあったと見なくてはならない。故に、これを無視して原発を建設したのは、大いなるミスであったと断ずるべきである。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
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